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杵築市、温泉や体育館廃止も 緊急財政対策の骨子案

 財政が危機的状況にあるとして、杵築市が2020年度から3年間で取り組む緊急対策の骨子案が9日、明らかになった。見直し対象は市の事業の全分野に及び、温泉や体育館といった公共施設の廃止、イベントの補助金縮減などが盛り込まれた。教育、福祉、産業振興などの事業縮小も含まれる。市民サービスの低下は避けられない見通しになった。
 見直しは分野・事業ごとに廃止、費用縮減、実施年度の短縮などを想定している。
 公共施設で廃止候補に挙がるのは市山香温泉センター(山香町野原)と市健康福祉センターの温浴施設(猪尾)。18年度はそれぞれ約2万4千人、4万6千人が利用した。廃止時期はいずれも20年10月。市営石丸体育館(大田石丸)、市勤労者体育館(杵築)もリストアップされた。開館時間の短縮を検討する体育施設もある。
 補助金を縮減するイベントは杵築、山香、大田各地域の代表的な祭りを含み、打ち切るものもある。この他、市民向け健康教室の縮小や小中学校支援員の減員などにも及んでいる。
 市は11月26日に緊急対策の原案を発表。人件費の削減や組織のスリム化で、19年度に比べて年間10億円程度の歳出抑制を目指す。▽投資的経費の削減▽公債費圧縮▽収入確保の検討―などに取り組み、22年度末の財政調整基金残高を10億円以上確保する。
 「歳入に見合った予算」「総人件費の抑制」「基金取り崩しは最小限」を方針に、成果を検証しながら取り組みを継続。不十分な場合は新たな対策の策定も視野に入れる。近く住民や関係団体から意見を聞いた上で対策を決定。20年度当初予算から反映させる。
 9日の市議会一般質問では、加来喬氏(共産)が廃止候補施設の具体例を挙げ「市民につけを負わせることになる。どう責任を取るのか」とただした。永松悟市長は「これから議会や市民の意見を聞く。緊急状況を最大限の努力で脱出することで責任を取りたい」と答えた。

 市は17~20日に緊急財政対策についての市民説明会を開催する。永松悟市長や担当課長が出席する。時間はいずれも午後7~9時。
 日程は次の通り。
 ▽17日 大田中央公民館▽18日 市役所山香庁舎3階ホール▽19、20日 市健康福祉センター多目的ホール
※この記事は、12月10日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。

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