注意事項
因みに、zeroに関しては不定期で更新する予定なので、あまり進まないと思います。しかし、メインルートの方は毎日更新する予定なので応援よろしくお願い申し上げます。
カルネ村
エンリはモモンガという神様に出会ってから、運命が大きく変わってしまった。
またモモンガから貰った、マジックアイテムを使用して出現したゴブリン達のおかげで、リーダー的な役割を務めていた。
無論村長としての仕事は、以前の村長が引き続き行いつつエンリにもやり方を教えていた。
エンリは神に対する感謝を決して忘れはしない。その為も貰ったマジックアイテムの分だけでもお金を返すべく、環境に配慮しつつ薬草などを採取していた。
【姐さん。これ以上は奥に進まない方がいいと思いますよ】
話しかけてきたの村人では無く、亜人に分類させるゴブリンと言われている人間の敵だか、アイテムによって出現したゴブリンはなぜか、エンリの事を姐さんと呼び忠義を誓ってくれている。
そんなゴブリンの忠告だからこそ、エンリは無視が出来なかった。
「うーん。もう少し採取しておきたいんだけど、命には変えられないんだよね」
「そうですよ姐さん。帰りましょう」
エンリは十分な薬草を採取してカルネ村に帰る事にした。
そんなエンリは、薬草を売るべく知り合いの薬師の所に行くべく村を出るのであった。
「では皆さん薬草を街に売って来ますので、ネムをよろしくお願いします」
エンリは村人に見送られながらカルネ村を後にした。
一人旅をするエンリは決してモンスターに襲われはしなかった。なぜならエンリには、影の悪魔が影の上から擬態して監視をしていた為に、モンスター等はその気配にビビり決して近寄らなかったが、盗賊等はその気配に気付かずにエンリを襲い影の悪魔によって殺害されていた。
殺害した盗賊等はナザリックに送り、モモンガのスキルによって死の騎士に生まれ変わっていた。
余談だが、エンリはモンスターを統率する適性等があるらしく影の悪魔は通常よりもいい働きをしたとか、いないとか。
リエスティーゼ王国税関のような所
エンリは税関のような所に出来た長蛇の列の最後尾におとなしく並んでいた。
ただそんなエンリを遠くから観察していた仮面を被った少女については、影の悪魔すらも気がつかなかった。
やっと自分の順番が回ってきたエンリはいい加減イライラしていた。
そんなエンリの心情が写ったのか、影の悪魔も指示があれば即座に動きます的な感情を、エンリに送っていた。
検問所で働いている兵士達は一人の女性が目に入り、彼女は魔法詠唱者かも知れないと思い同僚の魔法詠唱者を呼ぶのであった。
「こんにちは。今日はどのような用事ですか」
兵士達は魔法詠唱者らしき人物を不快にさせないように、必死に態度を取り繕っていた。
少女の顔が見たところイライラしているのが丸わかりだった為かも知れない。
「こんにちは。今日はですね、薬草を売りに来たんですよ」
「なるほど。では中身を確認したいので内容を教えてください」
エンリは村で採取した薬草について洗いざらい答えた。
ただ、テロ行為に等しい影の悪魔の事に関しては、余計な事案を避ける為に敢えて黙る事にした。
「で、この薬草はどこに持っていくのだ」
「バレアレという薬師の方に卸しに行きますよ」
バレアレという有名な薬師の名前が出た時点で、薬草の検査を半ば適当に行っていた。
バレアレに卸しているのなら、品質にも問題はないだろうと思いながら作業を続けた。
そんな事を考えていたら、いかにも魔法詠唱者の、格好をしている男が走りながらやってきた。
「誰を調べればいいのだ」
話しかけられた兵士はエンリを指差しながら、魔法をかけるように頼み込んだ。
「では調べる為に魔法をかけますが宜しいですか」
兵士はエンリに魔法をかける許可をとり、エンリは許可を出した。
「魔法探知」
魔法をかけた男はエンリの腰を指差しながら話を続けた。
「娘よ。腰に付けている笛を見せたまえ」
エンリは男の指示に従い笛を机の上に、ゆっくりと置いた。
「道具鑑定」
魔法を使用した男は奇声をあげながら、のたうち回っていた。
可笑しくなった男に駆け寄る兵士達は、事情を聞くことが出来るか心配だったが杞憂に終わった。
「その笛には果てしない魔力が注ぎ込まれている。恐らくだか効果は多数のゴブリンを永続的に召喚する物だと思う」
男の回答にエンリは頷いた。その答えが正解だと言わんばかりに。
「そうですよ。その笛はゴブリンさんを召喚する物ですが、何か問題があるんですか」
疑問を唱えられた男は回答に困りながらも、自分の考えをエンリに示した。
「問題自体はないがどうやって入手した」
「モモンガ様に貰ったんです」
正直な事を言っているエンリに対して、聞いた事のない魔法詠唱者の事を言われて疑ってしまった男は、ナザリックに属する者にとって最悪の選択をしてしまった。