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ブレグジットなるか イギリス総選挙、その仕組みと結果判明時間

2019年12月12日(木)11時30分

英国では、12月12日に総選挙が行われる。総選挙の仕組みと、結果が判明する時間についてまとめた。写真はロンドンのバッキンガム宮殿の前で3日撮影(2019年 ロイター/Kevin Coombs)

12日投開票の英総選挙の仕組みと、結果が判明する時間についてまとめた。 

◎投票の仕組み

―英国には650の選挙区がある。

―1区につき下院議員1人が選出される。

―地域ごとの選挙区数は

イングランド 533区

スコットランド 59区

ウェールズ 40区

北アイルランド 18区

―有権者は地元選挙区の候補に投票する。

―候補者は政党に属する場合と無所属の場合がある。

―得票数が最も多かった候補者が下院議席を得る。

―投票時間は12日0700GMT(日本時間12日午後4時)から2200GMT(13日午前7時)まで。

―投票の方法は、投票所に出向くか事前投函。

◎有権者

―イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの登録済み有権者数は合計4580万人。

―投票資格を持つのは国内に居住し、12日時点で18歳以上の英国民。

―英国内に居住するアイルランド国民もしくは一部の英連邦諸国の国民にも投票資格がある。海外に居住する英国人も、過去15年の間に国内投票に登録していれば投票できる。

◎結果発表時間

―出口調査結果が2200GMTに公表され、選挙情勢の格好の目安になることが多い。過去4回の総選挙のうち、3回はこの出口調査結果が議席数の誤差こそあれ全体的な結果を正確に映し出した。

―大半の選挙区は2200GMTの投票締め切り直後に開票を始める。

―通常、2300GMTまでに最初の2選挙区の結果が判明する。他選挙区の結果が出るのは翌13日未明で、大半は0200GMT(日本時間13日午前11時)から0300GMTの間。

―13日中にはすべての結果が発表される。

◎その後の流れ

―出口調査結果で明確な勝者あるいは敗者が分かり、続いて実際の結果が発表されると、野党になる党の党首が負けを認めるか、勝った政党が勝利宣言を行う。

―接戦が予想される場合には、ほぼすべての結果が出るまで各政党とも静観しそうだ。

◎獲得議席

―絶対過半数は326議席。

―しかし議会通過に必要な事実上の過半数はもっと少ない。これは北アイルランドのシン・フェイン党から当選した議員が登院しないため。

―例えば2017年の総選挙ではシン・フェイン党が7議席を獲得し、事実上の議会過半数の下限は322議席となった。

◎明確な勝利政党がない場合

―どの政党も過半数を獲得できない状態は「ハング・パーラメント(宙ぶらりん議会)」と呼ばれる。

―その場合、各政党は連立を模索することができる。

―現職の首相、今ならジョンソン首相が最初に連立を試みることになりそうだ。

―連立の形としては、10年に保守党と自由民主党が組んだような正式な連立のほか、17年に保守党と民主統一党(DUP)が結んだ閣外協力があり得る。

―政権を樹立できなければ首相は辞任して、政権樹立のチャンスを最大野党の党首に与えるよう提言することができる。

[ロイター]


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