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東方兎録~幻想入り~ 作者:ファム

夢殿編

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鏡の境界、変化求むモノ

そろそろ主人公のヘタレが進行に支障をきたしそうだったので強制プログラム開始!


この小説にはちょっとヘタレすぎた主人公、ぶち切れた人、余り出ることなく退場となった最強格の方。などが含まれます。


苦手な方は退避を。

それ以外の方はゆっくりしていってくだいね!

「・・・・・・家主に断りも入れずに侵入した上にいきなり逃げるなんてねぇ・・・。


一回と言わず、一那由多ほど死んでみる?」


喉元に左手の変化した透明な蟹鋏が突きつけられ

そこの見えない穴でも見ているかのような吸い込まれそうな目で見られる。



――恐怖のあまり逃げ出した、一瞬前の自分を原型なくなるまで殴りたい。

おかげで機嫌損なって絶対絶命だよ。


「すみませんでしたっ!


あまりにもトイレがしたかったのでっ!」


恐怖のせいで逃げたかったなんて言ったら即、死亡みたい出会ったためとっさに少し誤魔化して言ってしまったが、水の滴る洞窟で冷えたのと恐怖のせいでちょっと緩んでしまったから嘘では無いので

嘘が嫌いな妖怪だったとしても嘘を言わなければ逆鱗には触れないから多分大丈夫だろう。


「・・・・・・トイレ?

なら、断りを入れなかったから優しい私は一回殺すだけで許してあげる。」


――某焼き鳥の方とは違って僕は一回殺されたら死ぬんですが。


「・・・・・・1回殺されたら後は蘇らないんですが。」


「・・・・・・?

当たり前じゃない。わかってて言ってるのよ。」


満面の笑顔で無慈悲な言葉が言い放たれたのを耳が聞き取ると同時に火炎弾で鋏をはじき飛ばして外へ駆け出す。


「トイレ行ってきます!」



一歩踏み出した所で何かに足を掴まれて倒れ、

さっきまで首のあった場所を鋏が薙ぎ切る。


「気になって来てみればやっぱりこうなっていたかっ!」


水晶洞窟の鏡のように滑らかな表面へと一気に引き釣り込まれてそこでようやくあの化け物から開放された。

お礼を言おうと背後を振り向く。

アレから助けてくれた白い腕の持ち主・・・輝美は片腕を切り落とされていた上に出発する時と比べると体積が三分の二に変化していた。


――片腕が切り落とされたのは鋏だとしてもなんで体が縦横奥の比はそのままに小さくなるなんて、何が起こったんだ?


「何故にアイツを怒らせたんだ?

桜様もアイツを怒らせないように言いつけたと聞いたのに・・・・・・。お前は馬鹿なのかっ!」


「・・・・・・。

すみません。今まで体感したことが無いほど怖かったので・・・・・・。」


そこまでいったところで水野さんの顔から燃え上がる怒りやら焦りやらが消えたのが見えた。


残ったのは呆れにも似た表情だ。


「・・・・・・なら、最大級の恐怖をあらかじめ与えておけばこれからこういう事は無くなるという・・・訳か。」


無表情だった顔がいきなり今まで見たことがないくらいの笑顔に変わり、背中から七つの鏡が出て周りを回り始める。


――全体的に笑ってるのに目が一ミリも笑おうとしていない顔なんて初めて見た・・・・・・。


「水野・・・・・・さん?」


「問答無用。

あんな主人でも、

期待やら何やらを裏切り続けられるところを見ていると式神の私としてもイラつく物は有るんだよ。」


静かに腕が振り下ろされ、同時に六つの鏡から石膏像のように真っ白な腕が伸びて全身の関節を極められる。

逃げようともがくけれど少し動くだけでも体に激痛が走って出れそうにない。


「・・・・・・君はいい加減に他の人に上部だけで従うのを辞めてくれないか?

そんな感じだから異常なほどに臆病な行動しかできないんだよ。不愉快だ。」


「ッ!」


幻想郷に入って初めて受けた怒りは、

思い浮かべれば確かに今までの行動の時と一致する。

初めの動揺していた頃と

時々来る、戦いに喜びを感じる状態を除けば大半の行動は言われたままにするだけで恐怖を感じた時は逃げ出そうとしていたのは本当だった。


心のどこかで『いずれ帰れるのだから』と思って周りと自発的に関わろうとしていた無かった本心に今気がついた。

そりゃ怒りもする。


自分を鑑み終わって前を見ると、水野さんが目を閉じ刀印を結んで何かの形を腕で表し始めていた


「鏡は遥か昔より恐れの対象だった。

真実しか映さない鏡に詰め込まれた恐れは数多くの妖怪となり、あの時代(江戸)までは増える方が多かった。

・・・・・・現代になり名を忘れられた鏡妖怪は力を失い消えようとしていた。

一か八かでお互いに混ざり合うことを選択した妖怪は一となり。

それは一にして多であった。」


そこまで言い終わった所で一枚の白いスペルカードが刀印の合わされた指の隙間に現れる。

ソレを振り上げ、目を開きながら振り下ろす。


「鏡符 白き鏡妖(きょうよう)。」


無感情にスペルが言い放たれると、輝美の輪郭がぼやけて端から小さな白い粒へと変化していく。


吹雪のように荒れ狂う小さな鏡達の塊は、鏡の中の世界特有のシャボン玉表面と同じ紋様に溶けていく。


「「本物の恐怖って奴を教えてあげるよ!」」


何処かから響くように声が聞こえ、

背景がひび割れる。


――此処で輝美さんを倒して自分を変えないとっ!



鏡から出てきた腕が解かれると同時にリボルバーを引き抜き腰ベルトにつけたカードケースから数枚のスペルカードを引き抜く。


「火炎弾 灼熱の狂宴っ! 」


自分を変えるため、自分の意思で戦う。


決意を固め、弾幕勝負を今、開始する。

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