ただし、どちらも都市国家(地域)であり、人口が少ないので、特殊なケースだと考えられるかもしれない。

 しかし、最近、新しい現象が生じている。それは、韓国や台湾が1人当たりGDPで日本に迫っていることだ(図表1、一部は、IMFによる推計)。

 これがとくに明瞭な形で現れているのが、韓国だ。

 韓国の1人当たりGDPは、00年代初めには日本の3割程度でしかなかったが、00年代の半ばには50%を超えた。その後、08年には、リーマンショックの影響で、日本との格差が開いた。

 しかし、12年頃から、韓国の1人当たりGDPは再び日本に近づいている。18年に8割をこえた。

 IMF(国際通貨基金)の推計では、23年には日本の85%になる。

 韓国の最低賃金は、すでに日本より高くなっている。

2040年には韓国が日本より
豊かな国になる

 1人当たりGDPで、韓国は日本との差を縮めつつあるので、いずれ日本より高くなることが予想される。

 図表2に示すOECDの推計によると、日本の1人当たりGDPは、2020年の3万9666ドルから、40年には5万4308ドルと1.4倍になり、60年には7万7242ドルと1.9倍になる(Dataset: Economic Outlook No 103 - July 2018 - Long-term baseline projections)。

 しかし、40年には、韓国が5万9338ドルとなって、日本を追い越すのだ。

 60年には、韓国は8万3300ドルとなり、日本より7.8%ほど高い水準になる。