安倍龍太郎
「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会についての質問に対し、菅義偉官房長官は12日午前の記者会見で「承知していない」とする回答を連発した。首相による説明を求められても、「首相が答弁された通りだ」などと答えるにとどめた。
安倍首相は夕食会が自身の後援会の主催であることを認めている。政治資金収支報告書に記載がないことが国会で問題視されており、見積書などの提出を求められていた。
菅氏は会見で、夕食会について「ホテル側に書類の提供を求めて断られたのか」「事前契約はあったのか」などと計8問、質問されたのに対し、「承知していない」「知らない」といった回答を5回繰り返した。「首相が国会で答弁されたと思っている」との趣旨の回答も5回に及んだ。記者が「首相の説明が十分理解されていないと思う」と食い下がったが、「ホテル側と相談の中で、出席者の大多数がホテル宿泊者だったので、5千円で領収書を渡したと懇切丁寧に説明されている」と応じるのみだった。
夕食会の会場となった「ホテルニューオータニ」(東京都千代田区)によると、催しの際には基本的に見積書や明細書を発行し、7年間保存しているという。だが、首相は夕食会について、これらの書類は「発行はなかった」と説明。首相の事務所がホテル側と相談した結果、「営業の秘密に関わることから公開に応じかねる」との説明がホテル側からあったとしていた。(安倍龍太郎)
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「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐる、12日午前の記者会見における菅義偉官房長官と記者との主なやりとりは次の通り。
――夕食会が開かれたホテルでは基本的には見積書や明細書を発行しているとのことだ。安倍事務所が書類の発行は不要だと伝えたから、見積書や明細書が存在しないのか。
「夕食会について詳細は承知をしていない。首相がすでに国会で答えた通りであり、それ以上でもそれ以下でもない」
――見積書や明細書について首相や官房長官は「営業の秘密に関わることから公開を前提とした資料提供には応じかねる」との説明がホテル側からあったとしている。ホテル側に夕食会に関する書類の提供を求めたが、断られたのか。
「詳細については承知していない。いずれにしろ首相が答弁したことに尽きるんだろうと思う」
――夕食会の料金は事前に契約されていたのか。
「承知はしていない」
――契約内容は総額を前提としたものか。それとも参加人数に応じたものか。
「承知していない」
――長官が答弁するのは難しいかもしれない。ぜひ首相に説明いただきたい。
「総理自身はご答弁されたと思う。会場費も含めて800人規模、1人あたり5千円とすることでホテル側と設定したと述べていると思う」
――出席者は800人で1人5千円ちょうどの契約内容だったということか。
「詳細については知らない」
――詳細について知りたい。首相や首相事務所に説明いただけないか。
「首相が説明した通り。それに尽きると思う」
――首相の答弁を踏まえても疑問が残っており、さらなる説明の機会がなければ理解されないと思う。
「(首相は)国会で、ホテル側との相談の中で出席者の大多数がホテル宿泊者だったので、5千円で領収書を渡したということは懇切丁寧に説明されているのではないか」
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