@chablis777
シャブリ

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(常治)今 何が起こってるか分かってるやろ!?
(マツ)今?(常治)今いうか ここんとこや もう!
喜美子に男ができるいうもう 青天のへきれき事件が勃発しとんじゃ もう!
男て言い方…。男やろ。
十代田八郎さんいう名前があるんやさかい。
どこのハレンチさんやら。八郎さんや!ハレンチや!
・(常治)もう ちょっと聞いてぇや もう!
はよ!
こっ… こっちに…。
はい。
もう…。そもそも あいつら いつからや?
さあ?知らんわけないやろ。
大阪から来はった言うてたからなあ。誰がや。
八郎さんや この夏にな。
大阪… お前… お前 まさか お前…。
お前 大阪におった時から お前…あれしとったんちゃうやろなそれやったら 結構長いよ お前…。
そういうことも含めて きちんとお会いして お話聞いたらええやないの。
え~ もう…。何べんも来てくれてはるのに。
会うて話したらなし崩しになってまうがな。
結婚反対なん?
早いやろ まだ喜美子 まだ3歳やもん…。
俺ん中ではお父たん お父たん言うとんねん…。
ちょお ちょお…。うん! うん! もう!
帰ってけえへんやん もう!まあ 確かに遅いなあ。
遅いわ もう。 もう~。
どっか行ってもうたってことないか…。どっかって…?
いや… せやから…信楽から… 信楽から遠くに…。
せやから… 俺とお前ん時みたいに駆け落ちしたんちゃうか言うとんねんもう!
アッハ…。分からんけど…あいつも俺の娘やろもう 熱いいうか こう 何ちゅうの熱情がこう 燃えたぎるたちかもしらんやん駆け落ちせえへんとも限らんで もう…。もう~ かなわんわ もう~。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
なにも 一生 許さへん言うてるわけちゃうやんか 俺かて…。
熱情に浮かれてる時は冷却期間いうか 一旦 頭冷や…。(百合子)駆け落ちしたん…?
お父ちゃん。お母ちゃんと駆け落ちしたん?
いや… あの…。そんなん知らん ほんま? 何で?
あ… お父ちゃんたまたま仕事が うまくいってなくてなどこの馬の骨とも分からんやつ言われて…。やめえ もう!
ほんで 何?お父ちゃん 熱情が燃えたぎるたちなん?
まあ… 若い頃はな。
燃えたぎるん? 気色悪ぅ。
えっ? いや…。
気色悪ぅ。え… いや… いや いや ちょっと百合子 お前…。ああ! 来んといて!
・嫌や! 嫌や! 気色悪い!えっ 百合子!
(喜美子)ただいま~!(マツ)お帰り!
お母ちゃん! もう すごいで!泣きそうになったわ~!
(マツ)どないしたん?(八郎)遅うなって すみません。
あっ 送ってくれはった。いや~。
照子が産気づいてな出産に立ち会うてん!
ほんま!?もう 焦ったわ!
立ち会うたいうてもな 腰さすったりこうやって お湯沸かすんを手伝ったりやけ… ど…。
遅うなってしもて すみません。すみません。
ねえ 無事 産まれたん?うん!
もう 予定より早いから心配したけどな産気づいたら あっという間や!
えらい安産で お産婆さんも驚いてたわ。へえ~! で… どっち!?
女の子!わあ~!
もう 照子のお母さんも 泣いてたでえ!(八郎)若社長も。
なあ! 男泣きしてたなあ!
照子さん 産まれたんや!そうやねん! ただいま。
お帰りなさい。 こんばんは。こんばんは。
上がらはります?ああ 送ってきただけなんで今日は もう…。遅いもんな。
連絡するいうのが頭になかった舞い上がってしもて…。
そら 分かるわ。ごめんな? 心配かけたな。
ううん。ほんまに すいませんでした。
すみませんでした。
ほな。ほな。
(常治)あ~。(常治のせきばらい)
上~がれや…。
えっ。
な… 何や お前あ… 上がってほしいんちゃうんか。上がってったらええんちゃうか?
(小声で)上がって!座布団!
あっ 座布団 ええ要らん要らん 要らん要らん。
ほな…上がらせてもらいますお言葉に甘えて。
失礼します。
(常治のせきばらい)
おう おう…。
おっ 百合子。 お前 ここ座れ。
うち こっちでええ。
なん…。 な… 何や…。
何かあったん?気色悪いねん!
なにが気色悪いじゃ お前!若いうちはな 熱情が燃えたぎるんや!
す… 好きになったらあかんのか! お前。ええ? お前。
そういう気持ちは誰にも止められへん…止める権利もあれへん…。
どういうこと?(常治)何もない!
(八郎)あの…。
なあ おなかすいてるんちゃうの?何も食べてへんのやろ?
何か食べながら 話 しよか?うん。
何やねん その緊張感のなさは もう。なまぬるい空気持ってくんな もう。
あら~ せやけど なあ?うん。 お茶漬けでも食べる?
お前もや もう! 大事な局面や。
大事な局面 終わったわあ。何を言うとんねん。
お父ちゃんが 上がってもええ言うてくれたから ひとまず ほっとした。
誰が そんなこと言うた。お父ちゃん。
言うてへんわ。言うたやん。言うてへん!
言うたやん。言うてへん…!言うたやんか!
♪~
ハハハハハ…もうええ もうええ もうええ。
もうええ ほら もう。
ハハッ もうええ。
はあ~あ…。
ほんまに もうええ もうええ。足も崩せ。 もう顔も崩したらええよ。崩れとるわ もう。
ええの?ええよお。
その「ええ」は どういう意味の「ええ」?
どういう「ええ」やろうな。真面目にやってや。
真面目にやったら腹立つやろ。
ほな ふだんどおりでお願いします。普通の感じで。
あの 改めまして 十代田八郎と申します。
俺 ジョ~ジ。それ 普通か?
俺 ジョ~ジ~。もう 言い方変えてるだけやん。
ジョー。 ジョー…。何なん もう意味ないやん。
はあ… 最初はこういう くだけた感じでいくねん。
決めてたんや。だんだん キュ~ 締めてったるから。
何やねん それ もう自然体でいこうや。
ほな 寝転ぶで? 寝転ぶ…。
もう お父ちゃん やめてえや…!ジョ~ジ…。
押すな 押すな 押すな 押すな…!押してへんやん もう。押すな お前!お前 本当…!お父ちゃん!あかまつ行ってまうど!
戻って戻って もう! 恥ずかしい。もう…!
お前らも…。
あっ ほな 改めまして母のマツと申します。
妹の百合子です。あと ほかに何人か なっ。
何人もおらんわ。東京に8人ぐらい…。1人や!
直子いう妹がおるんよ。はい。
8人なんは 八郎さんやなあ。はい。
安易なもんや。何や その創意工夫のない名前付けた両親は まだ あの… 田舎におんの?
亡くなりました。
(せきばらい)あ… 悪い。 すまん。
いえ。 父は 僕が小さい頃に。母も亡くなってから もう随分たちます。
出身は あの… 大阪?はい。
き… 喜美子とは 信楽来てから?
はい 信楽来てからです。あっ…。はい。
ああ そう… そうか…。
ほんで きょうだいは まだ大阪やの?
一番上の兄は 結婚して岡山に。
3番目と4番目の兄がそれぞれ仕事で敦賀と名古屋に。
大阪におるんは 5番目の姉だけです。
それ… 2番目と 何や…。2番目と6番目は 戦争で。
7番目は 生まれて ひとつき足らずで死んだって聞いてます。
あ… そうですか。はい。
5番目の姉が 僕の親代わりいいますか僕の学費の面倒を見てくれてました。
ほんで 今は…。
はい 今は 丸熊陶業の商品開発室いう所で働かしてもろてます。
ほう…。なかなかな 骨のある男や思っとったで。
本気で言うてんのん?いや ほんまや ほんま。 うん ほんま。
うん… せやけど あの…一つだけな… うん…。
何?
いや… 一個だけ あんねや その…。
ほやから 何よ。
(せきばらい)
十代田君 あの… あの~ 八郎君。
はい。
はあ… 腹割って話すとな俺は… その…。
こいつと一緒になってもう ずっと苦労ばっかりかけてきたんや。
どこの馬の骨か分からんやつにはやらん言われて駆け落ち同然で こう 飛び出してきて…泊まるとこのうて橋の下で 雨しのいだりな。
アハ…。
幸せにしたろう思っとったんや。
幸せにできる思っとったんや。夢も いっぱいあった。
大きい家建てよ言うて…ブランコある白い家がええ言うて…。
ハイキングも行きたい言うとった…。
言うてないよ。いや 言うとった… 言うとったんやて。
せやけど そんなんも こんなんも…俺 何も かなえてやられへんかったんや。
もう ここも逃げるように来て もう…見てのとおり おんぼろで…。
失敗ばっかりの人生や。
せやから あの…せやから… 分かってくれるかな?
八郎君は 今 丸熊陶業の商品開発室いうとこで社員さんでおられるやろ。
はい。うん…。
ほんで ええんちゃうのん?
いや… あの 喜美子から聞いたんや陶芸家になる夢 持ってるいうて…。何や それ? って…。
そんなん… そんな夢 必要ですか。
お父ちゃん。いや もう それだけがなそれだけが どないしても気になんねん。
別に あの… 陶芸したらあかん言うてるわけちゃうねん。
なんぼでも空いてる時間にやってくれてもかまへん。
せやけど それだけが…分からへんねん…。
約束して下さい 一個だけ。喜美子と一緒なるんやったら一生 そんな ふわふわしたことを言えへんいうて。
ひとつ 約束して下さい。
陶芸家になりたいいうのがあかんのですか。
夢を… 持つないうことですか。
好きいうだけでは夢いうのは かなえへんねんて。ほんまに 約束して下さい。
頼みます。
お願いします。
♪~


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