政府は、10日、「桜を見る会」で改めて問題となった反社会的勢力(反社)に関し、「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的かつ統一的に定義することは困難」とする答弁書を閣議決定した。立憲民主党の初鹿明博代議士の質問主意書に答えたものだ。
入れ墨の入浴写真をSNSにアップしている人物が、「桜を見る会」で菅義偉官房長官とツーショット写真を撮っていることが判明。
以降、安倍晋三首相や菅氏が、国会や記者会見で反社との関係、反社と「桜を見る会」に関して問われることが多くなり、耐えかねたように「定義は困難」としてしまった。
とんでもない「逃げ」であり、「ご都合主義」である。
政府は、07年6月、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を公開した。その際、示された反社の定義は、以下のような属性を持つものとされた。
・暴力団
・暴力団関係企業
・総会屋
・政治運動標ぼうゴロ
・社会活動標ぼうゴロ
・特殊知能暴力集団
このうち明確に認識できるのは、暴力団と総会屋だった。いずれも組織に属していることを隠さない。その「看板」が、シノギ(収入)に直結するからで、取り締まる警察サイドも容易に構成員を把握できた。