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重過失致死の疑いで高校生を書類送検 大分市の自転車衝突事故

 大分市小池原の歩道で5月、歩行中の女性=当時(61)=が自転車にはねられ死亡した事故で、大分中央署は9日、重過失致死の疑いで、自転車に乗っていた県立高の男子生徒を大分地検に書類送検した。捜査関係者によると、下校中に無灯火で走行し、前方不注視など安全確認を怠ったことが重大事故につながったと判断した。
 事故は5月29日午後8時45分ごろ、県道沿いで発生。男子生徒の自転車が、前から歩いてきた大分市明野北の主婦に正面衝突した。主婦は頭を打ち、当初は意識があったものの、翌30日に急性硬膜下血腫で亡くなった。
 大分中央署などによると、現場は自転車が通行可能な幅3・5メートルの歩道。付近に街灯はない。生徒はスポーツタイプの自転車に乗り、見通しの良い緩やかな坂を上っていた。主婦は知人と2人でウオーキングをしていたという。
 近くのパートの60代女性は「散歩する歩行者と部活動帰りの高校生らの自転車がよく行き交う場所。夜に周辺店舗の明かりが消えたら真っ暗になる。事故後、身を守ろうと反射材を着けたり、懐中電灯を持ったりして歩く人が増えた」と話す。
 自転車は道交法上、車道を走るのが原則。歩道は交通量が多い幹線道路などに限り走行が認められている。イヤホンで音楽を聞く行為や、スマートフォンを操作する「ながら運転」などルールに違反して事故を起こせば重過失で罪に問われる可能性があり、多額の賠償責任を負う恐れもある。
 県警交通企画課は「自転車は車両の一種。歩行者にぶつかれば重大事故につながりかねない。歩行者優先で走行してほしい」と話している。

〇県立高、1万2千人が自転車通学
 県内では2018年に自転車に乗った高校生が絡む事故が92件起きている。内訳は▽対乗用車など 85件▽対バイク 3件▽対自転車 2件▽対歩行者 2件(いずれも県警調べ)。
 5月の死亡事故を受け、県教委は同31日、各県立学校と市町村教委に自転車の安全運転を徹底するよう通知を出した。10月には県立高で交通安全指導を担当する教職員ら約50人を集めた研修会を開催。全国であった事故事例や、ブレーキ、タイヤなどの点検ポイントを学んだ。
 県教委によると、自転車通学をしている県立高の生徒は本年度、約1万2千人。PTA単位で加入する保険に全生徒が入っており、過失による事故があった場合、被害者の損害を補償している。
 学校安全・安心支援課の簑田祐二課長(57)は「自転車通学生のヘルメット着用推進と併せ、交通安全意識の向上を図っている。自転車は車道が原則、歩道は例外―などの安全利用5則を、各校と連携しながら徹底したい」と強調した。
※この記事は、12月10日大分合同新聞朝刊23ページに掲載されています。

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