コンビニエンスストアの最前線に立つ加盟店やその従業員のことを、真剣に考…
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コンビニエンスストアの最前線に立つ加盟店やその従業員のことを、真剣に考えていないのではないか。
そう疑わざるをえない事実が、全国に2万1千店を構えるセブン―イレブン・ジャパンで明らかになった。
加盟店のアルバイトなどの残業代の一部が、長期間にわたり未払いだった。本部が代行する給与の計算や支払いで2001年10月から、誤った計算式での支払いが続けられていた。名前などを確認できた分だけで、対象者は3万人、未払いの総額は遅延損害金を含めて4億9千万円になるという。
本部は今後支払いを始めるが、すでに店を辞めた人は自分から専用電話にかけないと、受け取りは難しい。本人から申し出てもらうための告知や、データのない人の確認の方法を、工夫する必要がある。
労働基準監督署が加盟店へ指摘するまで、本部はこの計算ミスに気づかなかったという。
驚くべきは、未払いが40年以上前の創業当初から続いていた可能性があることだ。労基署は01年、計算式の別の不備を加盟店に指摘した。これを本部も把握したのに公表せず、さかのぼって支払うこともしなかった。
信じがたい不誠実さだ。
現場を支える人たちの労働の対価にかかわる話なのに、当時会長だった鈴木敏文氏は「まったく承知していなかった」という。重要情報がトップに届かなかったのであれば、危機管理や法令順守も危ぶまれる。
アルバイトだから、短期で辞めるかもしれないからと、問題を放置していなかったか。退職者も含めて当時の関係者に徹底してあたり、事実関係や責任の所在を洗い出すべきだ。
「今までを是としないで改革する決心を持つことが、いちばん大事だ」。永松文彦社長は謝罪会見で、こう述べた。
しかし、時代の変化に対応したい、中央集権型マネジメントを見直す、といった経営トップの決意表明を、今年、もう何度聞いたことだろう。
都合の悪い問題を直視しようとしない姿勢は、長時間労働の見直しを求めた加盟店主に向き合わず、むしろ意見を封じ込めようとした24時間営業への対応に通じるものがある。
本部の社員が店主に無断で、おでんを発注していたことも明らかになっている。
問われているのは、本部とフランチャイズ契約を結ぶ加盟店が、健全な関係を築けているのかという、ビジネスのあり方そのものだ。
体質の抜本的な改善に、踏み込む覚悟はあるのか。具体的な行動と成果が求められる。
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