オーバーミックス   作:青の魔術師

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予想以上にプロローグを見てくださりありがとう御座いました。
そんな訳では始まります。


第1話 降臨する骸骨

【ナザリック地下大墳墓 9階層】

モモンガは椅子に座りながら遠隔視の鏡を使用していた。

「全然使用法がわからないな」

「モモンガ様。使用法などを僕に調べさせますか」

モモンガは骨の手を横に振りながら拒否反応を示した。

「いや、自らアイテムを知る事でさらなる成長を得られるのだ」

セバスは深くお辞儀をすると、またモモンガの背後にたって遠隔視の鏡に映る草原を眺めていた。

 

モモンガは適当に遠隔視の鏡を適当に動かしながら、ついに使用方法を見つけるのであった。

「よし、出来たぞセバス」

「さすがは、モモンガ様でございます」

セバスに褒められて嬉しくなったモモンガは、遠隔視の鏡をこれ見よがしに弄り倒し、自分の運命を大きく変える村を発見するであった。

 

「祭りか」

「いえ、騎士のような者たちが村人を襲っているようですが、とても違和感を感じます」

モモンガも初めこそ殺戮かと思ったのだが、村を襲う騎士たちの動きがとても変なのだ。騎士たちは、武器である剣を使わずに拳や足を使い村人を襲っているのだが、誰一人として重傷を負った村人がいないのだ。

まるで大掛かりの茶番劇を見ているような感じすらもする。

 

「うーん。どうするべきか、セバス騎士たちの強さはどの程度だ」

セバスは遠隔視の鏡を眺めて答えを導き出した。

「モモンガ様。おそらくなのですがレベル20以下だと思われますが、なにぶん鏡越しなので正確な数値では無いと思われます」

セバスの答えを聞いてモモンガは悩む振りをする。答えは既に決まっているのだから。

「どういたしますか」

「まぁ、助けに行ってみるか、自分たちの実力を確かめる為にな」

軽い腰を上げたモモンガは、セバスに追加で言葉を投げかけた。

「セバス、ナザリックの警戒レベルを最大に上げておけ。それにアルベドに完全武装で極めて遅れて来いとい伝えろ。そうだ転移門は新たに、シャルティアにでも開いてもらえ」

「畏まりました。ではモモンガ様護衛はどういたしますか」

モモンガは転移門を作り出し身体を入れ始めてから答えた。

「問題無い。危なくなったら、即座にナザリックに帰還するさ」

「答えになっていません。モモンガ様」

セバスの呟きは誰にも聞こえる訳もなく虚空に消えた。

 

転移門を抜けた先には二人の少女と二人の騎士たちが寸劇?をしていた。

「ころしてやるぞー」

とか腑抜けたセリフが棒読みだぞと、言いたい気持ちをグッと抑えて騎士たちに問いかけた。

「おい騎士たち。殺しを止めなさい」

聞いた騎士たちはこの上なく幸せそうな顔になり容赦なく剣を振り上げ少女に襲いかかった。

もう少女に対して何をしても自分達から守ってくれる救世主を目の前にしたような感じがした。

 

さっきから茶番劇をしてた癖にいきなり始めやがってと思いつつモモンガは【心臓掌握】を発動して、少女を襲う騎士の心臓を握り潰した。

「やはり人間を殺しても何も感じないな」

 

これまた笑顔で攻撃して来る騎士たちに呆れながら再度問いかける。

「まだ戦うのか」

騎士は頷きながら剣を手から離してモモンガに問いかけた。

「はい。神様の役目は邪悪なる存在から弱気人類を救う事にあるのですから」

もうどうでもいいかなと思ったのだが、折角だからと魔法の実験をするのであった。

【龍電】を発動して焼きあがった死体が新たに出来上がった。

「本当に弱いなぁ」

 

事が済んだモモンガはスキルを発動して見ようとした。

【中位アンデット作成・死の騎士】

すると空中から黒い液体が生まれて、騎士の体に纏わりつき死の騎士が誕生した。

 

「死の騎士よ。この村を襲っている騎士を殺さずに無効化しろ」

「オオオオオオオー!!」

と元気よく咆哮をして村の方に走り去った。

「元気だな」

 

エンリは絶句していた。あんなに強かった騎士達がいとも簡単に目の前の神様に殺されてしまった。

「怪我はしてないようだな。まぁ無事でなによりだ」

そうは言ったものの治療薬を試したかったという本音を仕舞いつつ、目の前の少女を安心させるべく魔法をかけアイテムを投げ渡す。

「まぁ、その中にいれば大抵の敵にはなんとかなるだろう。ついでにそのアイテムを使えばゴブリン達がお前達を助けにくるだろう。保証は出来ないがな」

「有難うございます神様」

「え、神様」

一人状況がのめないモモンガは目の前で信仰を捧げる人間達を視界に入れないようにしながら、村のある方向を見つめて決して動かなかったとか。


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