大手家電量販店や高級ブランド店などが立ち並ぶ東京・銀座。通りを歩くと、たちまち様々な国から来た観光客が話す外国語に包まれる。なかでも多いのは中国人客だ。
家電量販店の時計売り場には、高級腕時計がショーケースにずらりと並ぶ。多くの店舗は中国人の店員を雇い、商品の説明に余念がない。こうした客たちのお目当ては日本製品だ。
日本に初めて訪れたという中国・遼寧省の40代の女性は、日本製の印象について「質が高く、技術力がある。職人技で細かいところまで気をつかっている部分がいい」と答えた。
時計専門誌「クロノス日本版」の広田雅将編集長(45)は「腕時計に関しては、ここ5~10年で『メイド・イン・ジャパン』の価値が注目されるようになってきた」と話す。
これまで長年、日本の時計は、「安くて壊れない」のが強みだった。だが、近年になって日本の大手メーカーは高価格帯への進出を加速。これが成功した。世界の消費者が「メイド・イン・ジャパン」を再認識するようになったという。
今年2月。家電量販店の時計売り場の一角に、日本列島のデザインとともに「Made in JAPAN」と英語で大きく表示してある商品があった。中国語と韓国語でも同様の表記をしている。
「本当に売っている!」
この腕時計を確認に行ったのには、わけがある。
《日本の会社が、時計を中国で組み立てながら、「日本製」と表示して、大手家電量販店や大手通販サイトなどで販売している》 記者の元に、こうした告発が届いていたからだ。
「全てにこだわった日本製の高品質な製品を低価格でお届けしたい」
この腕時計を宣伝するサイトのホームページには、そんな文句が並ぶ。購入者の反応にも「日本製という安心感が購入の決めてとなりました」などと書かれていた。
販売しているのは大阪市にある時計販売会社だ。
記者に告発を寄せた男性は、こ…
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それだけで"日本製"の腕時計? 消費者が信じるイメージとはかけ離れた事実とは。調査報道の手法とともに、連載で伝えます。
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