メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

12月11日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局 広告特集

一番搾り 過去10年で売上No.1(※)
おいしさの秘密とは…

 秋深まるこの時季、秋刀魚の塩焼きや松茸の炊き込みご飯――。秋を代表する料理を挙げればきりがないが、その味を引き立てるお供といえばビールだろう。そしてこの季節を今か今かと待ちわびていたビールがある。キリンの「一番搾り」だ。同商品は8、9月に過去10年で最高の売上(※)を達成した。

 若者を中心に「ビール離れ」が叫ばれているが、キリンにとってはなんのその。今年4月のフルリニューアルをきっかけとした20代のトライアル購入は約4割増加(今年5月、前年同期比)。時代の流れと真逆に、ポジティブな結果をたたき出した。快進撃の裏に何があるのか。一番搾り人気の秘密に迫る。

「おいしい」へのこだわり

 キーワードはズバリ「おいしさ」だ。ビールの味を表現する際に、「コク」「キレ」「香り」といったキーワードを耳にすることが多いが、キリンが選んだのは「おいしさ」だった。

 リニューアルにあたり、キリンが調査をしたところ、「おいしさ」と答えた人が全体の51.2%で最も多く、続く「味わい」37.2%、「うまみ」31.6%などを引き離した。お客様がビールに期待しているものの第一を「おいしさ」、第二を「飲みごたえ」と捉え、「お客様目線」でリニューアルの商品開発を進めた。

 一番搾りの魅力といえば、麦本来のうまみを感じられ、雑味がなく調和のとれた味わい。商品誕生当時から、麦から最初に流れ出る一番搾り麦汁だけを贅沢に使う「一番搾り製法」にこだわり続けている。4月のフルリニューアルで、キリンはより多くの人にこの味を楽しみ、満足してもらえるよう「飲みやすくて、飲み飽きないおいしさ」をさらに追及。ホップの配合を変えることで、澄んだ麦のうまみが感じられるよう工夫した。麦のおいしいところだけを使ってつくる一番搾り製法はそのままに、時代にあったおいしさを追求した。

「おいしい」を伝える

 こだわり抜いた「おいしさ」を伝える方法にも工夫を凝らした。

 テレビCMでは堤真一さんや満島ひかりさんなど、6名の俳優を起用。プロ野球を観戦しながらビールの売り子を必死に呼び止めたり、餃子屋でできたての餃子が来るまでビールを我慢したりするシーンを選んだ。そして、ようやく一番搾りを手にすると、俳優たちはビールを流し込み、「うまい!」「おいしい!」とシンプルなフレーズを笑顔で叫ぶ。

 おいしさや製法を全面的に押し出すのではなく、一番搾りがよく似合う日常のシーンを切り取り発信することで、それを見た視聴者が純粋に「ああ、ビールが飲みたい」と心から思う仕掛けになっている。

 CM総合研究所の銘柄別CM好感度ランキングでは、今年6月度、一番搾りが7位にランクインした。ビールをつくるだけでなく、お客様に幸せな時間を提供したいというキリンの思いも現れている。

時代を先読みしリニューアル
「布施改革」による「お客様目線」が原動力に

 これら一連の戦略は、「お客様目線を第一に」という理念をもとに進めて来た布施孝之社長による改革の延長にある。

 布施社長は入社当初、懇意にしていた得意先に、突然他社のビールに切り替えられるという苦い経験をした。毎月数回は訪問していたのになぜだろうと自問自答し、当時の上司に相談すると、こう言葉を投げかけられた。

 「コミュニケーションは受け手にすべての権利があるんだ」

 こちらの提案をただ伝えるだけでは意味が無く、相手の言葉と真摯に向き合いそれに答えることこそコミュニケーションの本質だと学んだ。

 この教えは2015年の社長就任以降、「布施改革」という名で広がりを見せる。お客様第一主義を貫き、「お客様を判断基準にする」という徹底した意識のもと、企業風土を変え、商品開発を進めていった。

 時代のニーズも強く意識した。ひと昔前、ビールと言えば、仕事帰りのサラリーマンや一家の大黒柱の父親が居酒屋や食卓で飲むもの、というイメージがあった。ところが時代が流れ、ライフスタイルの変化と共に、人々のお酒に対するイメージや価値観も変化している。「働き方改革」が広がり、以前よりゆとりある自分の時間を持てる人も増えただろう。職場の同僚だけではなく、家族や友人、恋人たちと好きな時に好きなお酒を飲む機会が増えつつある。

 合わせて今年10月に実施された消費増税では、軽減税率が導入され外食は10%の増税があるものの、食料品一般は8%の税額が据え置きとなった。メディアでは、外食を控え、自炊する家庭が増える可能性が指摘されている。そうなれば、食卓のビール需要も今後益々増えていくだろう。

 「布施改革」ではこうした時代の変化にも対応した。顧客の声に耳を傾け、ライフスタイルや価値観の変化で生まれる新たなターゲットが何を欲しているかを意識した。これまでメーンの購入層であった40、50代だけでなく20代を中心とした若年層もターゲットとして捉えている。デジタル広告やSNSでも情報を発信し、幅広い世代にリニューアルの認知を広めた。その結果、一番搾りの公式Twitterアカウントではリニューアル前と比較して、「いいね」が約5.2倍になるなど、多くの反応が寄せられている。SNSを覗くと、旅のお供や鍋を囲んだ一家団欒の食卓の脇に一番搾りが並んでいる。

 若者のなにげない生活の一部に一番搾りが溶け込みつつある。

(※)過去10年の「一番搾り」〈缶〉8月・9月の各月出荷実績と比較
(キリンビール調べ)

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。