じいじ、ばあばの知恵袋
まちのお年寄りに来し方の思い出を語ってもらい、豊かな人生経験で得た知恵、教訓を学びます
福井発カラス撃退 鳴き声作戦 あわら市とベンチャー協力
サンプル集め加工、再生あわら市がカラス被害の対策を専門とするベンチャー企業と協力し、カラスの鳴き声を加工した音声システムによる追い払い実験に取り組む。越冬のために中国大陸から飛来するミヤマガラスの大群が、金津地区の山林を根城にしてふんによる悪臭などの被害が発生。市街地だけに猟銃も使用できず、市が有効策を模索していた。飛来に合わせて今月下旬に実験を本格化し、効果を検証する。 (北原愛) 連携する企業は「CrowLab(クロウラボ)」(栃木県)。市鳥獣害対策室によると、被害がひどいのは嶺北縦貫道の坂ノ下南交差点(花乃一丁目)の一帯。冬将軍の到来とともに千~三千羽が飛来し、夕暮れの空を真っ黒に染める。在来のハシブトガラス、ハシボソガラスが加わって電線がたわむほどにびっしりと止まり、その下の道路はふんで真っ白。市民から「ふんがひどい」「温泉街へ向かう観光客の印象が悪くなる」と苦情も出ていた。 おりを設置しても、捕獲数は年間五十羽程度。そこで着目したのが同社の科学的根拠に基づいた対処法。塚原直樹代表取締役(40)は宇都宮大特任助教を務め、カラス同士の鳴き声によるコミュニケーションを使ってカラスの行動をコントロールする技術を長年研究している。九日夕に来福し、水田に散らばるハシブト、ハシボソの群れを対象に先行実験した。 「グアーッ、グワ」。天敵の猛禽(もうきん)類に襲われた同種のカラスの鳴き声をスピーカーで再生すると、散り散りに飛び立った。一ヘクタール程度で効果があり、中辻雅浩室長(47)は「手応えを得た。実験を継続し、効果があるか検証したい」と意気込む。追い払いは周辺地域への移動につながるだけに、近隣市町との連携も課題だ。 慣れさせない実験期間は、越冬でミヤマが滞在する来年三月まで。塚原代表取締役は「定期的に流せば慣れてしまう可能性があるが、私たちのシステムはパターンを変え、慣れさせない」と話す。全国各地で四十種類、一万サンプルもの鳴き声を集め、長短や高低を加工してパターン数は無限。これまで、長野県飯田市や山形市などと追い払いや誘導の実験・事業を重ね、ふん害解消や畜舎への侵入防止などに効果があったという。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報 |