ついにその日がやってきました。
もし見に行かなかったら、船好きであり続ける限り一生後悔すると思い、この目で彼女の旅立ちを確かめるために思い出の地、西伊豆を訪れました。
7時に東京を発って、10時半ごろ、現地に到着。
スカンジナビアの全景を斜め前方から望める絶好のビューポイントの道路は一目見ようという見物客とそのクルマですでにいっぱい。(1枚目と2枚目の写真)
わたしはとりあえず車窓から写真だけ撮って、一番好きな斜め後姿が望めるいつものお土産やさんの駐車場へ
スカンジナビアをじっくり見ると、桟橋と船を結ぶタラップもはずされ、船を固定していたチェーンも全て撤去、2隻のタグボートが寄り添って、出発準備が整っています。
しばらく見たあと、そこから徒歩でスカンジナビアの入り口へ。すでにセレモニーの準備をしていました。
もとのチケット売り場あたりでは地元の子供たちが色とりどりの風船を持って待機しています。
この子たちのなかにはお父さんお母さんがこの船でブライダルを挙げたという子もいるかもしれませんね。
セレモニー自体はまったく興味がないので、少し離れた河口のベンチで時間になるまでスケッチをして過ごしました。
美しい船の姿をいつまでも記憶にとどめるのはやはり写真ではなくスケッチが一番。
やがて運命の時。2006年8月31日正午がやってきました。
桟橋には新しいこの船のオーナーとおぼしき外国のかたの姿と風船を手にした子供たち。
上空には5機の取材ヘリ。近くの路上には見物客のクルマの路上駐車の列。海上には数隻のヨット。チャーターされた遊覧船ちどりもやってきました。
ひそかに期待したオーシャン・プリンセスの姿はありませんでした。
タグボートの汽笛の合図とともにもやい綱がはずされ、スカンジナビアは36年ぶりにゆっくりと動き始めました。
<明日の後編に続きます>