1月30日開幕の欧州ツアー、サウジ・インターナショナル(ロイヤルグリーンズG&CC)は、世界中からトップ選手を招くことで知られている。今年もタイガー・ウッズ(米国)に300万ドル(約3億3000万円)、世界ランキング2位のロリー・マキロイ(英国)にも250万ドル(約2億8000万円)にアピアランスマネーのオファーを送った。アピアランスマネーは出場した場合に受け取る謝礼費だが、両選手とも「遠すぎる」などの理由で辞退し、話題になっている。
一方、招待を受け入れたのはフィル・ミケルソン(米国)。長年出場し続けている同週の米ツアー・フェニックスオープンを蹴って、サウジを選択した。アピアランスマネーの大金を手にしたのは間違いなく、一部のファンからブーイングが起きている。
世界ランキング1位のブルックス・ケプカ、前年覇者のダスティン・ジョンソン(ともに米国)も参戦予定。さすがはオイルマネーといった感じで、大変リッチだ。
なぜこんなことが起こるのか。アピアランスマネーの取り扱いが、欧州ツアーと米ツアーとでは異なるからだ。欧州ツアーは同ツアーメンバーであってもアピアランスマネーを認めているのに対し、米ツアーは禁止している。欧州ツアーも以前はツアーメンバーには許可していなかった。しかし、故セベ・バレステロス(スペイン)が他ツアーの招待選手ばかりが大金をもらうと怒ってボイコット運動を展開し、変革に至った経緯がある。
「米ツアーも解禁すべきだ」という声もあるが、そんなことをしたら大会ごとに大きな格差が生じるに違いない。慎重に考えるべきだ。やっぱりプロは勝ってビッグマネーを手にするのが健全だと思うが、どうだろうか。
(全米ゴルフ記者協会会員)