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【井上透の最先端メソッド】ハンドファーストを見に付けるための練習法を紹介します2019年12月5日 紙面から 今回のテーマは、アドレスとインパクトの違いを正しく理解することです。初級者の方だけではなく、中級者の方でもアドレスとインパクトの違いを実践することが苦手な人はたくさんいます。この、ハンドファーストと呼ばれるテクニックを身に付けるための練習法を紹介します。 (取材・構成 堤誠人)
アドレス≠インパクトアドレスとインパクトには明確な違いがあります。場合によっては、初心者に対して「アドレスとインパクトは同じようなイメージだよ」と説明することがあるかもしれません。ただ、それは分かりやすく説明することが目的だからです。アドレスの形でインパクトを捉えるプロはいません。 では、どう違うのでしょうか。アドレスの時とインパクトの時の、グリップの位置を比べてみましょう。アドレスの時は左太ももの内側あたりで、インパクトの時はそこから10センチほど前方になります。ここが最大のポイントです。 例えば、トンカチで何かをたたく時のことを考えてください。まず、たたきやすそうな体勢で構えます。そこからトンカチを振り上げて、振り下ろします。この動きでは、トンカチの柄の部分は最初に構えた位置よりも先行して落ちてきます。そして、ヘッドの部分は少し遅れてきます。 これと同じ現象です。最初に決めたアドレスの位置よりも、振り上げてからグリップエンドが10センチほど先行したところに来たあたりでクラブヘッドがボールを捉えるという動きです。 7~9番アイアンが◎この動きを身に付けるための練習では、クラブを軽く振り上げるだけで十分です。使うのは7~9番アイアンでいいでしょう。アドレス地点から少ししか振り上げず、約10センチ前方にずらしたところでインパクトできるように打ちます。 これだけの練習にも、フルスイングをするために必要な要素が詰まっているのです。アプローチが苦手、ハーフショットが苦手、フルスイングをすればダフる。こういう傾向がある人は、この練習で必ず治ります。 ところで、クラブを握る手に力を入れてグリップを固めてしまうと、約10センチ前方に手元を先行させたインパクトの時、クラブのフェース面が右方向を向きやすくなります。 開くと先行できない…多くのアマチュア選手は、グリップエンドが先行するとフェースが開きます。だから、グリップエンドが先行する動作ができないということになります。しかし、アドレスから10センチほど先行した時にフェース面がしっかりと目標方向へ向いていれば、適切なボールを打ち出すことができるのです。 今回説明した、アドレスよりも10センチほどグリップエンドが先行した状態でインパクトを迎える技術は、ハンドファーストと呼ばれるテクニックです。これを実践できない最大の理由は、グリップが前方へ行った時にフェースが開くことが多いからです。 まずは軽く打って、アドレスからインパクトまでにグリップの位置を約10センチずらす練習を重ねてください。そうすれば、正しいハンドファーストを身に付けることができます。 【井上透のひとりごと】「ゴルフって楽しい」再認識させてくれた渋野選手に感謝2019年の国内女子ツアーは、最終戦の最終日まで賞金女王が決まらず盛り上がりましたね。最終的には鈴木愛プロが2年ぶり2度目の賞金女王に輝きましたが、ファンの皆さんにとって最も印象に残ったのは、渋野日向子プロの大健闘だったでしょう。 今年、彗星(すいせい)のごとく女子ツアーに現れたヒロインは、海外ツアー初挑戦だった8月の全英女子オープンで優勝。日本人としては、1977年の全米女子プロ選手権を制した樋口久子さん以来、42年ぶり2人目のメジャーチャンピオンになりました。 彼女の笑顔やプレースタイルは、多くのゴルフファンを元気にしました。そして、次世代のジュニアゴルファーにも素晴らしい影響を与えたはずです。 ゴルフは楽しいスポーツです。これを再度、確認させてくれたことに感謝です。 <井上透(いのうえ・とおる)> 1973(昭和48)年4月3日生まれ、横浜市出身の46歳。大学生の時に渡米し、ゴルフ理論を学ぶ。97年に日本初のプロコーチとなり、現在は成田美寿々や穴井詩らを指導。世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表監督を務めるなど、ジュニア育成にも力を入れる。2016年から東大ゴルフ部監督。 取材協力 横浜本牧インドアゴルフ練習場(横浜市中区本牧原15の6グロブナースクエアB1)(電)045(228)7739 (毎週木曜日の紙面に掲載) PR情報
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