この記事は SREアドベントカレンダー 2019 11日目の記事です。
テック要素ゼロ・エモ全振りの内容なので、SRE以外の方にもぜひご一読いただきたいです!
改めましてになりますが、スタディスト開発部はSREチームに所属のおかだと申します。
突然ですがSREとして働いているみなさん、月刊アフタヌーンで連載されている「フラジャイル 〜病理医岸京一郎の所見〜」というマンガをご存知でしょうか?
2016年には長瀬智也さん主演でドラマ化もされた作品です(ぼくは原作しか読んでいないのですが…)
病理医という(ちょっとマイナーな?)職業がテーマの、個人的に超イチオシのマンガです!!
まずは作画をなさっている恵三朗さん(@36_Megu)の Twitter から紹介ツイートを引用させていただきます。
病理医漫画「フラジャイル」の紹介マンガを描きました
ドラマ・情報量・おっさん要素パンパン気味の医療漫画です
一話目が無料で読めまーす→http://www.moae.jp/comic/fragile/1
PVでーす→https://youtu.be/p8mugVPhQRk
仲良くしたげてくださいませー!
というわけでどんなマンガかの概要はわかっていただけた(?)と思うので、ここからはぼくが考えるおすすめポイントを挙げていきます!
SRE目線での学びが非常に多い!!!
まずはなんと言ってもこれ、これです。
ぼくが一方的に共感をおぼえているだけですが、SREと病理医には共通点がとても多いように感じています。なぜそう思うのか?いくつか理由を述べます。
Doctor of Doctors と Engineer of Engineers
目指せ 病理医!(抜粋版)という病理医の業務内容を紹介する冊子から引用です。
病理医の大きな業務内容のひとつに「疾患の確定診断」というものがあります。
ほぼそのまま引用となりますが、臨床医からの依頼を受け、すべての臓器、すべての患者を対象に 確定診断 (あなたの病気は 〇〇です という診断)を下すのが病理医の責務のひとつなのです!医療の場の最後の砦、それが病理医。カッコいい…
悪役じゃなくて主人公です。岸先生、カッコいい…
翻ってSREの責務を端的に言うと、サービスの信頼性を守ることだと思っています。障害発生時、発生箇所の迅速な調査や切り戻しの判断など、SREの意思決定に委ねられることも少なくありません。サービス提供の最後の砦、それがSRE。カッコいい…
また開発者が作業するための環境をエンジニアリングによって整備する責務や、開発者の要望を適切なカタチで実現するための手段を考えていくことが(少なくとも弊社の)SREの責務のひとつとしてあげられます。
※ 責務としてあげられる というだけであってぼくが実践できているかどうかは話が別です!!精進します!!!
てなわけでSREは開発者のための開発者、そう Engineer of Engineers なのです!
(実際前回の記事で扱ったキャッキャウフフ会も開発者から「こんなことしたいんだけどどうしたらいいの?」という相談を持ちかけられたところから発足したのでした)
SREは直接機能開発に関わることはないので、病理医が直接患者と顔を合わせはしないことにも共感。これは良し悪し。
スペシャリスト かつ ジェネラリスト
すべての臓器、すべての患者を対象に 扱うという病理医の性質上、医療に関わるとんでもなく広い範囲で、非常に深い知識が求められることと思います。
実際に作中で岸先生が鑑別するまでに以下のようなやりとりをソラで、当たり前のようにやっています。しゅごい…
また「病理医とは」というページでは、病理医の職責に対して以下のような説明がなされています。
病理医のつよみは、何と言っても、『病気の総合的判断が可能な医師である』点です。その理由として(中略)全身の臓器に共通した病変の概念を理解していることなどがあげられます。言い換えれば、病気を正常からの逸脱の度合いという見方からとらえ、病気の本質的な部分を深く考えている医師が病理医と言えるでしょう。
SREもエンジニアからの多種多様な相談に対して適切な対応をするには、アプリケーションレイヤーの話だけでなくネットワーク・データベース・セキュリティやOS、CPU、メモリやカーネルの仕組みなどなど、とにかくあらゆる分野について深い理解を得ておく必要があります(ほんとにね…)
そういずれも、まさしく スペシャリスト かつ ジェネラリスト であることが求められるのです!
※ というのを日々日々痛感しています!マジで!ぼくがそれらの知識を持っているかどうかh精進します!!!
術中迅速診断 = 究極のインシデント対応
下記の「病理診断について」のページでは、 術中迅速診断 という業務について以下のように説明されています。
術中迅速診断では、手術中に採取された病変組織から10分程度で病理診断が行われます。診断結果は執刀医に連絡され、手術方針が決定されます。
つまり実際に手術をなさる臨床医の方々の意思決定は、病理医の方の わずか10分程度の 診断結果に大きく左右される。
病理医とは最高レベルに高い信頼性を要求される医師という仕事の中でも、さらに高いレベルで(いや10割の!)信頼性を要求される仕事なのです!
これは手術という Severity Level 最高のシチュエーションで、可能な限り短時間で診断を行う必要があるということです。まさに究極のインシデント対応!
ときには人命に直結するような意思決定を、時間に追われながら (そのときに出せる限り)100%の自信を持って 下さなくてはならない!!想像もできないようなプレッシャーです。
※ ぼくもSREとしてインシデント対応にあt精進します!!!
高い技術者倫理を抱く
以前、信頼されるエンジニアになるために必要と考える要素について自分の考えを整理しました。
信頼できる人とは端的に言うと「この人の言うことなら信じられる」と思わせられる人ではないでしょうか。
そのためには高い技術者倫理を持ち続けている必要があります。岸先生は一見冷徹で、臨床医との間でトラブルを起こすこともままありますが、その裏には常に正しさがあります。
信頼されるためには正しさを胸に抱き、実践していかなければならない。これはどんな医師にもエンジニアにも共通する点で、多くの説明は不要でしょう。
※ ぼくm精進します!!!
ざっきーかわいいよざっきー。
マンガとしての完成度がめっちゃくちゃに高い!!
さてSREトークと自己嫌悪はこのくらいに。
学びとか難しい話はさておいて、そもそもめっちゃくちゃに面白いのです!!!
岸先生だけでなく、登場人物はみんなそれぞれほんっとに魅力的。
ざっきーが成長していく様子はときに鳥肌モノだし、森井くんは森井くんでプロフェッショナルでイケメンすぎるし、高柴先生のエピソードはエンジニア的にも涙なしには読めないし、間瀬パイセンのダークヒーロー感はパないし、てじーの物語も心から共感できて大好物です。などなどなどなど。
(そのうえでぼくも推しは火箱ちゃん!)
またストーリーはどれも胸に響くステキなお話ばかりです。ジャンルがら生死に関わるストーリーも多々出てきますが、どれも泣けます。貴重なギャグ回はしっかり笑えます。すごい。ほんとうにすごい。
医療がテーマのマンガですが前提としての医療知識は一切不要。しかも綺麗事ばかりではなく、結構 闇の深い 話も出てきます…。逆にそんななかだからこそ岸先生の技術者倫理の高さが際立つのです。
さらに紹介マンガを読んでいただけたのならばおわかりいただけるとおり、作画もめっちゃくちゃに美しく、丁寧です。さらにさらに、シリアスシーンではカッコいい登場人物のみなさまも、ギャグパートではかわゆくデフォルメされちゃいます。
あと出てくるオンナノコみんなかわゆくって美しくて、ステキすぎます。
ざっきー、火箱ちゃん、細木先生、布施っち、逆瀬川さん(大好き)、壬生先生、 etc, etc …
ちなみに医療漫画ですがウッとなる系のグロ描写は一切ないので安心して読めます。地味に大事。
おわりに
途中からSREなんてまったく出てこなくなってしまいましたが、とにかく病理医という仕事との共通点と、それに向き合うプロフェッショナルたちの姿勢や考え方がほんっとーーーに学びになるのです!めっちゃ面白くてめっちゃ勉強になる、すんごいマンガ!!!
また冒頭のツイートにもある通り、以下のサイトで第1話を無料で読むことが可能です!
第1話を読んで面白そう!と思った方、騙されたと思って5巻まで買って読んでみてほしいです(5巻でとてもキリ良くひとつのストーリーが終わる)
そして5巻まで読んだあなたはいつの間にか全巻買っていることでしょう。ぼくは電子版を購入し、布教用に友人に物理本を進呈し、さらに最近布教用に もう1セット物理本を購入 しました。会社に寄贈しようと思っています。
この記事がフラジャイルファンの方の目に入り、逆輸入的にSREの認知度も上がったら望外の喜びです!いや、ってかSREがテーマのマンガとかあったらめちゃ面白いんじゃないか???
SREの現場も、ときに か・な・り、ドラマティック!ですよね!
と、いうわけでSREのみなさんがどんな仕事をなさっているのか、このアドカレも引き続き楽しみに読ませていただきます!