始まりは、1人のおたくのこの呟きだったー。
わたしはSexy Zone のレギュラー番組ができたらぜひ5人で相撲部屋に行って風磨くんに四股を踏んで欲しいなって願っているような人間です
このブログでも何度か触れているように、私は相撲とSexy Zone と落語が好きで、それ以外にも色々すきなものがあり、それぞれに片足を突っ込んで生活をしています。
贅沢者なので、いつか相撲とせくしーがうまい具合にコラボレーションしないかなあとか思っているわけです。
この呟きをしたのはちょうど九州場所が終わってロスがひどかったときで、呟いた本人はことの重大さをあんまり考えていませんでした。
ところが、この呟きにいくつかお返事が届きます。
「セクチャンで行ってました」
「大学時代の北勝富士関が相手をしてくれています」
もう四股踏んでるじゃん…?
そう、Sexy Zone の皆さんはもうすでに四股を踏んでいたのだ。ほんとは相撲部屋に行って欲しかったとかそういうことはとりあえずどうでもよくて、とにかくSexy Zone のみなさんはもうすでに!!四股を踏んでいた!!
わたしはすぐにいつもの相撲仲間に連絡をした。
「なんで教えてくれなかったわけ?!」
そうしたらこう返ってきたのです。
「なにそれ知らんぞ」
なぜだ。なぜ相撲仲間がだれも知らない!!
わたしは怒りました。こんな貴重なVTR、なぜ今の今まで存在を知らなかったんだ?!
場所中でもない限り誰かしらみてたでしょ…?
え、なんで見てないの?本場所中のオンエアなわけじゃあるまいし。…え、違うよね…?
…嫌な予感がしました。ええ、とても嫌な予感。
私は、慌てて放送日の検索をかけました。
前編の放送が2015年1月21日。……1月21日?
イチガツニジュウイチニチ。
2015年の初場所は、1月11日からでした。本場所は15日間。…ということは。
本場所中じゃないか!!
そう、朝から晩まで忙しい本場所中でした。白鵬関が最多優勝の記録を塗り替えた場所。その12日目が放送日。そりゃだれも見ていないわけです。テレビで放送されている時間はほんのわずかで、その前後も場所中15日間は忙しいのです。昼間は序二段や三段目や幕下の取り組みがありますし、夜はその日一日の取組の所感を書き留めたり、明日の取り組みに対して自由に夢を描いたり…これに加えて日常生活があります。学生なら学校があるわけで。ジャニーズのファンの皆さんにわかりやすく言いますと、15日連続ライブに行く感じ。毎日毎日おしゃれして、毎日毎日レポを書いて、みたいな感じです。
さすがに当時高校生の私に日常生活をしながら場所中に大学相撲まで追いかける気力があるわけもなく。いつものメンバーも仕事やらなんやらできっと本場所を追っかけるだけで手一杯。たぶん前編の時にほとんど相撲ファンが追いかけられず、そのまま運のいい人以外は後編が見れなかったのだろうと推測しました。(ちなみに調べたら後編放送日は某しうへいさんがバラエティーに出ていたらしいですが正直そこまでしうへいに興味はないので何も見なかったことにしておきます)
さて。しうへいの解説が腹立つという大問題は今いいとして、タイミングの悪さに嘆いた私は思いました。むしろこれ、大チャンスでは…?
え、これ大チャンスでは…?
そうだ、布教のチャンスだ
いつもの相撲仲間にみんなで大学時代の北勝富士関をみて、そのついでにSexy Zone を布教すれば完璧では…?
ちょうどそのひらめきを得たタイミングで、いつも行っている場所後の定例食事会(という名の飲み会)の話が持ち上がりました。大チャンス!!!これを逃したらこの人たちはお相撲さんとCMでもやらない限り二度とSexy Zone に興味を示さない。ならば、と。
定例食事会の場所として我が家を提供する代わりに、ちゃっかりSexy Zone を布教することに決めたのです。
当日の参加メンバーはこんな感じでした。(名前は彼女達が自分で付けた仮名です)
・「ジャニーズ?……これはニノだよね?(と言って櫻井さんを指さす)」
ジャニーズはまあわかるけど区別はつかない。Sexy Zone は名前はわかるけど誰がいるんだ…?贔屓は豪栄道豪太郎関(なぜかいつも彼女はフルネームで呼ぶ)。
二年前春場所をみにいった時に知り合った「仕事やめたいわあ」が口癖ののぎちゃん。(ちなみに二年間ずっと仕事をやめたがっているわりにやめない)
・「セクゾにはまったんでしょ?ブログ読んだよ」
知らない間に人のブログを特定して読んでる怖い人。今日の会も録音しとこ!ブログにかくでしょ?と言って本当に飲み始めてから録音してた。でもおかげでこれかけたよ、ありがとう。文字起こしめちゃくちゃしんどかったけどな?!
ジャニーズはまあテレビで見るくらいなら。贔屓筋は横綱白鵬関。(絶対に幸せになってほしいらしい)
春から無事に社会人のはるこさん。(元彼のお姉さんの名前だそうです)
・「ケンティーってなんか仏みたいだよね」
私に散々話をされた結果けんとくんは人間を超えた神様だという認識になってしまった。ジャニーズはまあ出てれば見るし私から話を聞いたグループはわかるよ!な感じ。贔屓は錣山親方。(アビちゃんの大関になる日を信じています、とのこと)
卒業論文に追われています、N。(コードネームをつけたかったらしいですがよくわかりません)
・「よかったねえ、せくぞに拾ってもらえて…」
私の推し年表における地獄みたいな2年間にずっと付き合ってくれた神様。普通にテレビも見るし趣味以外にもネットを使うのでSexy Zone のことはなんとなく知ってる。私がけんとくんの話をはじめてした時に泣いてくれた恩人。贔屓は同郷の御嶽海関。(今場所千秋楽は悔しくて泣いたので来場所こそ!稽古して!とのことです。)
たぶんこの集まりで一番の常識人、みーこ。(御嶽海関と本名をミックスしたらしい)
この4人と照ノ富士関が好きで伊勢ヶ濱部屋をまるっと応援している私がいつものメンバーです。それから、今回セクチャンを見るにあたり何度かブログに登場しているわたしのせくしー師匠に協力してもらいました。(ふまけんの大河だとかベストコンビ大賞2019の選挙ポスターだとかを作ったあの人)
ちなみに話をしたらすぐに録画を引っ張り出してきてくれたのですが、「たぶん風磨くんにハマると思うよ」
と呟いていました。あの人はいつも謎の予言を残します。
そんなわけで会が始まり、いつものように各々の贔屓についての話と場所の振り返りをして、(みーこさんがまあ荒れて荒れて大変だった)
いよいよ例のアレを見る時になりました。
師匠が貸してくれたDVDをセットし、いざ上映。
(私も初見でした)
「「「「「北勝富士顔変わらんな………」」」」」
という全員一致の感想が飛び出した後は、わりと静かに見ていたと思います。私もつい真剣に見てしまいました。布教どころじゃない。よくあんなに必死にぶつかり稽古を…稽古をやらない力士も多いと嘆かれる昨今です。中途半端な子たちより彼らの方がよっぽど真面目にやっていたと思います。よくあれだけ厳しい稽古を、番組だから少しくらい笑いに走って企画にしてもよかったのに…まっすぐぶつかっている姿が印象に残りました。あれだけ真剣に向き合う眼差しが刺さる刺さる。
雲行きが怪しくなってきたのは、再生が全部終わったあとでした。
「……いい子たちだな………」
みーこさん、泣き出す。
(そしてそれにもらい泣きする私)
「えらい、すごいねえ、立派だねえ……」
「ほんとだよね。いくら番組といえどさ」
「ちゃんこ食べて終わり、みたいなぬるい番組が多い中ここまでしっかりやってくれるのえらいよ…」
えらい、えらいと繰り返したみーこさん。そして爆弾発言が飛び出します。
「…御嶽海もあれくらい稽古しないかな……」
(注 御嶽海関はあまり稽古をしないことで有名な力士です)
かける言葉が見つからない。いやいや、とも、まあまあ、とも言えない。生まれて初めてそっと肩に手を置くということをしました。はるこさんだけが笑いながら泣いていました。(みんな酔ってた)
みーこさんを慰めたあと、次ははるこさんが爆弾を投げつけてきました。
「風磨くんさ、
まげ似合いそうじゃない…?」
「途中からあの長い髪を結いたいなあしか思ってなかった。いや感動したけど、うん、……風磨くんの髪を結いたい……」
なんじゃそりゃ。どんな願望じゃ。はるこさん曰くあの長い髪を結いたい、絶対髪質いい、結いたい、とのこと。
「風磨くんが気になったってこと?」
「…うん。」
「髪を結いたいの?」
「結いたい………」
「そうか、結いたいか…….…」
(注 この人たちはみな酔っ払っています)
この際だから、と私も好き勝手に願望を投げることにしました。
「勝利くんに床山やってほしい」
「勝利くんが風磨くんの髪を結ってたら萌えるよね……髪を結いたい……」
話にならない。
「ねえ、わたしも風磨くん絡みで感想あるんだけどいい?」
のぎちゃんがこのカオスな会話に一石を投じてくれる、と私は少し期待をしました。
「風磨くん、豪栄道豪太郎さんに似てない…?」
うそやん。豪栄道関が大好きなのぎちゃんの錯覚だよ、とは言えなかった。
「わかる、私も思ったそれ。」
Nよ……同意するな……と言いたいところですが同意するしかなかった。
だって…事前にTwitterでその話を聞いていたので…
似てる!とは思ったけどガチファンののぎちゃんには言えなかったのです。でもまさか本人からそれが出てくるとは…本当に似てるんだな、うん。
酔っ払っていた私は、妙に深刻な空気を醸し出しながら彼らに心優しき方からの天啓ツイートを見せました。
しばしの沈黙。
「生まれ変わり?」
「優勝したら共演して貰わなきゃ」
「むしろなんでこの時共演しなかった?」
「だから場所中だってオンエア!!」
「NHKに要望出す…?」
「風磨くんくれば?」
「風磨くん勉強してきてくれそう」
「風磨くんおいでよ国技館…」
酔っ払い達の意見はこの瞬間一つになったのです。
風磨くん、国技館に来てくれ
風磨くんと豪栄道豪栄道関が似ているという話題でしばらく盛り上がったあと、Nがぽつりと言いました。
多分来ないよ?
(注 福祉大相撲とは、NHKとNHK厚生文化事業団が主催、日本相撲協会の全面協力で、毎年2月11日に国技館で行われるチャリティーイベントのことです。力士とプロの歌手の方の歌くらべのコーナーが人気。詳しくはこちらから第53回「NHK福祉大相撲」 11月17日(日曜日)チケット販売開始! | NHK厚生文化事業団 )
「歌くらべしない…?歌歌わないの…?」
「歌は歌うけどさすがに福祉大相撲はこないでしょ。番組の趣旨もあるし」
「わかんないよ、風磨くんは来てくれるかも」
「風磨くんはくるね、豪栄道の仲間だから」
「そうだね、風磨くんはきっとくる」
この人たちは風磨くんをなんだと思っているんだ…?
本人の全くもって意図しないところで風磨くんの株がむくむくと伸びてきた頃、NHKなら紅白があるだろう、豪太郎が優勝すれば共演するんじゃ、とNが言い出しました。私はかくかくしかじか、と昨今のせくしー事情を説明します。妙に空気は真剣になり、そしてはるこさんが一言。
「順風満帆な力士なんて、いないよ。」
はるこさんは言います。横綱だって怪我をする。順風満帆に見えたって、みんな何かしら抱えてるんだ。うまくいきっぱなしじゃないでしょ。
「稀勢の里もさあ、みんなに何回も何回もああだこうだ言われて、期待されてからずーっと長い時間かかったじゃない。ひどい人なんか未冠の大関なんてやじってさあ。それでも稀勢の里のこと信じてたし、応援したじゃん。横綱になった時たくさんの人が嬉しくて泣いた。悔しい思いいっぱいしたけど、それでも稀勢の里は文句言わなかったし、努力してた。まわりは好き勝手言うよ。なんならファンが一番暴言吐くよ。その人の努力見えないもん。結果がすべてだから。だけどさあ、見てる人は見てる。どれだけ時間かかっても、信じたもん同士は救われるんだよ。信じてる時間は苦しいけど、意味がないなんてことないよ」
さっきまで支離滅裂なことを言ってたはるこさんはどこへ言っちゃったんでしょうか。あまりに説得力のある優しい言葉に、私は泣きそうになってしまいました。
思い出したように、Nが続けます。
「売れたいとか横綱になりたい、って気持ちに、他人の『なんのために』とか『誰のために』は存在しないと思うんだよね。」
その場所を目指す人にしか見えないものや気持ちがあって、その場所に立つ人にしかわからない重みがあるわけじゃん。ただ強くなりたい、ただ売れたい、のただって、ただじゃないんだよね。ちゃんと気持ちが乗っかってんだよ。その人の気持ちを理解して、理解しようとして、はじめて愛になるんじゃないの。他人が他人の気持ちを推し量るのは無理だけど、気持ちを重ねようと努力することはできる。
「しきぶの贔屓の照ノ富士だってそうでしょ。大怪我して、おちるとこにおちて、誰も本当のてるの気持ちなんかわからない。ただ幕内に戻るだけならやめた方がいいなんてふざけた馬鹿もいた。戻りたい理由なんて本人にしかわかんないんだよ。でもその本人だけの気持ちをわかろうとしたから、気持ちを信じていたから応援できてたんでしょ。」
Nが言う通りでした。私の贔屓の照ノ富士は、一時途方もなく下までおちてしまい、外野が勝手に線引きをしそうになっていました。あまりのことに切なくなってしまい、やめたほうが、なんて思ったこともありました。でも、それでも、彼は彼の信じた道のために稽古を積み、十両までかえってきたのです。
何年経ってもテレビに映る時間の上位まで上がれず、苦労している力士はたくさんいます。彼らが影で努力を重ねているのは私には見えません。目に見えるものがすべてでないことを、私はすっかり忘れていました。
「8年なんてまだまだ短いよ。長いけど短い。8年で息を切らしてどうするの。小さい体だからって諦めたらだめだよ。そこで諦めたら将来の横綱つとまらないよ。」
はるこさんはそう言うと、派手にビールを溢しました。でもその通りです。
はるこさんがこぼしたビールが片付き始めた頃、いい感じにお酒がまわってきた私たちは、福祉大相撲でSexy Zone に歌ってもらう曲を決めようと、DVDを見ることにしました。とりあえずリペの再生スイッチをオン。
……ここからが、新たなカオスの始まりです。
始まってすぐ、はるこさんが叫びました。
「 風磨くん、髪がゆえない!」
いやそこかーい。注目ポイントそこかーい!!
でもビールをこぼしても笑うはるこさん、そこはめげません。
「黒髪の風磨くん………」
それ以降はるこさんはじっと風磨くんを見ていました。怖いくらいまっすぐ風磨くんを。はるこさんの隣に座っていたのですが、恐ろしいくらいの集中力でした。
一番ピュアな視線はみーこさんでした。
「……Sexy Zone …輝いてんな……」
勝手に人の棚のペンライトを持ち出し振り出す始末。かわいい、輝いてる、かわいい、稽古の賜物、ときゃっきゃしてました。
Nは酔っ払っていたせいもあり、なぜかけんとくんが映るたびに泣いていました。一年前の私を見ているみたいでした。
のぎちゃんが一番食いついたのは俺のピーチです。そうちゃんにめろめろでした。ついでにほんの少しのふまそうにときめきを覚えたらしく、わたしが送りつけた画像と画面をいったりきたり、忙しい人になっていました。
気付けば深夜3時になっていました。DVDが終わったあと、ちょっと正気に戻り始めたらしいのぎちゃんがいいます。
「Sexy Zone って後援会ある?」
「あるよ」
本当はファンクラブだよと言わなければいけなかったのですが、深夜に質の良いせくしーを補給したのでハイテンションな私はそれに気付きませんでした。一周回って正気に戻ったのぎちゃんはいいます。
「はいるわ」
「あ、うん。わかった」
ちょっと待って?!
話が月9なら告白に気付かないヒロインですが時刻は深夜3時、場所は酔っ払いの巣窟。
まじで?!と私が騒いでいると、知らぬ間に寝ていたみんながざわざわ起き出します。
「なに、」
「わたしセクゾの後援会入る」
「え、ずるい。わたしも入る」
「ちなみに会費いくら?」
私は戸惑いながら、五千円くらいだよ、とあいまいなことをいいました。高いって返ってくるかなと思いつつ。
しかし私は忘れていたのです。相撲の後援会費やチケット代は、めちゃくちゃ高い。いい席を目指し出したり、連日通うもんならもうえらいこっちゃ。
毎年、毎場所、なんらかのお金を相撲協会におとす彼女たちは肝が座っていました。
「……安くない?」
「ジャニーズの後援会それで持つん…?」
「ジャニーズ5年分で、後援会一年分…」
極め付けはのぎちゃんの一言です。
5人に国技館来て欲しいから払う。
なんということでしょう。
ここに、新たな4名のSexy Zone を愛する人間がうまれました。(怖かったので手続きは明るくなってからしました)
ちなみに、各々に動機を聞いたところ
とのことでした。のぎちゃんとはるこさんは師匠の言う通り本当に風磨くんが刺さったらしい。なんででしょうか。
最後までめちゃくちゃな文を読んでいただきありがとうございました。ちなみに文字起こしした名言は本人たちすっかり忘れていました。あの人たちは酔った方が饒舌です。でもブログにノリノリになってくれてありがとう。あなたたちがお友達でよかった。どうぞこれからも、よろしくね。
それから、Twitterで教えてくださった皆さんどうもありがとうございました。おかげでなんだか楽しい人生になりそうです。来年は場所と重ならなければはるこさんあたりと現場にいるかもしれません。
それでは、よりよい年の瀬をお過ごしください。
Sexy Zone のみなさん、いつかレギュラー番組で贔屓と共演してくれるひをまってるよ!