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自分の受け持つ生徒(A)が明後日、東大を受験してくる。
こちらの予想としては5:5でとてもはらはらしているが、本人はいたって緊張している素振りも見せない。なかなかメンタルの強い子だったんだなと感心した。
 
高3の一年間見てきた印象としては
素直で努力家、そしてなにより自己管理がすごく優れているなあという感じだった。
自分もこんな感じになりたいなーと学ぶことが多かった。
 
Aさんは苦手としる数学を受講してくれいて、受け持ち当初は真面目だが不器用で努力が報われていないんだなと思った。おそらくこの子に限らず理系教科というものは何だかつかめないと思っている人が結構多いんだろうなと思った。
 
そこで受け持つにあたって私が立てた課題は次の3つである。
 
1.授業の大半を図解に費やし、数学上で行われている現象を掴む訓練をする。
2.計算から本質を理解してもらうように解説する。
3.数学的センスを磨いてもらう。
 
 
数学を勉強しても何にも手応えを感じないという人は、まず設問を読んでもなにをしているのか(作問者がなにを思ってこんなことを考えたのか)が全く理解できないことがすべての元凶である。
 
したがって、まずしなければならないことは問題ごとになにが行われているのか、何が楽しくてこんな関数をこんな風に操作しているのかを一緒に考えていくことが第一歩だ。
 
それをしっかり理解してくれる素地を作ると同時に基本的な関係式や公式についての理解を深めてもらうことで、より多方向的に問題を分析することができるようになる。
 
このためには問題中ででてくる計算をただ機械的に処理するだけではなくなにをしていることなのかを考えながらやってもらうと計算ミスが減り、問題の理解が一層深まる。基本的で簡単なことだがかなり重要な部分だと思う。
 
以上のような方法で1.2.を鍛える。
 
3.はそれと比べ鍛えるのが難しい部分である。これは完全に私論で反論も多いと思うところだが、私が思う数学的センスとは「数にどれだけ親しんだか」「本当に基本的な四則計算のイメージができているか」「円や三角形から公式が自由に引き出せるか」などといった、小学生に算数に必要とされる基礎の集積であると思う。
 
たとえば、分母の大きい方から分母の小さい方を引いた式を見て何だか気持ち悪いと感じるとか、離れた2つの円をみたらもっと大きければ交わってくれるのにと感じたりとかである。
 
この能力のある人こそが数学を解く上で必要な発想を生み出すように感じる。つまり数学的センスは先天的なものではなくやろうと思えば徹底的に指導することによって1年で習得できる完全な後天的能力だ。
 
Aさんの結果は翌月10日発表だが自分としてはすでにそれなりの成果を感じている。これをもとに3月から受け持つ生徒によりよい指導をしていきたい。

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