11月にワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級を制したWBA・IBF統一バンタム級王者の井上尚弥(26)=大橋=が9日、横浜市内の所属ジムで練習再開した。世界5階級制覇ノニト・ドネア(37)=フィリピン=との死闘で負った右目上の傷はほぼ回復。眼窩(がんか)底骨折は今週の再検査待ちながら、大橋秀行会長(54)は「次の試合は米国ラスベガスでほぼ確定。4月ぐらい」と明言。尚弥は「逆算して最高の状態に仕上げる」と早くもギアを入れた。
「WBSS決勝の反響は今までと大違いで驚いた。来年はあれ以上のものを見せられる自信がある。楽しみにしてほしい」と尚弥。この日はシャドー、ミット打ちなどで初日にもかかわらずキレのある動きを見せた。
次戦の候補はもう脳裏にある。先週から口にしてきた世界3階級制覇のWBO王者カシメロ(フィリピン)だ。「ドネアより危険な相手。若くて野獣的な感覚もあるし、いい意味でバカで怖いもの知らず。常に頭に置いて練習していきます」。また新たな伝説へスタートを切った。