高級焼肉屋「叙々苑」。庶民にとっては天竺よりも遠い場所。もしくはガンダーラ。(そこにゆけばどんな夢も叶うという、どこかにあるユートピア。)
「芸能人とかがよく行く場所らしい」「東京のどこかにある」とは聞いていましたが、てっきり幻か都市伝説だと思っていました。
今回はそんな焼肉屋である叙々苑に行った時の話です。会社の先輩に誘われて行くことになりました。誘われた時の気持ちは正に天にも上る気持ちと身が引き締まる思いでした。町内会のビンゴ大会で1等が当たった時くらいの喜びと、友達の結婚式のスピーチを任された時くらいの大役だなと感じました。(例えがショボいな)とにかく叙々苑に相応しい男にならねばと決意しました。
その誘いを受けてから、家や外食で肉を食べるのを辞めました。最大限に叙々苑の肉を楽しむためです。そして当日の朝は健康診断をやるのかってくらい胃に食べ物を入れませんでした。空腹は最高の調味料になるからです。きっとその日の昼は野生の虎みたいな目をしていたと思います。ロッキー3のクラバーと戦う前って感じです。
そしていよいよ決戦の日、叙々苑に入って食事を注文する時に、先輩が僕に声をかけてきました。
先 「おい、モンキーキック!
僕 「はい!」
先 「叙々苑で1番美味しいものは何だか知っているか?」
僕 「軍曹!わかりません!」
先 「考えてみろ。」
僕 「はい!カルビかハラミか、、逆にロースとか牛タンでしょうか?」
先 「違う。オレンジジュースだ!」
僕「いや、肉食わせろ!笑」
その先輩はグルメな人で、良いお店に結構行ってるらしい。叙々苑も何度か来ていて、その中で考え抜かれた答えが「叙々苑で1番美味しいものはオレンジジュース。」となったのです。確かに叙々苑のオレンジジュースは美味しかった。果汁たっぷりで、僕の空腹のお腹の中でスペインのオレンジ投げ放題祭りが開催されているんじゃないかって感じだった。
けれどあえて僕は言いたい。「肉食わせろ!笑」と。餅は餅屋、肉は肉屋。叙々苑の1番は何かしらの肉であってくれ。人は大人になると大事なことを忘れちゃうんだよ。きっとその先輩だって人生で初めて叙々苑に行った時は何かしらの肉に感動したはずだから。
いや、もしくはこれは僕に与えられた禅問答なのかもしれない。肉とは何なのか。果肉もまた肉なのか、最強の美食家が1番美味しい食べ物はおにぎりです的な。そう考えると逆に深い。もしくは玉子が美味しい寿司屋は間違いない的な。神は細部に宿るみたいなノリか。
この言葉は今でも僕を悩ませる。きっと生涯をかけて問題に挑むフェルマーの最終定理みたいなものだ。いや、知らんけど。
おわりっ!
あぁ、調味料で打線組む時は空腹を4番打者にしよう↓
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