この記事は Addy Osmani、Ben Greenstein、および Bryan McQuade(Chrome チーム)による Chromium Blog の記事 "Moving towards a faster web" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

速度は、Chrome において当初から基本方針の 1 つとなってきました。ウェブ ブラウジングで瞬時表示のエクスペリエンスをユーザーに提供するという課題に、当社は絶えず取り組んでいます。その上で、読み込みが高速だと当社が考えていたあらゆるウェブページにアクセスし、さらにエクスペリエンス向上の余地について調べました。ウェブはさらに改善が可能であると私たちは考えています。サイトの読み込みが遅くなる可能性がある場合はそのことがユーザーに分かるようにし、一方で配信の高速なサイトは優遇します。

将来は、Chrome により、ユーザーにとって読み込みが速い典型的なサイトと遅いサイトを見分けるための明確なバッジを付けるようになることが考えられます。それは複数の形を取る可能性があり、当社ではさまざまなオプションを使用して実験を行い、ユーザーにとって最も価値があるものがどれかを調べる計画を立てています。

バッジが意図しているのは、読み込み遅延の履歴を見て、一般的に表示が遅くなる仕方でサイトが作成されている場合に、そのことが分かるようにすることです。さらにこれを拡張して、端末やネットワークの状態に基づき、ユーザーにとってページが遅くなりがちな場合に、それを識別できるようにすることも検討しています。

手始めに、Chrome のいくつかのサーフェスを調査する予定です。それには、読み込み画面(スプラッシュ画面)、読み込み進行状況バーおよびリンクのためのコンテキスト メニューが含まれます。後者からは典型的なサイト速度について洞察を得ることができ、ナビゲーションの前にそのことを認識できます。


高速のサイトと低速のサイトを識別するという当社の計画は、条件をだんだんと厳しくすることにより段階的に実施される予定です。長期的な目標は、高品質エクスペリエンスのためのバッジを定義することです。それには、単なる速度を超えたさまざまな兆候が含まれると考えられます。

当社では、Google でエクスペリエンスの品質ラベル付けを研究している他のいくつかのチームとの密接なコラボレーションにより、速度バッジを構築しています。 それによって、サイトの高速化を目指して最適化している場合に、そのサイトのバッジがサーフェスごとに食い違うことがないようにできると考えています。

現在、優れたユーザー エクスペリエンスの目安となるバーを設定するための当社のアプローチに大いに力を入れて取り組んでおり、あらゆるデベロッパーによって実質的に達成可能なところに落ち着くことを期待しています。今後のリリースが近づいた際にアップデートした計画を公開しますが、各サイトが最適化されるまで待つわけではありません。サイト速度改善のためにどんなチャンスを利用できるかについて学ぶためのさまざまなリソースを活用できます。

パフォーマンスを評価するには、次のサイトをチェックしてください。
  • PageSpeed Insights - サイトの速度に関するフィールド データを示し、改善のための一般的な最適化を提案するオンライン ツール。
  • Lighthouse - パフォーマンスやその他さまざまなベストプラクティスを考慮に入れ、特定のウェブサイトをどう改善できるかについて、各サイトに合わせたアドバイスを提供するラボツール
パフォーマンス関連のベスト プラクティスについて確認するには、web.dev/fast をチェックしてください。これは、ページが瞬時に読み込まれるようにする方法についてのガイドとコードラボを含む当社の学習プラットフォームです。

皆さんの働きに報いること、またサイトの典型的パフォーマンスがユーザーからよりよく見えるようにすること、それが私たちの熱い思いです。私たちのこの取り組みにより、オープン ウェブ上のさらに多くのサイトが、あらゆるユーザーに対して可能な限りベストなエクスペリエンスを達成するよう期待しています。