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(喜美子)帰りたくない。
帰さんといて。
♪~
(八郎)あ~! あ~!何!?
えっ。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
釉薬と粘土の焼き加減に関する研究ノート見ます?
えっ。
これ。 ここに書いてある。 はい。
電気窯で 酸化焼成 還元焼成の2種類をさまざまな釉薬を使って1,250度で焼いた違いを詳細に記した記録です。
ええ! すごいな。
長石 土灰 藁灰の割合をいろいろ試して微妙な濃さを調整して発色や にじみ具合についても記してある。
これが なかなか目指してる色にたどりつかん。
目指してる色て?誰にも出せん自分だけにしか出されへん色。
「これや!」いうのを見つけたいねん。
ああ…ええなあ 自分だけにしか出せへん色。
ほな これ持っていきぃ?
釉薬の発色のメカニズムについても書いてあるで持って帰って学びぃ。
今日は 帰りぃ。
そういうこと…。うん そういうことや。
帰った方がいい。
ああ~!ほやから それ 何!?
ええから帰んなさい。
う~ん… ほやけど釉薬って…うち 学び始めたばっかりやで?
せやな…う~ん… ほな 土やな。土を知り 土と友達になるところからや。
これは どうや。
基本が いろいろ書いたある。
はい。 これ 持っていき。
ほんで また明日から朝夕2時間 勉強や。
うん…。
ほな 気ぃ付けて。
ああ 送ってあげたいんやけど…足が…。
ええ ええ。 まだ 日ぃ暮れてへんし送ってもらうほどの距離でもないし。
それより 足痛いの大丈夫なん?ごはんとか どうするん?
3キロは歩けんでも3メートルやったら歩けるよ。
3メートル…。そこ出たとこに炊事場が。
ああ。 えっ ごはん自分で作るん?そら そうや。
え~!えっ。何 作るん?
何て ごはん炊いたり 野菜煮たり…あ… 卵焼き得意やで。
え~!今度 食べさしたるわ。
ほんま? すごいなあ。うちのお父ちゃん 水も一人で飲めへんで。
えっ ほな どないすんの。お母ちゃんが… 口移しで…。
毎回 口移しで…。ああ… ああ~!
そやから それ 何? アホやん。
アホ!?(笑い声)
仲ええねんな お父さんとお母さん。
うん 仲はええよ。言い合いしてんの見たことないわ。
そうか…。
きちんと 話 しに行くさかい日ぃ改めて 頭下げに行きます。
あんな?
それは… うちがやるわ。何 言うてんねん。
うちがやるし十代田さんは しばらく待っとき?
何 言うてんねんて だから。いや…うちのお父ちゃんはほんま 一筋縄ではいかへんねん。
今まで 家のこと全部うちがやってきてん。
何かあったらお父ちゃんと向き合ってきた。
ちゃぶ台ひっくり返されるんもうちが止めてきてん。
うちが頭下げて許してもらう。アホ。
アホやん。うち?
フフ…。 僕がおるで。
これからは 僕がおる。
一緒に… ほな 一緒に頭下げよ。
ちゃぶ台ひっくり返されたら 一緒に片そ。
ひっくり返されんように押さえるんやったら一緒に押さえよ。
これからは 一人やのうて一緒にやっていこ。
なっ?
ほやけど… また殴られるかも。
好きな人のためやったら かまへん。何でもできる。
好きな人…。うん。
うん?
うちも好きや。
アハッ 聞いた。
前 言うた時より もっと好きになったわ。アハハハハ…。
何 笑てんねん。
ああ…僕も好きやで。
好きの大安売りやな。(笑い声)
一緒になろな?
結婚しよな?
・(次郎)なにが お見合い大作戦じゃ!ふざけやがって あの野郎。
この日 行われたお見合い大作戦はうまくいきませんでした。
次郎。 お前 飲み過ぎやろ~ お前。
(次郎)どういうこっちゃ~。
ほとんどが冷やかしで真面目に参加してくれた女性は1人だけ…。
何やねん こんなもん!
(よし子)大野さん。
(信作)すんません。 何度も言いますけど俺は 企画した側やねん。
企画した俺だけうまいこといくわけには いかへんねん。
俺は あかんねん。よし子です。
ほやほや ほやから よし子さん。俺は あかん言うてるやろ…。
うん 何で近づいてくるの 真面目な顔して話の途中 なあ…。
よし子でええです。よし子 よし子さん。
よし子で…。知ってますよ よし子さんでしょ はい。
信作ぅ。大将! 大将 これ もう一本 下さい。
(赤松)おう はいよ。飲みましょ。 飲みましょう もうちょっと。
お父ちゃん おはよう。
お父ちゃん ゆうべ寝てしもたやろ?
(せきばらい)(常治)ちょお… 飲み過ぎた…。
もっかい ちゃんと話したいねん。
十代田さんも頭下げたい言うてる。
会うてくれへん?
お願いします。十代田さんと会うて下さい。
ええけど…。ほな 会うてくれるん?
ああ… かまへんよ 今日でも明日でも…。
ほんま!?
ほな… ほな 今日 早速ええですか。
ああ 分かった…。ありがとう!
せやけど 結婚はあかんで。
あいつは あかん。
何で あかんのやろ…。
けど 会うてくれるんやろ。 今日?
会うてくれるだけでも ありがたい。
100回でも 200回でも会いに行くわ。
許してもらえるまで 何回でも…。
大丈夫 そんな顔しな。
一緒に乗り越えよな?
さっ 今日も始めるで。
(秋安)一緒に乗り越えよな…?
ご苦労さんです。ご苦労さまです。ほな これ運んどきますな。
お願いします。
(敏春)おう ご苦労さん。(2人)ご苦労さんです。
(照子)ご苦労さま~。
今朝 商品開発室にいてたんは 川原さん?
ほかの社員から 話 聞きました。朝から 十代田と2人で。
すみません。 陶芸を教わっています。
陶芸を教わってるだけ?
うちな 仕事のことは敏春さんに任せてる。
けど 社員さんらの もめ事や悩みなんかはうちが聞くようにしてんねん。
内助の功いうか何か 力になれたら思てな?
何で言うてくれへんかったん!
いつの間に そんなことなってたん!もう!
知ってるでぇ 聞いたでぇ。
信作?いや 信作からも聞いたけど。
十代田からも今朝 きちんと話ありましたよ。
そうなんですか?ええ男やのう。
ええのん つかまえたのう!なんちゅう言い方や。
ただ そういうことやったらほかの社員の手前もあるし…。
そう うちらとしては それやったらもう はよ所帯持ってくれた方が問題にならんで済むねん。
まだ 許しをもらえてないんで…。
お父さん? 何で? 将来有望やで?
十代田さんはゆくゆくは いち陶芸家として名をはせても おかしくない人や。ほんま?
そら 敏春さんが見つけてきた人やもんなあ?
十代田は 釉薬をうまいこと使て微妙な色合いを出すのにたけてる。
僕は 彼のセンスと将来性を高う買うてます。
前回の陶芸展も惜しいとこまでいったんやんな?
次は 賞を取れるかもしれへん。そうなんですか!
入選してくれたら ありがたいやん。
火鉢に代わる主力商品は 物だけやない人でもええねん。
敏春さんはそういうとこ 目ざといから…。
十代田さんが認められたらマスコットガール ミッコーに続いてマスコットボーイ ハッチーの誕生や。
ほんま ええのん つかまえたのう!そやから なんちゅう言い方や。
ほら 冷えるで ちゃんと掛けとき。ありがとう。 フフフ…。
ハッチー。 ハッチーとミッコー。
ハッチーとミッコーやで…。ハッチー&ミッコーか…。
回想 十代田さんは…陶芸家になりたいいう夢を持ってはります。
はあ…。 なにが 夢じゃ もう…。
ふわふわしたこと言いやがってほんまに もう…。
(戸が開く音)ただいま。
失礼します。
♪~
(せきばらい)
♪~