病院の個人情報持ち出し インテックが陳謝

北陸
2019/12/9 20:11

TISインテックグループでシステム開発大手のインテック(富山市)は9日、院内の情報システム管理を行っていた病院で1719人分の患者と職員の個人情報が無断で同社の男性社員の自宅に持ち出されていたと発表した。社内業務マニュアルの持ち出しなども確認された。現時点で第三者への流出は確認されていないという。

再発防止に向け、今後は抜き打ちの作業監査や監視カメラの設置などで社員の監視体制を強化する。男性社員以外にも不正な持ち出しがなかったかの調査も進めていく。同社の北岡隆之社長は「大切なデータを預かって処理することをなりわいとする会社として極めて申し訳ない」と陳謝した。

紙に記載された名前や住所の情報の持ち出しがあったのは富山県高岡市の高岡市民病院、厚生連高岡病院、同県砺波市の市立砺波総合病院、金沢市の金沢市立病院の計4施設。金沢市立病院と高岡市の富山県済生会高岡病院では社内規定では禁じられている業務マニュアルといった情報の電子ファイルなどでの持ち出しがあった。

持ち出しをしていたのは同社の50代男性1人で、9月11日に機密情報を私用パソコンにメールで送信していたことから発覚した。用紙削減のために裏紙として使う目的で持ち出していたといい、現在は担当業務からは外れている。同社は社内規定に基づいて男性社員と管理者・役員の処分を行うとしている。

同社では2006年にも高岡市から受託していた業務でデータ流出を起こしており、対策として自宅パソコン内の業務データチェックを打ち出していた。

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