2年連続賞金王になった喜びよりも、今季3勝目を逃した悔しさの方が大きかった。18番を痛恨のダブルボギーにした今平周吾(27)は、ぼうぜんとした表情でグリーンを後にした。
17番までボギーなしの5バーディー。単独首位で迎えた18番をパーで終えれば、優勝も賞金王も一気に手に入るはずだった。だが、その18番はピン上1メートルのパーパットが4メートルオーバー。その返しも打ち切れなかった。「パーパットは強めに打ったら左に切れた。(安全に打って)プレーオフも考えたが、決めたい気持ちが強かった」と振り返った。
初の賞金王になった昨季は1勝止まりだった。今季は2勝したが、いずれも荒天による短縮競技で、4日間フルに闘っての優勝はついに1度もなかった。勝ちきれない試合が多く、2位が5回。11月には2週続けて最終日の終盤に崩れて優勝を逃し、そして最終戦も同じシーンを繰り返した。「微妙にリズムの違いが出るのだと思う。常に平常心でいられるようにしないと」と反省した。
それでも、複数年連続賞金王は過去に尾崎将司、青木功、中嶋常幸、片山晋呉の4人しか達成していなかった偉業。今平は最年少での達成だ。どんなコースでも対応でき、今季は10位以内が16回、予選落ちなしと、安定感は抜群だった。「来年は3勝を目指して頑張りたい。東京五輪も地元開催なので、ぜひ出たい」。この日の負けを糧に、来年は国内ツアー実力ナンバーワンの座をより確かなものにする。