SpaceはSlackを超える開発者向け新プロジェクト管理プラットフォームになるか
ファイル共有、タイムトラッキング、電子メール統合、ガントチャート、予算管理などが、平均的なプロジェクト管理プラットフォームに最も求められる機能の一部だが、それでも何かを管理する問題に対して、さまざまなアプローチをとるツールが次々に生まれている。
今では技術者のほとんどが、Slack、Asana、Notion、Trello、Azure DevOps、GitLab、そしてGitHubになじんでいる。だが、この領域はまだ活気を見せている。先月にはMicrosoft Teamsのアクティブユーザー数は、7月の1300万人から増加して2000万人を超えた。Slackは、第2四半期には毎日1000万人以上のアクティブユーザーを数えたことを報告 した。アドビはコラボレーションツールを立ち上げたばかりで、Notionは人気沸騰中だ。そしてFrame.ioは5000万ドル(約54億円)を調達し、MicrosoftはFluidを提供する。WordPressでさえこの動きに参入してきている。
(ジャーナリストのために誰かが何かを作ってくれるのはいつだろう?いや、私たちは貧乏なんだった。忘れてたよ)。
それでも。そうそれでも、開発者向けのプロジェクト管理はいまでもスタートアップにとっての人気分野のままだ。ということで、またこの領域(スペース)向けの新製品が発表された。そして、それは実際にSpace(スペース)という名前だ。
Space は、メッセージング、チームおよびプロジェクト管理、内部ブログ、会議スケジューリング、ソフトウェア開発プロセスを1つのプラットフォームに載せた、統合チーム環境だと宣伝されている。
現在「Organizationプラン」が初期ユーザーに無償で提供されている。このプランには、1ユーザーあたり25GBのストレージ、月間1万回までのCI(継続的インテグレーション)クレジット、ユーザーあたり125GBのデータ転送量が含まれている。
Spaceを使用することで、チームが扱う必要があるすべてのデータが1カ所に保存され、ソフトウェア開発ツール(ソースコード管理、コードレビューとブラウジング、継続的インテグレーション、デリバリーとデプロイ、パッケージリポジトリ、課題トラッキング、計画ツール、プロジェクトドキュメント)がコミュニケーションとアイデンティティのサポートに統合される。
基本的な狙いは、新しい従業員の追加から、CI/CDパイプラインへの要求をマージするためのルールの構成まで、あらゆるワークフローを自動化できるようにするということだ(CIは継続的インテグレーション、CDは継続的デリバリーならびに継続的デプロイメント)。会議、プロジェクト、タスク、コミット、コードレビューなどをスケジューリングすることもできる。
Spaceは、Androidの半公式言語であるKotlinを支えるJetBrainsからの新製品だ。JavaはAndroid開発の公式言語だが、その学習曲線は急勾配だ。そのためJetBrainsがKotlinを開発したとき、それは大成功し二次的な「公式」Java言語となった。なので理論上は、彼らはそうした内容を熟知しているはずだ。
JetBrainsのCEOであるMaxim Shafirov(マキシム・シャフィロフ)氏は次のように語る、「ほとんどのデジタルコラボレーション環境は、開発ツールからタスク管理まで、さまざまな問題に対処するソリューションの単なる詰め合わせです。このためユーザーはツールやタブを切り替えながら、情報を手動でコピーすることになりますが、一般的に時間と創造的な流れを失いがちです。JetBrains Spaceはこれを変えて行きます。つまり、ソフトウェア開発を含む、創造的な仕事の基盤を変えて行くのです」。
JetBrains Spaceは、無料のサブスクリプションモデルを通じて始めることができるが、有料プランはアクティブユーザー1人あたり月額8ドルからのスタートとなる。Spaceの究極の目標は、デザイナー、マーケティング担当者、販売、経理などを含む幅広いクリエイティブチームに、拡張された統一的な全社プラットフォームを提供することだ。
Spaceが離陸し、Slackのような製品を締め上げ始めることになるかどうかは、時間が経てばわかるだろう。Slack嫌いの1人としては、そう願いたいものだ。
[原文へ]
(翻訳:sako)