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神奈川県情報流出 容疑者が在籍する会社は防衛省、最高裁判所なども顧客

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神奈川県の行政文書が蓄積され、消去が不完全なままオークションサイトで転売されたハードディスク(神奈川県提供)

神奈川県の行政文書が蓄積され、消去が不完全なままオークションサイトで転売されたハードディスク(神奈川県提供)

 個人情報を含む行政文書が記録された神奈川県庁のハードディスク(HDD)計18個がネットオークションを通じて転売された問題で、警視庁は12月6日夜、HDDの処理を請け負ったブロードリンク(東京都中央区)社員高橋雄一容疑者(50)=横浜市=を窃盗容疑で逮捕した。

「高橋容疑者を捜査したところ、別のHDDを持っていた。聞けばオークションで売るつもりだったというのでその場で窃盗として逮捕となった」(捜査関係者)

 流出が判明したのは、高橋容疑者がオークションサイトで売り払ったハードディスク、18個のうち9個を落札した人が、安全性チェックのため復元ソフトで試したことがきっかけだ。

 大半のデータは復元できなかったが、一部のデータは復元できた。

 それが神奈川県のものだった。流出したデータは、個人名や企業名が入った納税記録、県職員の業務記録など大量で、機密性の高いものだった。

 神奈川県によると、HDDは富士通リースから借りていたサーバーに使用されていた。今年春が交換時期となったので、別のHDDを設置。古いHDDは富士通リースからデータが復元できないように破壊するために、高橋容疑者が在籍するブロードリンク社に作業が委託された。

 だが、高橋容疑者はそれを勝手に持ち出しオークション売ったというのだ。

 ブロードリンク社のホームページによれば、最高裁判所、防衛省など役所から大手メガバンク、マイクロソフトなど有名企業から仕事を請け負っている、と記されている。

「高橋容疑者については朝日新聞のスクープ記事が6日にあり、昼頃から任意で事情を聞いていた。別のHDDを持っていたことで罪証隠滅・逃亡の恐れもあるので緊急逮捕した。持っていたHDDもオークションで売却するつもりだったと言っている。3年前からブロードリンク社の消去室と呼ばれる、データを消す作業をする部屋から何度も盗みを重ねて、売っていた。金目当てと供述している」(前出の捜査関係者)


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