改造少女改造少女

2019年12月05日

改造少女

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「ぼ、ぼくと付き合ってください!」

勇気を出して彼女に告白したのだが、返ってきた答えはそっけないものだった。

「ごめんなさい。私、ほら・・・」

そう言って少女は少しだけ体操着をめくりあげた。

「ね?私普通の体じゃないの。だから誰とも付き合わないって決めてるの」

彼女の体は乙女の柔肌ではなく、禍々しい機械だった。

「そ、それでも構いません。ぼくと、ぼくと付き合ってください!」

僕は懇願した。
でも、彼女の答えは同じだった。

「ごめんなさい」

また、同じ答えだった。昨日も、一昨日も、その前の日も。そして、明日も、明後日も同じ答えしか返ってこないだろう。
彼女は事故で体を失っただけではなかったのだ。高次脳機能障害により、新しい事を覚えられないのだ。
だから、こうして毎日同じ告白を繰り返している。

でも、いつか彼女の記憶に僕の事が残って欲しい、そう思って毎日告白している。




kaizou_2 at 00:00│Comments(0)

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