2019年12月03日
改造少女
「ねぇ、私いつまでスーパー高校生を演じればいいわけ?」
メンテ中の少女は先生に確認した。
契約では一年間ということになっていたのだが、その契約はどんどん延長され、すでに少女は高校三年生になっていた。
つまり少女は三年間スポーツ万能、成績優秀というスーパー高校生を演じてきたのだ。
問題は体と頭の中の年齢が異なるということだ。体はつくりもの故にずっと高校生のままだ。
しかし、頭脳はどんどんと歳を重ね、中身は今や27歳だ。高校生と比べればあきらかに、おばさんである。
「まあ、いいじゃないか。女はずっと若いままでいたいだろう? 願ったり叶ったりじゃないか」
先生はそう言った。しかし、年齢を重ねた少女、いや彼女は思うところがあるようだ。
「体がいくら若くても頭は歳を取るのよ。だんだんと、話しも合わなくなってるし。だいたい、毎年、この高校から成績優秀スポーツ万能少女が出てくるっておかしくない?」
少女は尋ねた。
「いや、学校を存続させるためなんだ。これは、仕方がないことなんだよ」
先生はどうにかこうにか、少女の契約を延長したいようだ。
「少女が学校を救うってなら、ラブライブとか戦車で戦うヤツとか、いろいろあるでしょう?もう、サイボーグ高校生に頼るのはやめにしたらどうなの?皆で学校を守ってこそだと思うけど」
少女はそう言ったが結局受け入れられることはなく、新たな体で来年度も契約を結ぶことになったのだった。
終
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