2019年07月13日
改造少女
「また、いじめられたの?」
少女の姉は妹に向かって少し強い口調で言った。
「うぅ・・・」
少女は涙を流すばかり。返答のしようもない状態。
「また、壊されてるし・・・いい加減ガツン!と言ってやりなさいよ。あんたサイボーグなんだから」
姉はふがいない妹に言ったが、体が強くても性格が弱ければどうしようもないのだ。
体の強さと精神的な強さは比例することが多いのだが、この少女は反比例してしまったようだ。
おまけに、この少女のボディから組み込まれたセーフティーガードプログラムにより、人間にはあまり抵抗できないようになってるのだ。これは人間に危害を加えないようにという配慮のためだ。肉体が機械の体を持つものに叶うはずはないからである。法律上そう決まってしまったものは仕方がない。もっとも、移行措置というもがあるため、すべてのボディにセーフティーガードプログラムが組み込まれているわけではない。少女の場合、新しい体のためにセーフティーガードプログラムがデフォルトで組み込まれている。人間に抵抗できない体といじめっ子も知っているので、やりたい放題になってしまうのだ。
「だって、だって・・・」
少女は泣くばかりで、やはり要領を得ない。
「これじゃあ、死ぬまでいじめられるよ。そうだ、プログラムを書き換えてやろうか?知り合いに凄腕のハッカーがいるんだ。さあ、どうする?」
終
kaizou_2 at 00:00│Comments(2)│
この記事へのコメント
1. Posted by この女の子もセンチメンタル。 2019年07月13日 21:10
この女の子もサイボーグでかわいいですけど。かなりのセンチメンタルみたいです、なんだかかわいそう、こういうときに同じサイボーグの女の子のリミットちゃんに励ましてやれば立ち直れると思うけど。
2. Posted by KT 2019年07月15日 22:08
確かに同じ体の仲間がいると心強いですね。