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採集魚を持ち帰った後の飼育について、飼育水槽の受入れ体制が不充分ですと、採集した魚を長生きさせることが難しくなってしまいます。
持ち帰り直後の餌付けスペースとして、単層水槽や水槽に隔離ケースを使用しているケースを見掛けますが、これは出来るだけ避けましょう!と言うか、止めた方が良いです。
なぜ、単層水槽や隔離ケースが不適切かというと、持ち帰りが一匹であれば、それでも良いのですが、殆どの場合が複数匹の持ち帰りとなって、一つのスペースに複数匹を入れて餌付けをおこなってしまいます。
採集魚は種類や個体の大きさなどにもよって、餌付けのスピードが異なります。
餌付けのスピードが遅い個体は、劣等者となって採餌が不充分で徐々に痩せ細ってしまいます。
チョウチョウウオを例えにすると、アケボノ・トゲ・フウライは簡単に餌付きますが、ナミとチョウハンを前者らと一緒に餌付けをおこなっても、餌付け状態に差が出てしまうことが多いので、餌付けには段階毎に区分けを行える複数槽が理想的であり、確実に生存率がアップできます。
また、濾過の形状は外部濾過や上部濾過は避け、濾過容量の豊富なオーバーフロー形式としましょう!
餌付けは通常の飼育よりも飼育水が汚れやすく、また食べ残しなども多い為、完全独立した物理濾過の確立が不可欠です。
已むを得ず、外部や上部式の濾過で餌付けをおこなうのであれば、濾過が追い付かないので3日間毎に半換水をおこない、水換え作業によって水質の維持に努めなければなりません。
毎年、多くの採集魚を持ち帰っても生存率が確保出来ていない場合は、上記の内容で飼育しているケースが殆どだと思われますが如何でしょうか?

次に昨日掲載した我家の餌付け水槽についての詳細を記します。

イメージ 1

こちらの画像は、中段の餌付けスペースです。
間仕切りが可働式でMAX4区画から状況に応じて区分けを変えられるようになっています。
アサリしか突かない個体は一番左側、次のステップに進めば隣のブースへと、餌付けの段階毎に部屋を移動し、餌付けが完了したら、上段の一時育成槽へと個体を移します。
当方が日頃より「餌付けの第一は、個体を落ち着かせられる環境を整える。」と言いますのは、上記のような区分けされた餌付け水槽でなければ、状況毎に応じた可変性のある対応が上手くできません。

イメージ 2

こちらが上段の育成槽です。
ここで、暫く成長するのを待ってから、本体水槽へ移します。
餌付け直後の小さい個体をいきなり本体水槽へ移しても、先住者の大きなサイズに威圧を受け、また餌取りの早さに対応しきれずに、ストレスによって体調を崩してしまいます。
当方では、夏~秋季に採集した個体をこの一時育成槽で6~8か月間程度飼育し、翌年の5月頃に本体水槽へ移しています。

採集を趣味としている熟練者は、殆どの方がこの複数槽による餌付け水槽を保有しています。
採集・飼育歴が浅い方でも採集シーズン前に予め上記のシステムを確立し、その年の生存率は非常に高い成績を残されています。

実際の飼育内容をこちらでご確認頂けたらと思います。


採集シーズン開始までにまだ時間がありますので、上記の内容を参考に受入れ体制を整え、今季の採集を有意義なものにして下さい!

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