今日のお話は私の妄想だと思ってお読みください。読者さんがなんらかの実在の組織や団体を連想されたとしてもそれは気のせいです
妄想小説家ダメラボ
恥の多い人生を歩んできました
むかしむかし、私は生涯で一度だけ小説というものを書いたことがあります。そして文学賞に応募しました。生まれて初めての経験です。後にも先にもその一度だけ
その名はF書院文庫(仮名)官能大賞
目的は賞金。100万円ね、100万えん、めちゃ大金でしょ
そして私は官能文学界に新たなる潮流を作ろうという野望を抱いたのです。目指せ団鬼六!
その時の経緯はブログの初期に書きました。嘘っぽい小説風に書いてるけどほぼ実話です
内容を簡単にまとめると
- 13万文字のウルトラスペクタクルなエロ小説を苦心の末、完成させる。速攻応募
- 多数の応募者の中から一次選考、二次選考を突破して最終候補の四作品に残る。うひょひょ~ しかし落選。がっちょーん
- 編集者から連絡があり「このイカれた応募作を電子書籍化させてもらえないか」と誘われるも電子書籍は印税が安いと聞いて断る
ざっくりまとめるとこんな感じです。まあ普通の内容
ここまでならよくある……とは言わないけどそれなりにある話です
ただし、この話は色々と端折って綺麗にまとめています
この記事には書いてないけど電子書籍化を断った後にひっくり返るような出来事がありました
なぜその時は全部ぶちまけなかったのか?
そこまで書くと記事が長くなりすぎるからです、というのは建前でそれ以外にも理由はありまして、それが今回の記事タイトルにもなってる『ブログに悪口を書くのは難しい』
ブログに悪口を書くのは難しい?
物事を文章化する作業はどうしても書き手を冷静にさせてしまいます。特にノンフィクションを他人の目に触れる形で書く場合は事実と憶測を区別して書く必要があります
そうすると書き手の伝えたい感情や正当性が正しい温度で読者へ届かないかもしれない。特に法律上の違反でなく道義的な問題を糾弾する場合は
しかし今回はそれにあえて挑戦してみようと思う
今日の話はもし読者の中に小説家を目指す人がいた場合は編集者と付き合う上での心の準備にもなる話です
ちょっと硬い感じになったけど何があったかぶっちゃけると
電子書籍化を断った二ヵ月後に私の応募作の設定を丸パクリした新作小説がF書院(仮名)より発表されました。とある新人作家のデビュー作として
おい、マジでふざけんなよチクショー!!
文庫本一冊の文字数は10万文字以上は必要です。小説は一週間やそこらじゃ書けません。書籍にするならなお時間がかかる
つまり私が電子書籍を断ってすぐにパクリプロジェクトが始動したということになります
当時、私は担当の編集者に
「電子書籍が大したお金にならないのであれば、この作品は記念として大事にとっておきます」
そう言って断ったのです。それを最後に彼とは連絡を取ってませんでした
裏切りやがったなクソ野郎!
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そもそも設定をパクるってありなん?
まずフォローしたくないけど一応フォローしときます
他作品の設定やそれに付随したアイディアの使用は著作権法ではなんら問題ありません。盗作とはあくまで『他人の作品の一部または全部をそのまま自分の作品として発表する』行為です
第4回 盗作しても著作権侵害にはならない?-「アイデア」と「表現」の分かれ目:ネットだから気をつけたい! 著作権の基礎知識|gihyo.jp … 技術評論社
パクられた小説の中身は別人が書いてるので当然文章は別物です。設定が同じというだけ。ストーリーも違う。もう一度言うけどなんら問題はない
腹が立つけど事実です
当たり前っちゃ当たり前ですね。創作物語の設定なんてどうしても似かよってしまいますからね。これがダメならドラゴンクエストもドラゴンボールも生まれない
しかも官能小説なんてエロがメインなのでなおさらバリエーションが少ない。設定が似ることはある
なんだよストーリーは違うのか、設定が似てるだけ?だったら文句を言うんじゃないよ、という話ですが、
それにしても限度があるだろって話ですよ
まず自分は設定を決めるにあたりかなりの業界分析を行いました。エロを求める読者は細部にこだわるからね。そのへんの内容は前回のブログに書いてます
簡単に言うと超頑張ったわけです
せめて少しは誤魔化せよと言いたくなるほど堂々としたパクリっぷり
私の設定は当時のフランス、間違ったF書院の刊行物の中では比較的少ないジャンルです。流行からズレてましたからね。恐らく同社から数年は出てない。それを意図して書いたので間違いないです
にも関わらず件の小説は設定やキャラの家族構成どころかメインヒロインである姉妹の年齢は1歳ずらしただけ、ヒロインの一人なんて所属してる部活と名前の漢字まで同じという舐めっぷり。偶然はありえない
喧嘩売ってるのかな。誤魔化す気がまるでない感じられないYO。もしや挑戦状?
私の最終候補作の論評はF書院のホームページに掲載されています。当然あらすじや設定なども書かれています。そうでなくても私が郵送した原稿が残ってるはずです
私は彼らに文句をぶつける正当性はない。当然ですルールには違反してないから
でもね応募者を舐めすぎです
エロスにおいて設定というのは作品の軸になります。これをここまで堂々とパクられたら創作に携わる者は意欲をなくしますよ。隠す気がない時点で馬鹿にしてるとしか思えない
どうしてここまで設定を寄せたのさ、もうちょっと変えてくれれば『まあ、あるよね…』で済ませることもできたけど
まるで私にアピールするかのようなパクリっぷり
ちなみにここまで読んだ人の中にはその小説を晒せと思った人がいるかもしれない。それはしません。悪いことをしたわけじゃないですからね
でも気に入らないのは事実です。だからこうやってブログにしてる。浮気された女性が「浮気するならバレないようにしろ!」と怒る気持ちと似ているかもしれない
それにもう一つ理由があります
ここまで細かい設定を似せていると新人作家が自分の意思でやったとは思えないのですよ
だって普通はバレたくないからもっと誤魔化すでしょ
もし新人さんが勝手にやったとしても私の担当だった編集者が当然気づくはずです。F書院の刊行数は月に6点ほど、つまり編集者の目に止まらないわけがない
つまり
状況的にみて新人がこの設定で書かされたと考えるのが自然です
どうしてこれほど私の設定にこだわったのかはわからないけど
だから作家を叩く気にはなれない
とはいえ作家本人が何も事情を知らないというのはたぶんないと思う。その理由は次の項で書きます
気づいたきっかけ
アマゾンです
何気なくF書院の新作をチェックしていたら見つけました
表紙の画像を見た瞬間
え!? なんで俺がデビューしてるの!
と思わず変な声が出てしまった
そう錯覚してしまうくらい設定クリソツ。官能小説はタイトルでほぼ内容や設定がわかりますからね。しかも主流じゃないジャンルなので目立つ。さらに最終選考が終わって2か月後のこのタイミングで新人がデビューしたとの売り文句まで書かれてる。へ、俺のこと?
おまけに表紙に描かれたイラストがとあるスポーツのユニフォームなのですが、私が作中で描写したまんまの配色のデザインですよ。偶然はないっちゅーの
自分の作品と間違えてしまったのは当然です。あらすじを読んで更にビックリ。
…まんまやん。なんなんコレ…
主人公の立場や性格等は違う、しかしメインとなる設定がそのまま過ぎる。私の作品を意識して書いたのは明らかです
そして、アマゾンですから当然スター付きで読者の評価が書かれていました
それを読んで悲しくなりました
予想はしてたけど評価は悪いです。それに関してはまあいい
2人目の感想がトホホですよ
2人目の感想を書いた人はコアなF書院ファンのようです。つまり高貴なるエロ紳士。ダメ出しが官能小説愛に溢れていて的確。短所を遠慮なく指摘するけど書き手に対して愛情もある
ぶっちゃけ私の担当編集者よりも説明能力が高い
当然そんなマニアなファンだから最終選考の論評もチェックしてたようです
感想欄には
『微妙にストーリーが違うが第〇〇回のF書院官能文庫大賞で最終選考に残った作家のデビュー作だろう』と書いてました。そりゃそうだ本人が間違えるくらいだからな
文末には「うーんイマイチだが新人だしこれからに期待!」なんてお優しい言葉で締めてましたよ。仏陀かよ
俺は叫びたかった、「違うんです俺のエロスはこんなにチンケじゃない!これは偽物だ!」
官能小説はこういった根強いファンに支えられてこの出版不況でも売り上げが堅調なのですよ
作家や編集者はアマゾンの評価を見てますからね、彼らはこれを読んでどう思うのでしょうか
あのエロ紳士に謝って来い。タコ助ども
まとめ
どうでしょうかね。ありのままに事実を書いてみました
私が最も心配してるのはこの話を読んだ人が私のことを
被害妄想に憑りつかれたヤベー奴だと思うことです
京アニのイカれた犯人も似たようなことをほざいてましたからね。でも自分は違うよ!信じてちょ
ちなみに友人はアマゾンのパクリを見て激怒してF書院に電話をかけようとしたので慌てて止めました。その程度には似てます
こうやって文章にしてて気づきましたが、私が最もイラっとしたのはパクられたことよりもパクリ方ですね
巧妙にぱっと見でわからないようにやってるなら悪気が感じられてまだ許せた。しかし堂々とやってのける姿勢は相手をみくびっていないとできません
私はビジネスで舐められるのはあんまり好きじゃないですね。利害関係のない相手ならなおさらです
思い返してみると私は編集者に対して下手に出過ぎたかもしれない。一応自分は営業もするので仕事では相手に関係なく行儀よく接します。でもやり過ぎたかも
結果として「コイツならこれくらいやっても構わないだろう」と思われた可能性がある
これは自分が反省すべき点かもしれません
いやー電話やメールでしかやり取りしないから加減が難しいんですよね。対面だと調子に乗り過ぎた相手には「そのへんにしときましょ」と言えばいいけど
もし作家を目指す人で今後編集者とやり取りする人がいればまず最初にこう言いましょう
設定パクったらぶっ飛ばすからな
編集者だからといって必要以上にへりくだることはありません
また会社がそうであるように出版社にも残念な編集者がいます
新人は担当を選べないからこそ、ある程度強気で対応すべきです。でも礼儀は大事です。喧嘩腰ではなくあくまで毅然と接しましょう
以上、ダメラボの妄想劇場でした