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横浜F・マリノスがJリーグで優勝した理由 全試合見続けたファンが2019年に何が良くなったのか説明する

明治安田生命J1リーグ2018シーズンにて、勝ち点41、正にギリギリの残留という結果に終わったチームは、なぜ翌年の2019シーズン、チャンピオンになれたのか。一体、何が良くなったのか。

 

 

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誰もが気になる部分に、定点観測を続けたファンならではの視点で答えたい。先に言う、長いぞ。

 

 

前年との比較ではなく、CFG以降の5年を振り返るならこちらの記事から

speir-s.hatenablog.jp

 

 

おさらい 失敗の2018シーズンと低迷した真の理由

 

監督も認めた失敗に終わったシーズンを総評すれば、何もかも原因はラディカル(急進的)過ぎた変化、時間が足りなかったという準備不足に求められるだろう。

 

ビジョンや方向性、正しいやり方だとしても、急ぎすぎては上手く行かなかった、それが最も顕著に出たのが所属選手の構成、つまり編成だった。

 

40歳の選手が肉体の限界を越えてまでピッチに立っていたとして、まだセンターバックが物理的に足りず、サイドバックは交代要員が一人も居ない状態でシーズンを終えた様に、昨年の夏にバックラインは質以前に、物量において壊滅的状況であった。

 

その後、夏のマーケットにおいて獲得した、ドゥレ、チアゴ、畠中の3人が揃った後半の13試合は明らかな誤審を除けば13失点、つまり、シーズン換算では34失点となり、これは十分に堅守と呼べる状態であるし、守備に関しては、監督が望んだ選手が揃ったらどうなるのか、が翌年に先んじて示されていた と言える。

 

 2019年2月9日記事

speir-s.hatenablog.jp

 

2018シーズン失点データ

<前半>

第1節から22節まで 21試合  合計 40失点

1試合平均 1.904 シーズン(34試合)換算  64.736

 

<ドゥレ、チアゴ、畠中が揃ってから>

第23節から34節まで 13試合 合計16失点(誤審3)

1試合平均 1.230 シーズン換算 41.846

 

 

一方で、前半戦の勝ち点は20、そして後半戦も勝ち点21とあるように、失点数が激減したにも関わらず勝ち点を稼げなかった。多くの人は異なる印象かもしれないが、これが数字的には正しい。

 

2018シーズンにマリノスが最後まで残留争いに巻き込まれた真の理由は、夏には解決した守備陣の編成問題にはない。

 

誰もが攻撃は良いマリノス、と思っていたかもしれないが、実の所は総得点数に誤魔化されていたにすぎない。

 

本当は得点力が低い、1試合4点以上を記録した、8得点の仙台を象徴とする、通称バカ試合を除外した場合における平均的な得点数、これに問題があった。

 

2018年9月27日記事

speir-s.hatenablog.jp

24試合 28得点 1試合平均 1.166

※記事投稿時点

 

この1試合大量得点を除外した数値が、2018シーズンにおけるマリノスの真の姿であり、この数値は同じ方法で算出したモンバエルツ時代より、なんと0.2も低い数字である。

 

その結果、今季に向けてウーゴ、伊藤翔、ユン、ブマル、前線スカッドもバックライン同様に、大幅な総入れ替えが行われた。更に2018シーズンは全体的な計画性を欠いた結果、バックラインに外国籍選手を使う関係で、比較的、得点関与率が高いブマルを使いたいのに使えず選択肢を失う、という事態も招いた。

 

前任者は、辣腕と呼べる優秀なSD(スポーツダイレクター)だったが、20人近い選手の入れ替えを現実と戦いながら、ワンシーズンで達成するのは、いくらなんでも無理だった。

 

振り返ると昨シーズンの失敗を招いた編成だが、先ずはディフェンスライン、そして今季はアタッカー陣にリソースが割り振られたと言える。

 

そして、時間さえあれば、シティフットボールグループの最先端の分析力、情報網、海外現地での協力体制という、Jリーグではチート(インチキ)とも言える、最適な選手を連れてくる確かさは皆さんご存知のとおりだ。

 

 

www.footballista.jp

「日本ではよく外国籍選手の補強に関して、『当たり、外れ』という表現が使われますが、我々はそういう言い方はしません。我々はギャンブルしているわけではなく、情報を集めて精査して、自分たちのスタイルにあう選手を選んでいるので。」

 

CFGにマリノス専属のコンシェルジュみたいな人がいて、その人に『俺に話してくれれば問題を解決するよ』と言ってもらっています。試合分析においても、CFG側にシーズンを通してマリノスのためにリソースを割いてくれる人がいますからね

 

 

最後方の2-2ユニットから始まる流動性

 

信念が揺るがない監督、もっと言えば頑固者。

 

そんな監督が、プレーの根幹に関わる部分において、就任以来続けてきたが、今年に入って変えたことがある。

 

 

昨シーズン開幕からマリノスでは、最後方でビルドアップする時の枚数を頑ななまでに2-3(2人のセンターバックの前に、喜田+サイドバックが基本)としていたが、これは敵からすると特攻プレスに行く時に2トップでハメやすかった。

 

特に有効だったのは、GKまでは追わないで持たせて、ロングボールを蹴らないことが分かってるGKからマリノス陣内へ出るボールを数的同数で狙うやり方で、自陣でのロストを重ね劣勢になる事例が目立った。(顕著な例は2018年10月20日のガンバ戦 前半1-0から1-2の逆転負け)

 

これは2018年夏に、一時期3バックを試した時ですら、ボール保持時は3人のセンターバックの内、1人は1列上がらせるほど、絶対に2-3の形を維持していた。

 

さて、今季、どうするのかと見ていたが、開幕からは引き続き頑固なまでに2-3だったので不安を覚えた。

 

案の定、その形に向けて対策(用意)をしてきた相手にビルドアップが上手く行かない、更には相手が勝負時とばかりに圧力をかけてくると、ボール保持すら危うい状況は改善しなかった。

 

変化が起きたのはある程度シーズンが進み初夏を迎える頃。 選手の欠場などもあり、ユニットの組み合わせを模索する中で、対策に対する柔軟性が高いシステム、解消案として、遂に発見したのが、2人のセンターバックと2人のミッドフィルダーからなる、2-2ユニットである。

 

 

これは基本的に最後方は2人のセンターバックで担当するが、敵1列目の人数に応じて、ミッドフィルダーの内、1人が最終ラインに入り、3を形成するというもの。

 

 

 

 

これだけだと、なんだそんな簡単な事かと思うかもしれないが、タスクとして『絶対に最終ラインを数的同数以下にしない』という意識が強く植え付けられているのを感じる。

 

同時に、これはパターンではなく、あくまでも状況次第な動きである為、最終ラインが数的同数以下にならなければ2-2のままを維持するし、注意事項として、マリノスの場合、1列下がって最後方で3を作る選手は、センターバックの間に降りる、とは決まっていない。敵がどの様にプレスをかけるか、敵陣形のどこを突くのか、次第である。

 

 

また、2センターバックと喜田は基本陣形であり、そのコンビとなるミッドフィルダーがキーとなるべく、正に常時、盤面を認知、分析し、配置的優位を意識したポジショニング、ポジショナルプレーの実行が要求されると言える。

 

その結果、レギュラーポジションを掴んだ扇原は1試合の走行距離で連続1位を記録する期間もあった。

 

 

 

 

これは、日本代表が未だに柴崎という一人の展開力に依存しているのとは異なり、正に最先端の司令塔と呼べるプレースタイルだ。

 

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数的な優位性を保ちながらボールを前進させることを重要視しているポジショナルプレーにおいて、選手の距離感は生命線。だからこそ、左右に動き回りながら味方との位置を調整するジョルジーニョは「適切な位置関係」を保つことに寄与する。

 

広い範囲を動き回りながら、正解にゲームメイクをこなす彼は、新時代のレジスタと呼ぶべきだろう。一本のパスで戦況を打開する天才ではなく、チームの組織の中で力を発揮する彼らは、今後の育成が目指す選手像にもなるに違いない。

 

 

また、両サイドバックにもそれは高度な水準で求められ、彼らは2-2ユニットの状態を見て自身も適切な配置をしなければならず、時に、最終ラインで3の一角に入ることもあれば、3の前で1をやることもあるし、必要なら3-2の配置を取ることもあれば、マルコスの代わりにトップ下の位置で、敵2列目の裏を狙うこともある。

 

(川崎戦の松原からエリキへのスルーパスを送ったシーンは標本と言えるプレーであり、後方が生み出した時間とスペースというリソースを、前進のエネルギーに転換するハブの役割も担う)

 

これぞ正に開祖であるヨハン・クライフが言うところの「サイドバックが60mを上下移動するなんて馬鹿げている」「彼らはボールについてまわる選手」であり、その難解なイメージをグアルディオラが分かりやすく『偽サイドバック』と翻訳したプレーである。

 

マリノスの攻撃について、流動性が言われるが、それは前線の、ゴール前の話だけではなく、最終ラインから始まっているといえる。

 

 

情報を取得し分析、判断、実行する能力(リーダーシップ)を獲得した選手に、柔軟性の高いシステム(プログラム=命令)を与えることで、予習をされても、簡単にはハマらないチームになった。

 

 

2019の特徴① オフサイドトラップ

 

マリノスではオフサイドトラップの概念が異なる。

 

マリノスでは駆け引きや守備ゾーンのコンパクト化だけなく、タックルをするのと同じくらいに、ボールを奪う手段として、オフサイドトラップを採用している。

 

そして、マリノスはラインが高いから裏を狙おう位の軽い気持ちで挑んできた対戦相手は、山のようなオフサイドを積み上げた。

 

ただ、これはボールホルダーへのプレッシャーが全くない状況でも実行してしまう為、同時に多数の失点につながっていた時期もあり、若干のやり過ぎ感もあった。

 

 

典型例

 

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夏の時点でマリノスは、被シュート数が少ない(リーグ3位)のに、いざシュートを打たれれば簡単に決まる脆さがあった。被シュート決定率 11.4%(リーグ14位)

 

ところが、上位を追い詰める10試合で、24試合で11.4%だった数値が、33節終了時に10.5%と激減した。だからといって、オフサイドトラップを減らすなんて解決方法でないことは試合を見ていれば誰でも分かる。

 

 

ポイントになったのは、エリキが優秀なアタッカーであったとして、どこで使うのかに揺れていた時期にある。 夏加入でマリノスのやり方も分からず、ボールの猟犬と化してしまったエリキが、自ポジション(当時は右サイド)を全く守れない時期に行われた数試合。

 

マリノスのハイ(敵陣)プレスを回避しても、ゆっくりとゴール前までボールを運ぶ名古屋はなんの驚異でもなかった。

 

だが、徹底的にその穴を突かれ、実は薄氷の3-0勝利だった広島戦、そして広島戦をよく研究しており逆転負けしても不思議ではなかった仙台戦の手痛い引き分けを経て、最終的な陣容が固まった。

 

 

 

非ボール保持の時、屈指のインテンシティが生まれた。

 

「自陣にフリーのボールホルダーがいなければええんやろ?」

 

信仰による勝利。

 

 

 

2019の特徴② コンパクトネス

 

次にチームの守備における特徴として、フットボールラボにおいて、昨季よりも顕著な変化を感じるデータが、コンパクトネスだ。

 

マリノスが守備時におけるブロックの平均サイズが以下になる。

 

 

2018シーズン

 横幅 37.5m

 縦幅 30m

 

2019シーズン

 横幅 36.3m

 縦幅 28.5m

 

 

特に縦幅は、昨年の方が最終ラインの平均位置が高いのに縦幅が広く、前がむやみに追いすぎていた、前線のプレスバックが甘かった、その結果、後ろは広大に空き、中身もスカスカだった傾向が垣間見える。

 

平均値なので、ハイプレス時だけでなく、自陣守備時も含めて、リーグトップレベルにコンパクトな、敵ボールホルダーを圧縮する守備陣形、これが2019シーズンのマリノスである。

 

多くのチームが、圧縮されたことによって生まれる空間、『逆サイド』を目指したが、屈指のインテンシティにより「逆サイドに逃さなければええんやろ?」と封殺した。

 

もちろん、後ろはゴールキーパーとして、エデルソンやノイアーを越える『フィールドにおけるパスカット数』を記録しそうなパク・イルギュが控えている事も追記しておく。

 

 

 

信仰の勝利。

 

 

2019の特徴③ 最強のトランジション

 

次に劇的な変化が見れるのが、トランジション(切り替え)の局面において、負の切り替えと言われる、攻撃→守備において計測した指数が、昨年の58から、今季は75と、約30%のアップが確認できた。

 

この指数は、ボールを失ってから3秒以内に自チーム(全員)が走った距離が10m以上あり、それが敵チームの1.5倍の時に計測される。

 

つまりボールを失った時に、いかにチームがフルパワーでエネルギーを注いでいるか、という指数であり、マリノスが記録した物は、他のどの数値よりも、リーグ内で最も突き抜けた数値であり、オフサイドトラップの多用、コンパクトネスと並び、今季マリノスの特徴と言える。

 

 

ちなみに川崎は41、鹿島に至ってはリーグ最低で38と、この指数は攻撃回数の多さに関連性はなく、失った直後に取り戻す意思を表す数値、故意によるものなのかが分かる。

 

また2位は走って頑張るチームと皆が思っている湘南だが、指数は64、それを10以上も上回るマリノスの突出ぶりが確認できる。

 

リバプールや、シティといった最先端を見ても思うのは、ボールを失った瞬間にエネルギーを注げないチームに強度は生まれないし、強さを感じない。

 

 

②と③の複合的な要素として、コンパクトな守備陣形と、全力の切り替え勝負、これが生み出すハイ(敵陣)プレス成功率が、リーグ最強のショートカウンターにもつながっている。

 

 

 

 

2019の特徴④ ポゼッション攻撃の進歩

 

 遂に訪れた収穫の時、苦しみの時代終焉。

 

初めて読む人もいるかと思うので、昨年の開幕前から何度も言っていることを再び言う。

 

マリノスボールをロストしやすいカウンター頻度を落とし(行けそうな時は全力で行く)、攻撃権を大事にして、より敵ゴール前のプレー機会を求め、ポゼッション攻撃に傾倒し始めたのは、モンバエルツ時代から、それは2017年の夏前からだ。

 

 

この時間は忍耐を要する、正に苦しみの経緯、歴史であり、特にモンバエルツ時代は死屍累々、悲惨なまでの自陣でのボールロストを生んだ。

 

2018年1月14日記事

speir-s.hatenablog.jp

 

ポゼッション攻撃に取り組んだ代償

 

被チャンス構築率 12.2%(リーグ17位)

平均被シュート数 14.4本(リーグ16位)

 

とても5位になったチームの数字とは思えない…モンバエルツがいかに失点率を減らす、守備ブロック構築の名人だったかと言える。

 

 

そして2018年、勝利する為の最善手であると信じる監督、信念のポゼッションをする監督に変わった事もあり、ボール保持率はシーズン平均約59%と、歴史的にもミシャのレッズを越える、最もボールを持つチームが完成した。

 

 

 

 

だが、前述したように、前後に選手が揃わないこと、監督が固辞するやり方が対策を立てやすい事もあり、2018シーズンは劇的な変化を見せつつも、ルヴァンカップ勝戦を象徴する様に、得点や、結果として勝ち点に繋がらなかった。

 

また傾向として、前年は、自陣ポゼッション指数70、敵陣ポゼッション指数56と、10ポイント以上も自陣が高く、これは後ろで持ってる時間が長い、同時に前に進めない事を暗に示す、ボール保持の拙さが垣間見えるデータが残る。

 

この点においても2019年は、自陣ポゼッション63、敵陣ポゼッション60と、バランスは大幅に向上している。

 

 

前年に、ルヴァンカップ決勝でボコボコにやられた湘南の特攻プレスを手玉に取る。例の騒動前の試合である事も追記しておく。

 

 

 

パーフェクトゲーム()

 

428本のパスがボール保持の安定感、そしてボール支配率が多数の攻撃機会だけでなく、同時に相手からボールを取り上げる守備に直結しているのが分かる。

 

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2019年夏、保持して殴り勝つを目的に、プレシーズンとは言えマンチェスター・シティに対して、ここまでやれるチームがJリーグにあるか。

 

 

 

 

ちなみに、この試合、グアルディオラは「暑すぎるので事前に取り決めた時間よりも早く、選手交代タイムを要求したい」と、通訳としてピッチレポーターを捕まえて4審に交渉したにも関わらず、自分は75分までほぼフルメンバーで戦った。何たる負けず嫌い、ずるいぞ。

 

 

2019シーズンの平均ボール支配率はJリーグクラブ前人未到の61%台に突入したが、その数値向上は、再奪取のクオリティ上昇は勿論、敵の圧力に対して自陣で失わずに、敵陣ポゼッションに移行が出来ている証だろう。

 

 

 

ゴール前のクオリティにかける執念

 

選手個々のファンもいるだろうから、あまり多くは語らない。

 

マリノスは、夏に、これだけの数値を残す選手がいるのに、満足できないでマテウスを獲得した。

 

 

 

また、事実として、共に日本代表出場歴のある三好と天野は、マリノスでポジションを失った後にベルギーへ移籍した。

 

 

そのクオリティをチームにもたらすのは誰か?

 

 

 

 

 

マリノスが変えなかった事 ポステコグルー監督

 

 

www.youtube.com

「過去に拘って今のサッカーを変えずに、このままやった方が良いのでは、という人もいます。そういう状況でも信念を貫いていくことが最も大切。」

 

「自分は必ずこのチームで成功すると信じています。」

 

 

今季も多くのチームが監督を変えたが、「今、チームに起きている問題は監督を変えれば解決するんですか」と疑問に感じる事が多い。

 

また、問題解決の方法として、負けそうだから将棋盤をひっくり返す、解けないから問題用紙をビリビリに破く、といった、問題解決ではなくて、解決できないまま無くしただけ、という一種のヒステリーであり、エキセントリックな方法も目立つ。

 

 

サッカーに必勝法は存在しない。

 

だからこそ、勝つ為に最も良いやり方というテーマにおいて、私は、我々は、何を信じるのか、という一種の宗教である。

 

マリノスはサッカーというゲームを、どの様に定義するのか。

そしてマリノスが彼を、信じるものが同じである事を理由に選んだのだ。

 

 

※ 取締役、前統括本部長

 

 

そして望んだ結果が出ないとして、マリノスの分析力は、先ず自チームに活かされている。

 

今のマリノスは間違えない、一言で言うなら、しっかりしてる。思惑や願望ではなく、科学を拠り所に、最先端にキャッチアップし、リソースを確保し、適時、合理的な姿勢で問題に正しく取り組む。

 

2018シーズン、マリノスが同じ物を信じている監督を変えたとしても、原因は前述した編成にあったのだから、何一つ解決する問題はなかった。だから変える必要はない。

 

至極当たり前の事を当たり前にやっただけかもしれないが、不安や焦り、外圧もある中では、その当たり前をやり抜く事こそが一番難しい。

 

 

そして改善や解決というのは、先ず、何が問題であるのか、問題を正しく認識することが最重要である。

 

変える必要が無いものは変えなくていい、大変革の中で基準点を失わない事は、何よりも重要であった。

 

 

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「私が日本に来て驚かされたことを強いて挙げるとすれば、人々がいかに保守的であるかということだ。だいたいそういうことだろうというのは感じていたが、日常には保守的なところが多いし、彼らのフットボールについても同じだ」

 

「日本が育てている選手たちのタイプに関して言えば、私と結びつくことはなかなか無い。技術的にとても恵まれた選手が育っており、彼らはとても速いテンポの中でプレーすることができる。そうしたフットボールは私が望んでいるものだが、彼らのプレーの傾向はとても保守的なんだ」

 

「相手に対して主導権を握るようなプレーより、ゆっくりとしたテンポでのプレー、組織的なプレーをしたがる。これには驚かされたが、我々はこの点にも取り組んできた。」

 

※ ここにおける主導権とは、攻撃権(ボール保持)ではなく、リアルタイムストラテジーゲーム的に、(判断する・考える)時間というリソースを奪う様な概念を意味すると思われる。

 

 

 

全てではないが

 

これでもかなり削ったが、長くなった。

 

時々における巧みなプレー、活躍した選手個々についてなど、まだまだ語るべき事は多数あるのだが、それらは表面的で分かりやすい事でもあるので、この記事ではあえて触れないでおく。

 

 

 

 

2014年に沈黙の壊滅的状態からリスタートしたサッカークラブ、横浜F・マリノス

 

最初の5年で、1は10くらいになっただろうか。

 

 

当時、CFGジャパンの代表としてインタビューに答えた利重氏はこう言った。

 

『シティ・フットボール・グループ』にとって、クラブ経営はイコール、ビッグクラブの経営です。

だからこそニューヨークであり、メルボルンであり、横浜なのです。

 

 

また、シティフットボールグループにとっても、大きなマイルストーンとなった。

 

グループの中で後発になるマリノスというクラブが、いち早くそれにを成したのは、莫大なリソースを、優位を活かすバックボーンが、オリジナル10として過ごした約30年によって備わっていたからこそ、である。

 

 

未知の領域へ

 

さらなる発展を求めるなら、次の5年はよりパワフルでなければならない。 

やるべきことは単純だ。

 

ハンドルを握り(正しい方向へ)サイクルを回せ(漕ぎ続けろ)

 

 

マリノスの戦いは まだ始まったばかりだ!

(ポステコグルー監督の次シーズンに、ご期待ください)

 

 

思いついた事を書きなぐった駄文ではあるが『今季のマリノスは何が変わったのか』について、少しでも伝われば幸いである。

 

 

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