特攻を歌ったジャパメタ・アーティストの想い
アジア人女性として初めて世界最大級のメタル・フェス=ヴァッケン・オープン・エアのステージに立った(2005年)経歴を持つ、SAEKOという女性メタル・シンガーがいる。彼女の2ndアルバム
『LIFE』収録の「Sa-Ku-Ra」は、太平洋戦争(当時の名称は大東亜戦争)時に、特攻で散華された英霊への想いを寄せた楽曲である。「Sa-Ku-Ra」は、日本人として世界に向けて伝えるメッセージは何かと考え、生まれた楽曲の一つとのことだ。

「Sa-Ku-Ra」が収録されているSAEKOの2ndアルバム『LIFE』(2006年)
多くの日本人同様、「軍隊は悪」という教育を受けてきた彼女は、一時、スイスに滞在していたことがあった。スイスは国民皆兵の国だが、ある時、現地の人たちと話していて、話題が軍の話になった。
「ところで、日本軍はどれくらいの大きさなの? 制度は徴兵制?」
などと尋ねられたSAEKOは、
「Off Course(もちろん)、日本に軍はいません」
と答えた。するとそこにいた人々は皆、
「えっ!?」
と目を丸くし、絶句。
「じゃあ、誰が国を守るの?」
と問い返された。
「……」
今度はSAEKOの方が絶句してしまった。
このような経験を経たことで、彼女は自身のそれまでの価値観が揺らぎ、自分は何も知らなかったと思ったという。その後、欧米至上主義だった日本のロック界の空気を破りたい、そのために海外で活躍しなければいけないと考え、活動してきたアーティストである。

|
『ジャパメタの逆襲』
LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! ! 長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!
|