複雑怪奇な2階建て新NISAの日経新聞報道。脳内で円卓会議を妄想 New!

水瀬ケンイチ

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日本経済新聞に、2024年に刷新される「新NISA」の報道が出ています。



NISA投資、2階建てに 低リスク商品に20万円枠

■対象は投資信託など■個人に中長期の資産形成を促す■上場株式など向けの従来枠は100万円


日経新聞によると、新NISAの概要は以下のとおり。

・NISA制度の投資期限(23年末)を5年延長した上で新制度に移行
・リスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来通り上場株式などにも投資できる枠(2階)の仕組み
・原則としてリスクの低い商品に投資した人だけが、2階部分にも投資できる
・非課税期間はどちらも5年
・年間の投資限度額は1階が20万円、2階が102万円、総額122万円とする方向で調整。全体で5年にわたり最大610万円
・2階については、リスクが高すぎて資産形成に向いていないものを除外する方向で調整

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NISA投資、2階建てに 低リスク商品に20万円枠 :日本経済新聞より引用)

また複雑怪奇な制度を作ろうとしているようですね。まあ、金融庁を始めとする関係各所の気持ちはわからないでもありません。


(以下、完全に私の妄想です)

金融庁タカ派
「せっかく作った初代の『一般NISA』を5年で終わらせたくない一方、高齢者を中心に、個別株の短期売買や、森元長官が知ったらハリセンで叩かれそうな毎月分配型&通貨戦略型&カバードコール戦略&なんちゃら戦略の4階建て投信など、若者の資産形成に最適な制度という趣旨とはかけ離れた使われ方をされてしまっている面があるのは事実だ。思い切って革新すべきだ!!」

金融庁ハト派
「もっと資産形成に適した制度に見直したいのはわかる。しかし、『つみたてNISA』のように対象商品を大半のインデックスファンドと、申し訳程度のアクティブファンドに限定してしまうと、金融業界から『この制度、旨味ゼロなんですけど』と風当たりが強い。ここはマイナーチェンジということで……」

金融庁タカ派
「じゃあ、対象商品の幅広さは残しつつ、安定投資限定の枠でも作ればいいじゃないか。『つみたてNISA』的な商品を20万円も積ませて、あとは今まで通り自由にどうぞと言えば、金融機関も文句は言うまい。そうだ、投信ブロガーどもから「短い」と散々叩かれた非課税期間5年を伸ばそう。今度は10年でどうか!」

突然ゴロゴロ転がり込んできた財務省
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ減税やだ!!非課税期間の延長なんて絶対やだやだったらやだ!!増税したい増税したい増税したい」

一同「(こいつ子どもじみてるが権力あるからメンドクセェ)」

金融庁ハト派
「……しかしですね、初代『一般NISA』と比べて、なんだかんだでかなり複雑な形になってしまうので、もしかしたら投資家にそっぽを向かれて誰にも使われず、『ジュニアNISA』みたいに寂しくフェードアウトという結末になってしまう恐れもありますよ」

金融庁タカ派
「それじゃあ、ちょこっと10万円くらい非課税枠おまけ付けといたろ。な。これくらいなら財務省さんもええやろ。コストにうるさい投信ブロガーどもも『10万円ゲット~!』言うてみんな喜んで乗り換えてくれるはずや。よし、これでいこか!!」

金融各社
「でも、せっかく一般NISAでシステム投資してまだ回収も終わっていないのに、また2階建てなんて機能追加ですか。最近、突然手数料競争が激化して収益が……ブツブツ」

スライディングで登場してきたNRI
「我々にお任せを!!(サムアップ) なぜか内々に開発していた2階建て機能アップデートプログラムがもうでき上がっています。あ、こちら料金表ですどうぞ、どうぞ」

金融各社
「ゲェッ!!高え!!(NISA絡みで儲かってるのお前んとこだけちゃうん?)」

日経新聞記者
「……じゃ、皆さんこんな感じで記事にしますんで。あ、生煮え感ありありですけど、注目されない金曜深夜に流しますんで。はい。皆さん土日は休みでしょうから、朝イチでいきなり役員さんに『どうするんじゃぁ!!』と詰められたり、コールセンターが即パンクなんてことはないかと(もみ手)」

一同「ったく。やってらんねえよ。さ、忘年会行こうぜ」(ゾロゾロ……)

(以上、完全に私の妄想です)


上記の日経新聞報道も、確定したわけではなく、与党の税制調査会での議論を踏まえて、今後決める20年度の税制改正大綱に盛り込めたらいいなぁというものだと思います。これから二転三転する可能性はあるという段階の情報だと思われます。

理想と現実のはざまで、様々な利害関係者たちを調整する金融庁は大変だと思います。

私の願いは、シンプルにNISA制度と非課税期間の恒久化ですが、きっと一足とびには行かず、投資家の利用状況を見ながら、段階を踏んでいく必要はあるのかもしれません。

新NISAに関する確定情報を待ちたいと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ


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