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社会

12月に子育てツバメ 岐阜での確認は初

 主に東南アジアで越冬するツバメが、岐阜県多治見市平和町のマンション駐車場にある巣で子育てしている。同県内の鳥を半世紀以上観察してきた日本野鳥の会岐阜代表の大塚之稔さん(65)=岐阜市=は「岐阜県で12月に繁殖するツバメが確認されたのは初めて。全国的にも極めて珍しい」と指摘する。

 巣は駐車場1階の軒下にあり、つがいの親ツバメが5羽のひなにえさやりしている。ひなは生後1週間程度。巣立ちまであと数日とみられる。マンション住民によると、空だった巣に、11月初旬からつがいがすみはじめたという。

 大塚さんによると、ツバメが日本で観測されるのは通常3~10月。春から夏にかけて繁殖し、えさとなる昆虫が少なくなる冬は温暖な地域に渡る。「巣の周辺に、えさとなる昆虫が多く発生している可能性がある」と分析する。

 多治見市の最低気温は5日に0度まで冷え込み、親ツバメが羽を広げてひなを温める姿が見られた。地元の鳥を長年観察してきた富田増男さん(72)=同市=は「温暖化などで環境が変わり、鳥の繁殖に影響を与えているのではないか」と懸念しながら、「ひなが寒さで凍え死なずに、うまく巣立ってくれれば」と願う。

(中日新聞・真子弘之助)

口を開けるひな鳥にえさを与える親ツバメ=6日、岐阜県多治見市で

口を開けるひな鳥にえさを与える親ツバメ=6日、岐阜県多治見市で

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