日本人の給料がまるで上がらない決定的な要因

国際的に見ても、もはや競争力を失っている

製造業をベースにした設計で流動性が低いのも問題だ(写真:タカス/PIXTA)

平均給与は上がったというけれど

なぜ自分の給与はこんなに低いのだろうか。そう感じたことがない人はいないだろう。国税庁が発表した最新の民間給与実態統計調査によると、2018年は上昇基調にある。年間440万円ほどだ。

しかし、上がったといっても440万円。それはリーマンショック前の2007年当時の水準に近づいたにすぎない。さらに、1997年当時の467万円よりもまだ低い。周辺国が経済成長し給与も上昇している状況において、日本人の給与は相対的にも低い状態に陥りつつある。

しかも、働き盛りの30代中盤から40代後半の読者には、さらにショックなことをお伝えしなければならない。

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  • 😎89243b34c9b4
    日本は3つの苦難を背負っている
    ①少子高齢化に伴う人口減少
    ②デジタル化による市場拡大が絶望的
    ③欧米の減衰と東アジアの台頭

    ①番は、明らかに官僚機構の失策。今では自民党が力をもっているが、これらの問題の芽が出始めた頃は官僚が絶大な権限を握っていた。
    消えた年金含め、社会保障費を軽く扱っており、予測が可能な人口動態に纏わる課題であるにもかかわらず見て見ぬ振りを続けた。

    ②については言語の問題もあり、日本で開発されたサービスが海外に勢いそのままにマーケットを拡大する事はとても難しい。必然的に1億人マーケットで過当競争になる。③については戦後の安全保障上の体制が日本にとって大変な枷になっている。


    もう20年も前になるが、一橋大学の福田泰雄が政・官・財・マスコミの癒着と日本の権力構造について論考を発表していたが、彼の分析した既得権益連中が無事逃げ切るための装置に日本は成り果ててしまった。
    up41
    down16
    2019/12/7 06:18
  • tori88f8c7943e45
    流動性とか言いますが年齢差別の問題に触れていない時点で記事としては評価できないですね。
    未だに組立産業モデルで何とかなるという発想もまずい。日本はすごくないということがいまだに共有できていない。
    up36
    down13
    2019/12/7 07:00
  • サーモンアボカド丼ca7d69bfe1ca
    ピーク世代と比べるから上がらないと見えてしまうし、昔の家や車を買うのが当たり前のようなイメージをいまだに引きずるから貧しく見える。

    景気「回復」とかいう神話を信じる人がいる限り変わらないと思います。
    up37
    down18
    2019/12/7 07:10
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