スイスが核武装していないのは何故でしょうか? 国民皆兵制を敷き、核シェルターも整備されていると聞きます。国策なのでしょうが、一寸、矛盾しているようにも思えるのですが…?
回答
広島・長崎の驚異的破壊力に驚いたスイス政府は1946年核エネルギー研究委員会を設置しました。
表向きは核の平和利用ですが、真の目的は核武装です。
スイスはチェコからウランを買おうとしますが、同国の共産化で不可能になります。(1946年)
次に国民党政権下の支那とウランの採掘を始めますが同国の共産化でこれも潰れます。
1950年には西ドイツから100kgのウランを買います。(キロ当たり三万ドルと結構ボラレタらしい)
次に英国と交渉し1955年までに精製されたウラン10tを買います。
フランスからはミラージュ戦闘機を買うという名目でウランを買おうとしたために疑獄事件にまで発展します。
1956年のハンガリー動乱でWP(ワルシャワ条約機構)の脅威に怯えたスイスは核兵器開発に本腰を入れ始め、1962年のキューバ危機で拍車が掛かります。
事実WP側はWW3が始まった時はスイスを占領する計画があったようです。
1962年、スイス国民は「スイスへの核配備禁止」の国民投票を否決します。
「あやまちはくりかえしませぬ~~」と泣き言ばかり言っているどこかの国民とはガッツが違いますね。
この他にスイス政府は自主開発よりももっと手っ取り早い方法、外国との共同開発や核兵器の購入も模索します。
当時同様に核兵器開発を進めていたスウェーデンと接触し共同開発を持ちかけています。
スウェーデンは1940年代後半から核武装計画を始めていて、結局冷戦の終結によってその計画を放棄するまでに原子炉や核爆弾まで秘密裏に作ったり、核実験場所を決めていたりして、後は実験だけという段階だったようです。
スイス政府はこれらの他に仮想敵国であるソ連から核爆弾を買えないかという検討までしています。
荒唐無稽なようですがスイス政府は形振り構っていられなかったのでしょう。
平和ボケ国家は見習うべきです。
スイス政府と参謀本部は64~67年にかけて青写真を描き、科学者も実績を重ねていきます。
最初の計画では投下用の核爆弾(50~100Kt)を50発。
核実験についてはスイス国内で半径2~3kmの地域を封鎖して地下核実験する。
(恐らくアルプス山中に横穴を掘る形式で行う心算だったのではないか?)
68年には5ヵ年計画として纏められ、それは以下の要領でした。
最初の5年間 50Kt核爆弾100個 10Kt誘導ミサイル50基
次の5年間 20Kt核爆弾80個 20Kt誘導ミサイル25基
1~2Kt核砲弾25個
最後の5年間 200Kt爆弾20個 5Kt~20Kt誘導ミサイルを50基と25基
1~2Kt核砲弾25個
核爆弾と核砲弾は爆撃機と砲兵隊に配備する
誘導ミサイルはその部隊8隊を創設する
調達期間は15年 ウランを使った場合は年間1億~1億7千500万スイスフラン
プルトニウムを使った場合は1億8千万~3億8千万スイスフランの予算である
NATOがソ連に対抗して西ドイツ国内に配備した巡航ミサイルが464基であるから、スイス独自で150基のミサイルを配備しようとした計画は大規模なものでありましょう。
使用する状況としては、ソ連軍がもしもスイスを占領した場合、フランスはスイス国内のソ連軍に核攻撃を加えるだろう。
それを阻止する為にはソ連軍がスイス国境を越える前にソ連軍を核攻撃して覆滅するしかないというシナリオでした。
詰まりはオーストリア方面で使うことになるのだろう。
プルトニウムは重水炉から抽出する予定で、重水炉は既に稼動していました。
77年には中性子爆弾の研究を始めます。
中性子爆弾とは小型の水爆で、爆発力を小さくしつつ放射線を強化した爆弾です。
破壊を最小限に留め、生物だけを殺す事に最も適した爆弾といわれています。
このように着々と計画を進めます。
1968年に問題が持ち上がります。
NPT(核拡散防止条約)の問題です。
スイス政府は国防省の反対を押し切り、77年に同条約を批准します。
しかし政府は隠れて核兵器開発を進めます。
名目にされたのが西ドイツです。
スイスは「何時か西ドイツは核武装するだろう、そのときはスイスも核武装する」として何時でもそれが可能なように研究を続けました。
ドイツを出汁にして研究を続けますが仮想的はソ連です。
85年にはそれがドイツにバレて外交的に一悶着ありました。
スイスが核武装を正式に諦めたのは冷戦終結によって敵が居なくなってしまったからです。
87年「スイスは核武装を行わない」宣言を出し、88年に正式に核計画の廃棄に至ります。
スイス政府は核兵器計画の文書を95年に公表しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kanazawa_sanetoki2004/20948505.html
スイスの永世中立は北も南も西も東もないような「平等外交」に繋がっており、万一スイスがどこかの国から先制攻撃を受けたとしてもそれに敵対する核保有国が黙っていないであろうからです。
スイスは山しかなく、あまり資源が無い。
時計や精密部品も、国民の伝統技術で生産
されています。攻め込んでくる国はないでしょう。
ただ、万が一の為、「国を守る」という意味合いだと
思います。
(yahoo!知恵袋より)
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