★★★ Excellent!!!
なぜ新潟でなぜ海軍なのかはよくわからないが、恋愛描写は頑張っている 彩の国さいたま
板野氏を長らく観察している私からすると、氏の頑張りを強く感じる一作である。恋愛物が苦手な筈の板野氏が珍しくまともに恋愛物を書こうとしているという時点でまず驚きに値する。
しかし何故舞台が新潟なのかがさっぱり分からない。いや、板野氏の動向を知っている人からすれば、氏がNGT48絡みで新潟に愛着を持っていることは分かっているのだが、それは読者には知ったことではない。あやかし物で、京都のような定番の土地以外を舞台にするのなら、どうしてその土地が話の舞台になるのかを、作者の人となりを知らない読者にも納得できるように説明する必要があると思う。
また、主人公は「行き当たりばったりガール」として設定されているが、いくらなんでも行動に現実味が薄すぎるだろう。これから就く仕事のことをろくに確かめもせず、若い女子がスーツケース一つに収まる程度の服を持って引っ越しを決行するということが現実にあるだろうか。板野氏は常々「私の作品には現実味のない人間は居ない」などとご高説をぶっているのだから、この辺りもう少し詰めるべきであろう。
さらに、同じカクヨムコン5にネイビーアイドルを出しているのに、こちらでも海軍士官ネタをやるというのは、流石に使い回しがすぎるのではないだろうか。例えば舞台が横須賀であるとかならまだ海軍士官の設定にも必然性があるというものだろうが、主人公がたまたま訪れた新潟で、新潟と特に関係のない…
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