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新しい魚を水槽に投入する際は、外部から病気を持ち込まない為にトリートメント(検疫)の行為は飼育の基本であり、常識といわれています。
当サイトでもトリートメントの重要性を記していますが、この作業は感染症については有効であるものの、白点病については余り効果が期待できる作業ではないと判断しています。
そもそも白点虫は水槽立上げ時には一切存在しないことは言うまでもありませんが、幾ら慎重にトリートメントをおこなっても、目認不可能な白点虫が魚の体表面に付着し、水槽内に混入してしまうものと判断した方が現実的であり、これについては、白点病の発症原因を根底から把握している方であれば、当然のことと認識されているものと思います。
従って、白点病(虫)は、外部から持ち込まない様にするのではなく、幾らトリートメントを施しても、水槽内は常時白点虫が潜伏してしまう前提で飼育のあり方を考え、発症させない環境作りが必要なのです。
また、「白点病治療を繰り返した魚は免疫力ができる為、白点病に掛かり辛い。」ということを良く耳にしますが、私は適当な考えとは思っていません。
その免疫力ができると判断した内容としては、「発症と治療を経験した固体は発症せず、後から投入した固体だけが発症する。」といったことが、その理由とされていますが、ただ単に前者は先住者であって、後者は新参者であるだけにすぎないのです。
これについては、当サイト「白点病~発症させない無投薬飼育」でも記すように、新参者の発症は先住者を警戒して自ら体調を崩し発症してしまうものと考えた方が適切であると思います。
なぜならば、当方では採取魚を餌付けした後、約半年間は餌付け水槽+一時飼育槽内である程度成長(この間は未発症の状態を維持)を待ってからメイン水槽に移行させていますが、新参者の一部は先住者を警戒し、自ら体調を崩して発症してしまうケースが偶に生じます。
また逆にメイン水槽の環境に馴染んでいない新参者は発症していないものの、先住者の一部個体だけが発症することも稀に生じますが、この際は全て物理濾過(ウールマット)のメンテナンスを怠った時だけであって、その後にウールマットをメンテナンスするだけで投薬治療なしに自然と完治してしまいます。
このことからも、新参者の白点病発症はトリートメントの有無に関与せず、先住者を警戒しての発症、及び、先住者は免疫力が在る無しに関係なく物理濾過の汚れによる水質悪化によって発症するということがご理解いただけることと思います。
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