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前回は生物濾過の形状について述べましたが、本章では物理濾過の形状について記します。
この物理濾過の機能については個人毎の認識度に幅があり、適切な状態で設置されていない場面を時より見掛けることがありますが、一般的に思われている以上に重要性が高く、設置の状況やメンテナンスを怠ると、発症に直結してしまうものです。
本来の物理濾過の機能とは、飼育スペース内から生じた糞や食べ残し等の不純物が濾過槽内への流入を防ぐ為に、確実に濾し取ることを目的としています。従いまして、ウールボックスはドライ形状を維持し、ウールマットは二重三重に隙間無く敷き込むようにしなければなりません。
しかしながら、現状では物理濾過のウールボックスが生物濾過槽内に水没していたり、ウールマットがドライの状態で設置されていても底面に隙間が生じていると、ウールマットの目詰まりによって浸透しれない不純物を含んだ飼育排水が、その隙間から直接、生物濾過槽に流れ込んでいる様子を見掛けることがあります。
この物理濾過は、本来の目的としている機能を果たす為に、各自が形状に対する認識を持ち、ウールマットの浸透性を維持させる為にもスノコの設置は重要です。
ウールマットには、ウール状の塊のものと、60cm上部式濾過用のマット状のものがありますが、排水からの不純物を確実に濾し取ることを目的として隙間無く敷き込む為には、マット状のものが重ねて敷き込めるので、当方はこのマット状のものをお勧めしています。
また、そのウールマットを確実に隙間無く敷き込む為に、物理濾過の寸法的な部分も配慮し、ウールボックスのW寸法をウールマットの幅:120ミリに合わせ、二枚を並列に敷き込む為240ミリの設定にしています。
この形状であれば、二重三重に隙間無く敷き込むことが可能となり、物理濾過本来の機能を発揮することができるようになります。
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