東京五輪に向けて思いを語る池本(東大阪市・近畿大学付属高)

東京五輪に向けて思いを語る池本(東大阪市・近畿大学付属高)

 競泳女子の日本代表として7月の世界選手権に初出場した池本凪沙(近大付高2年)が、ライバルひしめく女子短距離の五輪代表争いに名乗りを上げている。自己ベストを伸ばし続ける17歳の新星は「リレーだけではなく、自由形の個人でも出場したい」と、東京五輪に向けて気迫をみなぎらせている。

 6歳から競技を始め、小学生まではバスケットボールと二足のわらじだった。水泳に専念したのは中学に入ってから。3年間で約20センチ背が伸び、約170センチの長身を生かしたストロークとバスケットで培った脚力を武器に頭角を現した。
 高校に入ると、200メートル自由形の記録が向上。「(五輪の)派遣記録に近づき、泳ぐのが楽しくなった」と今では最も得意な種目になった。苦手なスタートやターンを強化し、4月の日本選手権、5月のジャパン・オープンでともに同種目4位に入り、世界選手権のリレーメンバーに選出された。
 チーム最年少で臨んだ大舞台は800メートルリレーでアンカーを任され、「私で大丈夫かなと思ったが、切り替えて全力で泳いだ」と12位内を確保。狙っていた五輪出場枠を獲得した。
 翌月のW杯東京大会200メートル自由形で3位に入り、800メートルリレーの派遣記録に0秒06まで迫る好記録をマーク。国体は女子少年A100メートルを制し、今季の目標だった54秒台を出すなど自己新を連発した。
 手応えを感じながらも「より高いレベルで練習したい」と、11月から所属先を地元クラブからイトマン東大阪に変えた。毎月の代表合宿をこなし、「世界と戦う武器を増やす」とバタフライの練習も始め、1日5000~6000メートルを泳ぎ込む。
 200メートル自由形は、日本選手権を制した白井璃緒(東洋大)や、800メートルリレーの派遣記録を突破した青木智美(あいおいニッセイ同和損保)らとの争いとなる。「リレーの派遣記録を必ず突破し、個人でも代表の座を狙う。世界に一歩でも近づきたい」。若きスイマーの勝負は続く。

 いけもと・なぎさ 2002年生まれ、京都府宇治市在住。莵道第二小から宇治中へ。3年時に挑んだ全国中学校体育大会で女子50メートル自由形と100メートル自由形で優勝。同年のジュニア夏季五輪では自由形で3冠を達成した。