アメリッシュガーデン改

姑オババと親戚の物語をブログで綴っております・・・ブログ界のちいさなディズニーランドを目指しています

苦労は人を鍛える!戦国時代の平均身長は157センチで体脂肪率はアスリート【明智光秀と織田信長13】NHK大河ドラマ『麒麟がくる』

登場人物

オババ:私の姑。カネという1573年農民の40代のアバターとして戦国時代に転生

私:アメリッシュ。マチという1573年農民の20代のアバターとして戦国時代に転生

トミ:1573年に生きる農民生まれ。明智光秀に仕える鉄砲足軽ホ隊の頭

ハマ:13歳の子ども鉄砲足軽ホ隊

カズ:心優しく大人しい鉄砲足軽ホ隊

ヨシ:貧しい元士族の織田に滅ぼされた家の娘。鉄砲足軽ホ隊

テン:ナイフ剣技に優れた美しい謎の女。鉄砲足軽ホ隊

古川久兵衛足軽小頭(鉄砲足軽隊小頭)。鉄砲足軽ホ隊を配下にした明智光秀の家来

 

f:id:funyada:20191205101953j:plain

戦国時代:槙島城の戦い イメージ

(前回のあらすじ:1573年、足利義昭が蜂起し信長は京へ軍を進める。アバターとなった戦国時代の母娘を生かすため兵隊になる決意をしたオババとアメリッシュ。鉄砲足軽隊として他の5人の仲間とともに古川久兵衛の配下になった)

 

織田信長の戦い方って、叫ぶこと?

 

「オババ、これはワクワクする!」

「どうした」

「信長の戦略って、美しい」

「このどこが美しい、時々、アメのことが理解できないが」

「この戦いって、現代では槇島城の戦いと文献にはでてるけど、暦オタでもない限り誰もしらないマイナー戦です」

 

私たちは二条城を総勢7万人という圧倒的な大軍で包囲、足利義昭勢に相対していた。それこそ京都ジャックしていたんだ。

 

京の町民や公家は逃げ出して、ほとんど誰もいない。

3ヶ月まえの4月、上洛した信長は周辺の村を焼き払う命令を出している。

この当時、飢えた雑兵たちの収入源は略奪だったんだ。山賊となんら変わりなく、その上に兵とは関係のない盗賊までここぞとばかりに加わって残虐の限りをつくした。

これ、1992年に米国で起きたロサンジェルス暴動と似てる。黒人の暴動から始まり、一般人を巻き込み、略奪がはじまり、最終的には内戦みたいな様相を程していた。

 

焼き討ちの悲惨な記憶がまだ新しい京都民は、再びの信長上洛で生きた心地がしなかったろう。それこそ財産を抱きかかえ、くもの子を散らすように町から逃げ出している。

「私は習った歴史しか知らないが、槇島城の戦いなど聞いたことがない」

「それ、普通です。レア中のレア戦ですから」

「それで、この何が美しい」

「血を流さない戦いって美しいと。信長って若い頃は先頭に立ち、ヤンキーのボスみたいな戦い方してたけど。39歳になって変わったと思う。兵を集めるだけ集めて、敵に神経戦を仕掛け、圧倒的多数で戦わずして勝つ戦法。やるなぁって思うわけです」

「しかし、これが美しいのか? 城に向かって悪口を叫んでるだけだぞ」

「そうです」

「じゃあ、叫んどこうか・・・」

 

オババ、腹に息を貯めると思いきりぶっ放した。

 

「お前のかあちゃ〜〜ん。

でべそぉ!!

 

周辺では太鼓や鐘の音が激しく鳴り、私たちは鍋を叩いては敵が籠城する二条城に向かって悪態をついていた。

昨日は城を囲んで野営して、翌日はずっと罵詈雑言(ばりぞうごん)を叫ぶのが仕事だ。

 

「あほぉ〜〜! 弱虫! でてこい〜〜!」

「この腰抜け〜〜!」

「くそっバカ!!」

「大馬鹿やろうのうこたれ!」

「死ね!」

 

「悪口が思い浮かばんぞぉ〜〜!」

「ブログ、書くの飽きたぁ〜〜!」

 

総勢7万人の軍勢が、四六時中、城に向かって叫ぶ。城内にいる人はキツイと思う。城外にいてさえも耳が痛い。

罵声に負けないよう、顔を近づけオババが言った。

「これが美しいのか」

「血も流れず、最高かと」

「声が涸れるが」

と、背後の方から肩を叩かれた。

「おカネおマチ、しっかり叫んでるか」

我らの小頭久兵衛だ。目が笑っている。

「叫んでます!」

「声が小さい」

久兵衛殿・・・」

彼の身長は170センチに少し足りないほど、この時代にしては、かなり背が高い。その彼が眼前で酒瓶をぶらぶらさせると、顔にあたりそうで危ない。

「飲むか」と、言った。

「いつまで、ここで包囲しているんですか」

「そりゃあ、あれよ。中の奴らが音あげて、出てくるまでよ」

「まだ、誰も出てないのですか?」

「いや、2人の武将は1日で出て来やがったそうだ。面白くもねぇ。お公家なんちゅうのは、武士を名乗っても、ひ弱いな」

「じゃあ、あと1人ですね」

「あと1人か! それで開城するんだな、とすると、城攻めにはならんか」

声が少し低くなった。戦いがなければ手柄も立てられない。がっかりしているのだろう。

「降伏しますよ、今頃、調略に向かって」と、言ってから、はっとした。

「ほお、巫女殿には先がわかるか、が、そりゃ、つまんねぇ予言だな」

しまった、ついつい口が滑った。

二条城を取り囲んで、今日で2日。おそらく、あと1日か2日で最後の一人も落ちるはず、そのために柴田勝家が二条城に調略に行っているはずだった。

私は目を閉じ、もっともらしく宣託を告げた。

「でました! お告げです。おおおお・・・、降りてきました。お狐さまのご宣託でございます。あと・・、2? そう、2日でございます」

大げさに叫ぶと、私は、ついでに、その場に倒れてやった。

オババが呆れている。

久兵衛といえば、少したじろぎ、それから、へっと言った。

「あと2日」

「そ、そうか。わかった、何か欲しいか」

「食べ物」

「すぐ届けよう」

「寝床もほしい。疲れてございます」

「わかった、俺が許す。その辺の民家で寝てこい」

「ありがとうございます」

久兵衛が去ると、オババは爆笑した。

「アメ、なかなかの演技だった」

「いやもう、苦肉の策です」

「じゃ、みんな、行くか」

「いいんか」と、仲間のトミがうろたえている。

「小頭の許しが出たんだ。休もう」

そうして、私たちは無人の民家に勝手にはいり、ともかく、休んだ。

ハマとカズはすぐ熟睡した。体の小さい彼女たちにはハードな日々だと思うが、文句も言わずについてくる。素直な子たちで、自分の子のように可愛くなっていた。

他のふたり、ヨシは高慢ちきな態度で、ついてってやるわよという様子がみえみえだ。「ありがとう」と軽く言える女じゃないのがヨシだった。

そして、いつものように、テンはどこにいるのかわからない。

 

2日後、最後まで残っていた三淵藤英が柴田勝家の説得を受け入れ開城した。こうして、4日で二条城は陥落した。

 

槙島城の戦い

f:id:funyada:20191205171528j:plain

巨椋の入り江(巨椋池) 都名所図鑑より


京都府の南部・・・現在の京都府伏見区宇治市久御山町をまたがる地域は、かつて巨大な湖沼であった。

 

二条城が開城した数日後、全軍は1日かけて槙島城へ進軍、五ケ庄の柳山へ。現在の宇治市に移動したんだ。なにせ7万人近い軍勢、兵糧などの荷物も多い。まるで民族大移動の様相だった。

 

槙島城は巨椋池おぐらいけ)という大きな湖沼に浮かぶ城で、南部まで進軍すると樹木の間から見え隠れしていた。

「あの城を攻めるんか。湖のなかにあるが」と、トミが聞いてきた。

なにかわからない事があると、私とオババに聞くのが、みな息をするように当たり前になっていた。

「そう、あの城を攻めると思う」

「今回は、どや。前と同じで叫んで待ってればええんか」

「トミさん、残念だけど、そうはいかないんだ」

「しかし、見てや。あそこに行くには、川を渡るってことや。ハマには難しい。流れが早そうや」

ハマは小さい。130センチほどで、身体つきも細い。

現代なら、9歳か10歳くらいの身長で、この体で、よくついてくると思うほど健気なんだけど、まあ、しかし、常に生活がジムで鍛えているのと同じだから、筋肉質でたくましくはある。

この苦労ばかりの時代は体を鍛えるにはいいってことなんだ。

 

因みに、戦国時代の男性の平均身長は157センチ。女性は147センチと言われてるんだ。

 

「流れが早いな」

「ああ」

「ハマは行ける。どこまでもついていける」と、彼女が小さな声で言った。

「そうか、ハマはすごいな」

目前には宇治川が流れていた。埋め立ての進んだ現代のように橋があるわけでもなく、川幅も広い。

雨がふって増水し、濁流で流れも早かった。ここを渡るって、誰かが溺れても不思議じゃない。というか、7万人の兵士のひとりすぎない私たちが溺れたって誰も気にもしないだろう。

 

翌日、伝令が来た。

 

「川を渡るぞ!」

 

マジですか。

 

・・・つづく

 

*内容は歴史的事実を元にしたフィクションです。

*歴史上の登場人物の年齢については不詳なことが多く、一般的に流通している年齢などで書いています。

*歴史的内容については、一応、持っている資料などで確認していますが、間違っていましたらごめんなさい。

参考資料:#『信長公記太田牛一著#『日本史』ルイス・フロイス著#『惟任退治記』大村由己著#『軍事の日本史』本郷和人著#『黄金の日本史』加藤廣著#『日本史のツボ』本郷和人著#『歴史の見かた』和歌森太郎著#『村上海賊の娘』和田竜著#『信長』坂口安吾著#『日本の歴史』杉山博著#『雑兵足軽たちの戦い』東郷隆著#『骨が語る日本史』鈴木尚著(馬場悠男解説)#『夜這いの民俗学赤松啓介著ほか多数

 

NHK大河ドラマ麒麟がくる

大河ドラマの登場人物、鎧や骨などで推定身長が出ています。

因みに、当時の男性の平均身長は157センチほど、女性は147センチでした。

 

英傑たちの身長

明智光秀・・・156センチほど

(当時の平均身長くらい。現代の男性平均が170センチだと考えると、当時の人からは、170センチくらいに見えていたはず)

 

織田信長・・・170センチほど

(かなりの高身長、現代に換算すると185センチくらいのイメージになる)

 

豊臣秀吉・・・150センチ前後

(平均より7センチ低い。現代に換算すると160センチ前後くらいな感じ。面白いことに、淀君が産んだ秀吉の子、豊臣秀頼の身長は197センチ。大男である。現代に換算すると2メートル超え? 秀吉の子とは思えない)

 

徳川家康・・・159センチほど

(平均よりちょっと高い。現代なら175センチくらい?)

(上記は文献や遺骨、鎧などで導きだされた推定身長です)

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 プライバシーポリシー お問い合わせ