ネイア・バラハの聖地巡礼!   作:セパさん

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・この話は後日談であり、蛇足です。ネイア・バラハの聖地巡礼!本編を前提とした話しとなっておりますので、ご了承下さい。

・IF設定が更に独自の進化を遂げた世界を舞台にお送りしております。

・キャラ崩壊注意です。


 以上を踏まえた上でお読み下さい。


【番外編】閑話 シズ先輩のメイド道講座

「ということでシズ先輩!アインズ様からご下賜頂いた聖典(ぐんじしょせき)をもとに、まず迷彩服から作ってみました!」

 

 並べられるのは、草原用の薄い迷彩柄、密林地帯で使うシズ先輩のマフラーに似た濃い迷彩柄、雪原用の白装束、砂漠地帯に溶け込むという目が痛くなりそうなピンクの柄など多数。ネイアは戦闘・戦術知識に関しては門外漢なので、元軍士の同志へ聖典を託し、戦力強化に向けた様々な取り組みを行ってもらっていた。

 

 聖典に記された戦史・戦術・野戦概念はどれも斬新にして複雑怪奇な代物で、魔法技術に疎く、レンジャー部隊や弓手部隊が多くを占める(仮)の戦力を大幅に増強させるだろうと言われている。

 

 最初に着手したのは、一部隊単位で戦地の景色に溶け込む格好で固める【迷彩服】の作製だった。敵からの探知を難しくさせるには少なくとも第一位階魔法<溶け込み(カモフラージュ)>が必要となり、それも不完全な上に、対象は単体だけだ。

 

 攻勢に出る部隊の全員が迷彩で衣装を固めるという概念はこの世界には-少なくともネイアの知る限り-無いものだった。他にも英雄クラスを超えない一般の兵士たる者が、バケモノを相手に戦う術が多く載っており、海洋国であるローブル聖王国ではありふれた品の魚網に<飛行(フライ)>の力を宿し浮かせ、馬や魔獣の足を止め、矢を一斉掃射する手法などは、騎馬兵のみならず、彼の竜王国を難儀させているビーストマンにも有効な手段だろうと言われている。

 

 現在(仮)の親衛隊訓練では迷彩服を用いた穏行術の鍛錬が追加され、錬度を上げているとの嬉しい報告もある。敵対する者が人間か亜人か魔獣か……その特徴を活かした、色だけに頼らない匂いや聴覚を騙す迷彩を作ることが、最終的な目標だ。

 

「…………うん。素晴らしい。迷彩柄は正義。」

 

 シズ先輩はやや興奮した様子で並べられている迷彩衣装を前にしていた。

 

「ですが、わたしではアインズ様より賜った聖典を正しく理解出来ないのが不甲斐ないです。」

 

「…………安心する。ネイアにはネイアにしか出来ない事がある。」

 

 倚子に座り机にぐったり項垂れたネイアの頭を、シズは横に座って優しく撫でる。

 

「わたしに出来る事ですか……。アインズ様の素晴らしさを伝えるという、誰にでも出来ることなのですが……。」

 

「…………むっ。ネイアはまたそんな事を言う。謙遜も過ぎると不敬。アインズ様が言っていた。」

 

「そうですかねぇ……。」

 

 ネイアとしては自分がそんな素晴らしい能力を持ち合わせているなど微塵も思っていないが、シズ先輩は毎回その話をすると〝むっ〟とした後、励ましてくれる。

 

「…………アインズ様にお仕えしたいならば先輩を信じるべき。」

 

「うん、そうですね!わたしも出来る限り頑張ります!」

 

「…………心意気ヨシ。特別に講義をする。」

 

「講義……ですか?」

 

 シズ先輩はこくりと頷いて、目を光らせ親指をビシッと立てた。

 

「…………ユリ姉直伝。先輩が教えるメイド道。」

 

 

 

 

「いやあのシズ先輩!わたしにはどう考えても似合わないと思うんですよ!まずスカートってのがアレですし、思いっきり足見えてません!?それにスカートの丈短くないですか!?」

 

「…………?」

 

「何で不思議そうな顔してるんですか!?」

 

 メイド衣装に身を包んだネイアは顔を真っ赤に染め、スースーする足下に違和感を覚え、はしたないと解っていつつも、ヒラヒラとしたスカートに手が伸びてしまう。よく考えればシズ先輩はこの格好であの討伐劇をやってのけたのだ。【メイド悪魔】という種族だからだろうか。自分は絶対真似出来ない。

 

「…………まず基本。アインズ様に〝付き従え〟と言われた時には――」

 

「なるほど!一度頭を下げ、一拍置き……ああ!アインズ様に〝付き従え〟とご命令されるなんて!なんという恩寵でしょう!」

 

「…………わたしはされたことがある。」

 

 シズ先輩は誇らしげにむん、と胸を張った。ネイアの羨望の眼差しに対し、慈しむように頷く。

 

「…………大丈夫。ネイアもきっとご命令頂ける日が来る。応援している。」

 

「ありがとうございます!シズ先輩!」

 

 シズ先輩が帰った後、メイド服姿を書記次長ベルトラン・モロに見られ絶句されるのはその数時間後だった。


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