Firebase Summit 2019 で発表された新機能
2019年12月5日木曜日
この記事は Francis Ma (Head of Product, Firebase) による The Firebase Blog の記事 "What's new at Firebase Summit 2019" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
私たち Firebase チームの使命は、モバイルとウェブのデベロッパーの成功を支援することですが、毎月 200 万を超えるアプリで Firebase が利用されていることもあり、成功が意味する内容は当然ながらデベロッパーごとに異なります。たとえば、フランス最古で最大の新聞 Le Figaro にとっての成功は、複数の Firebase プロダクトを組み合わせて活用し、有料定期購読者を大幅に増やすことです。3 人で起業した Mighty Immersion というスタートアップ企業は VR テクノロジーによる患者様のケア向上を目指していますが、同社にとっての成功は、Firebase バックエンド プロダクトを使用してできるだけ早く自社アプリの導入施設を増やすことです。
こうしたさまざまなストーリーが、デベロッパー コミュニティへの投資を継続していく原動力になっています。活発でオープンなエコシステムはアイデアの実現を後押しし、すべての開発者に利益をもたらしています。
4 回目を迎える年次イベント Firebase Summit は、今回マドリードで開催されました。この機会に皆さんがどのようなものを開発しているのかを伺うとともに、Firebase の最新情報として、アプリ開発のワークフローとインフラストラクチャ要件の簡素化への取り組みについてご紹介しました。Firebase Summit 2019 で初めて発表した内容については、以下をご覧ください。基調講演と各セッションは Firebase の YouTube チャンネルまたは Firebase Summit のウェブサイトでもご覧いただけます。
画像のサイズ変更、メーリング リストへのユーザーの追加、URL の短縮など、必要に応じてプロジェクトに簡単にデプロイできる多数の機能を Firebase チーム側で構築しました。コードを書いたりデバッグしたりする必要はありません。そうした作業はすべて済ませてあります。
それでも柔軟性は残されているため、個々ののユースケースに合わせて拡張機能を構成できます。Firebase Extensions はオープンソースなので、Firebase や Google Cloud Platform の他のプロダクトとシームレスに統合できます。ご自身のユースケースに適した拡張機能があるかどうか、本日からお探しいただけます。Firebase ウェブサイトの拡張機能検索ページまたは Firebase Extensions GitHub リポジトリで探してみてください。
Firebase エミュレータ スイートは、アプリや機能の構築を支援するさまざまなローカルで作動するツールが揃った、高パフォーマンスで安全な環境です。皆様からのフィードバックに基づいて、エミュレータ スイートの機能を拡張し、セキュリティ ルールに加えた変更のホットリロード機能を追加しました。
クライアント側とサーバー側の SDK のサポート範囲も拡大されています。Realtime Database によるファンクションのトリガーもサポート対象になり、継続的インテグレーションとの連携を強化する新しいコマンドも開発されました。詳細はこちらをご覧ください。
Summit で発表した Firebase App Distribution は、信頼できるテスターにプレリリース版アプリを簡単かつ柔軟に配布する手段として使用できます。iOS と Android 両方のテストアプリを、App Distribution を単一の中央ハブにして配布することが可能です。
また、Gradle、fastlane に対応した CLI や Firebase CLI を使用してプレリリース テストを既存のワークフローに組み込むこともできます。SDK のインストール、フォームの入力、レビュー プロセスの実施は不要です。Firebase App Distribution の使用方法については、こちらをご覧ください。
アプリをリリースしたら、次にやることはユーザーを理解し、エンゲージメントを促進する方法を見極めることです。ユーザーは多くの場合、複数のタッチポイントを介してビジネスと関わり、その際にはさまざまなデバイスを使用します。
そこで Firebase Dev Summit では、Google アナリティクスとの統合対象がウェブのサポートまで拡大されたことを発表いたしました。これまでネイティブ モバイルアプリにご利用いただいていた強力な分析機能(ユーザーのセグメント化、アクションのトリガー、イベントやユーザー プロパティの記録など)が、ウェブアプリにも利用できるようになりました。
そのため、ユーザーの使用するデバイスやプラットフォームが何であっても、ユーザーがアプリをどのように利用しているかをより簡単に把握できます。また、Google アナリティクスの UI をクリックするだけで明確な目標到達プロセスにアクセスできます。つい最近アップグレードされたオーディエンス機能を使用すれば、ウェブユーザーのエクスペリエンスをよりパーソナライズすることが可能です。その際には、こちらも今回からウェブに利用できるようになった Remote Config または Firebase Cloud Messaging を使用できます。
昨年、Firebase Predictions の一般提供を開始したことで、アプリ分析に機械学習を応用し、予測される行動に基づいてユーザー セグメントを自動的に作成できるようになりました。最近、Predictions のエクスペリエンスにいくつかの改良を加え、より多くの情報が得られ、より詳細な管理ができるようにしました。最も大きな改良は、Predictions のインターフェースの更新です。これにより、予測されるあらゆるユーザー行動の確認が可能になり、ユースケースに応じてどのようなユーザー セグメントでもターゲットに設定できるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。
本日は、Remote Config とアナリティクス向けのウェブ SDK の新しいリリースをオープンソース化します。また、Firebase 向けの包括的な React Native ライブラリを作成してきた企業である Invertase と緊密に連携し、同社のライブラリですべての Firebase プロダクトがカバーされるようにしました。
新しい React Native Firebase v6 リリースではすべての Firebase サービスがサポート対象に追加されており、新しいドキュメント ウェブサイト、クイック スタートガイド、アップグレード済みの SDK がリリースに含まれています。React Native Firebase に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
この実証済みのシステムでは、事前定義された Firebase の役割を使用するか、独自の役割を作成して、適切な人以外は Firebase プロジェクトと Firebase のデータにアクセスできないようにすることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
Fabric ダッシュボードを利用できるのは 2020 年 3 月 31 日までです。新しいプラットフォームでの成功を確実なものにするために、移行は早めにお済ませください。こちらから開始できます。
プラットフォームの育成と強化を続けるにあたり、皆様からのフィードバックをお待ちしています。アルファ版プログラムに参加し、Firebase チームが構築を進めている次期機能などの最新情報を入手してください。そして、Firebase チームとアイデアを分かち合い、Firebase の未来をともに形作りましょう。
Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team
私たち Firebase チームの使命は、モバイルとウェブのデベロッパーの成功を支援することですが、毎月 200 万を超えるアプリで Firebase が利用されていることもあり、成功が意味する内容は当然ながらデベロッパーごとに異なります。たとえば、フランス最古で最大の新聞 Le Figaro にとっての成功は、複数の Firebase プロダクトを組み合わせて活用し、有料定期購読者を大幅に増やすことです。3 人で起業した Mighty Immersion というスタートアップ企業は VR テクノロジーによる患者様のケア向上を目指していますが、同社にとっての成功は、Firebase バックエンド プロダクトを使用してできるだけ早く自社アプリの導入施設を増やすことです。
こうしたさまざまなストーリーが、デベロッパー コミュニティへの投資を継続していく原動力になっています。活発でオープンなエコシステムはアイデアの実現を後押しし、すべての開発者に利益をもたらしています。
4 回目を迎える年次イベント Firebase Summit は、今回マドリードで開催されました。この機会に皆さんがどのようなものを開発しているのかを伺うとともに、Firebase の最新情報として、アプリ開発のワークフローとインフラストラクチャ要件の簡素化への取り組みについてご紹介しました。Firebase Summit 2019 で初めて発表した内容については、以下をご覧ください。基調講演と各セッションは Firebase の YouTube チャンネルまたは Firebase Summit のウェブサイトでもご覧いただけます。
モバイルアプリとウェブアプリの質を高める新しいツール
Firebase Extensions で毎日の開発タスクを効率化
アプリ開発で同じようなタスクを繰り返しているとペースが低下し、ユーザー エクスペリエンスの向上に充てる時間が減ってしまうことがあります。そうした時間の無駄を省くために導入されたのが Firebase Extensions です。これは、多くのプロジェクトに共通するタスクの自動化を念頭に設計されたコードをまとめてあらかじめパッケージ化したものです。画像のサイズ変更、メーリング リストへのユーザーの追加、URL の短縮など、必要に応じてプロジェクトに簡単にデプロイできる多数の機能を Firebase チーム側で構築しました。コードを書いたりデバッグしたりする必要はありません。そうした作業はすべて済ませてあります。
それでも柔軟性は残されているため、個々ののユースケースに合わせて拡張機能を構成できます。Firebase Extensions はオープンソースなので、Firebase や Google Cloud Platform の他のプロダクトとシームレスに統合できます。ご自身のユースケースに適した拡張機能があるかどうか、本日からお探しいただけます。Firebase ウェブサイトの拡張機能検索ページまたは Firebase Extensions GitHub リポジトリで探してみてください。
利用可能な拡張機能を Firebase コンソールでリリース |
Firebase エミュレータ スイートで開発をスピードアップ
Firebase エミュレータ スイートは、アプリや機能の構築を支援するさまざまなローカルで作動するツールが揃った、高パフォーマンスで安全な環境です。皆様からのフィードバックに基づいて、エミュレータ スイートの機能を拡張し、セキュリティ ルールに加えた変更のホットリロード機能を追加しました。クライアント側とサーバー側の SDK のサポート範囲も拡大されています。Realtime Database によるファンクションのトリガーもサポート対象になり、継続的インテグレーションとの連携を強化する新しいコマンドも開発されました。詳細はこちらをご覧ください。
Firebase エミュレータ スイートで Realtime Database がサポートされるようになり、クライアント側およびサーバー側 SDK のサポート範囲も拡大 |
アプリの品質とユーザー エンゲージメントの向上
Firebase App Distribution を使用して、アプリを公開する前に安定性とユーザビリティを向上
アプリ開発にはバグがつきものですが、アプリを公開する前にバグを解消し、ユーザー エクスペリエンス、あるいは評価やレビューに影響が及ばないようにすることが重要です。Summit で発表した Firebase App Distribution は、信頼できるテスターにプレリリース版アプリを簡単かつ柔軟に配布する手段として使用できます。iOS と Android 両方のテストアプリを、App Distribution を単一の中央ハブにして配布することが可能です。
また、Gradle、fastlane に対応した CLI や Firebase CLI を使用してプレリリース テストを既存のワークフローに組み込むこともできます。SDK のインストール、フォームの入力、レビュー プロセスの実施は不要です。Firebase App Distribution の使用方法については、こちらをご覧ください。
Firebase コンソールから信頼できるテスターにプレリリース版アプリを送信 |
Google アナリティクス、Firebase Remote Config、Firebase Cloud Messaging を使ってウェブアプリの機能を拡張
アプリをリリースしたら、次にやることはユーザーを理解し、エンゲージメントを促進する方法を見極めることです。ユーザーは多くの場合、複数のタッチポイントを介してビジネスと関わり、その際にはさまざまなデバイスを使用します。そこで Firebase Dev Summit では、Google アナリティクスとの統合対象がウェブのサポートまで拡大されたことを発表いたしました。これまでネイティブ モバイルアプリにご利用いただいていた強力な分析機能(ユーザーのセグメント化、アクションのトリガー、イベントやユーザー プロパティの記録など)が、ウェブアプリにも利用できるようになりました。
そのため、ユーザーの使用するデバイスやプラットフォームが何であっても、ユーザーがアプリをどのように利用しているかをより簡単に把握できます。また、Google アナリティクスの UI をクリックするだけで明確な目標到達プロセスにアクセスできます。つい最近アップグレードされたオーディエンス機能を使用すれば、ウェブユーザーのエクスペリエンスをよりパーソナライズすることが可能です。その際には、こちらも今回からウェブに利用できるようになった Remote Config または Firebase Cloud Messaging を使用できます。
Google アナリティクスでのウェブアプリのサポートを開始 |
Firebase Predictions でユーザーの行動を簡単に予測
昨年、Firebase Predictions の一般提供を開始したことで、アプリ分析に機械学習を応用し、予測される行動に基づいてユーザー セグメントを自動的に作成できるようになりました。最近、Predictions のエクスペリエンスにいくつかの改良を加え、より多くの情報が得られ、より詳細な管理ができるようにしました。最も大きな改良は、Predictions のインターフェースの更新です。これにより、予測されるあらゆるユーザー行動の確認が可能になり、ユースケースに応じてどのようなユーザー セグメントでもターゲットに設定できるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。管理性、柔軟性、透明性の向上
SDK のオープンソース化を進めて内部を公開
オープンなプラットフォームがなければ強力なソフトウェアの作成やつながり合ったコミュニティの構築はできないと、私たち Firebase チームは考えています。この数か月間で、iOS と Android のライブラリをそれぞれ 4 つ追加でオープンソース化しました。本日は、Remote Config とアナリティクス向けのウェブ SDK の新しいリリースをオープンソース化します。また、Firebase 向けの包括的な React Native ライブラリを作成してきた企業である Invertase と緊密に連携し、同社のライブラリですべての Firebase プロダクトがカバーされるようにしました。
新しい React Native Firebase v6 リリースではすべての Firebase サービスがサポート対象に追加されており、新しいドキュメント ウェブサイト、クイック スタートガイド、アップグレード済みの SDK がリリースに含まれています。React Native Firebase に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
Firebase プロジェクトへのアクセスを制限する
私たち Firebase チームは、プラットフォームのオープン化を進めるだけでなく、データのセキュリティを確保するために、適切なプロセスが確実に整備されるようにもしています。そのための支援として、Firebase の役割と権限が一般提供となったことをお知らせします。この実証済みのシステムでは、事前定義された Firebase の役割を使用するか、独自の役割を作成して、適切な人以外は Firebase プロジェクトと Firebase のデータにアクセスできないようにすることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
Firebase Summit 2019 で発表されたその他のニュース
Firebase Test Lab でテストの実行時間を短縮
Firebase Test Lab が改良され、シャーディングを使ってテストを高速化できるようになりました。テストのシャーディングを使用すると、複数のテストをサブグループ(シャード)に分割し、平行して実行できます。詳しくはこちらをご覧ください。Fabric の移行に関する最新情報
App Distribution をリリースしたことで、Fabric の優れた機能を Firebase に組み込む作業は完了しました。Fabric の便利な機能はすべて Firebase でアクセスできるようになりました。最新のアップデートを利用できるようにするために、Fabric のアプリとチームメイトを今すぐ Firebase に移行することをおすすめします。Fabric ダッシュボードを利用できるのは 2020 年 3 月 31 日までです。新しいプラットフォームでの成功を確実なものにするために、移行は早めにお済ませください。こちらから開始できます。
2020 年とその先に向けて
私たち Firebase チームはこれからも Firebase への投資を続け、アプリ開発のワークフローとインフラストラクチャの要件が簡素化され、素晴らしいユーザー エクスペリエンスの構築に皆様が専念できるよう、プラットフォーム機能の充実を図ってまいります。プラットフォームの育成と強化を続けるにあたり、皆様からのフィードバックをお待ちしています。アルファ版プログラムに参加し、Firebase チームが構築を進めている次期機能などの最新情報を入手してください。そして、Firebase チームとアイデアを分かち合い、Firebase の未来をともに形作りましょう。
Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team