飯田)日本側の面子として。
佐々木)そうです。だから面子で言い出すと決着がつかないので、本来ロジックで議論すべきです。韓国はGSOMIA問題では踏みとどまりましたが、一方ではアメリカが懸念している通り、韓国は中国寄りに落ちています。そうすると中国・ロシアという陸の国と、アメリカ・日本という海の国が対立する、19世紀末~20世紀初めのイギリスとロシアのグレート・ウォーみたいなことをやり直すことになります。北朝鮮、韓国と、半島というのは常に中途半端な位置になります。最近だとクリミア半島、第一次世界大戦の直前のバルカン半島とか。半島は常に中途半端な位置に立たされて、火薬庫になりやすいのです。
地政学的には日本は韓国にある程度譲歩する必要がある
飯田)まさにイギリスとロシアがぶつかったのも、クリミア半島のあたりでした。
佐々木)半島は火種になりやすい場所なのです。それが繰り返されていて、韓国が陸側に行くのか海側に来るのか。日本としては陸側に行ってしまったら、得することはありません。中国・ロシア・アメリカ・北朝鮮に囲まれていて、日本と韓国だけおとなしくしていたのに、その韓国が向こう側に行ってしまったら、日本は完全に孤立して中国・ロシアに向き合わなければなりません。向こう側に行ってほしくないわけです。そう考えると、日本は韓国の面子をある程度、満足させる必要があるのではないかと思うのですね。ロジックはないにしろ。そう言うと右派の人たちが怒りますが。
日本が得をすることはなくてももう絶対ぶり返してほしくない、譲ってほしくないね。
いつ裏切るか分からん連中に譲歩する必要はない、そんな時期はもう過ぎてる