上田準二さんの「お悩み相談」。今回は地方のメーカーで働く31歳の男性。給料が安くて生活に全く自由がなく、悩んでいます。社長は「経営陣の給料も安いから我慢してほしい」と言うばかりで、将来が見えず不安を抱えています。上田さんは、「転職にチャレンジしよう」とアドバイスする一方、「この会社の社長は駄目だ」と断言。その理由は?
悩み:給料が少なく、将来が見えません。社長は「経営陣の給料も安いので我慢してくれ」というばかり。同僚や上司との関係は良好ですが、お金がないためプライベートには自由がなく、そんな閉塞感を打破するにはどうしたらいいでしょうか。
「給料が少なく希望が見えない」と言う従業員に経営者は何を思いますか。
大卒でとにかく正社員で仕事ができればどこでもいいと、地方(出身地ではない)のメーカーに就職しました。仕事は開発職ですが忙しすぎることもなく、同僚や上司との関係も良好です。不満は、とにかく金がなく、不自由に感じている点です。
就職前に会社の給与相場を把握しておかなかったのは自己責任とはいえ、大失敗でした。また、ヒト・モノ・コトへのアクセスに田舎はひどくお金がかかるというのも盲点でした。手取り15万円で、何か趣味や勉強などに手を出そうものなら、あっという間に金欠ギリギリになります。やりくりするには、とにかく何もしないことが肝心。“貨幣は鋳造された自由”とは良く言ったものです。
今日も気分転換に外出しようか迷いましたが、車検と保険の支払いで来月の給料日まで金欠状態が続くことを確認したため断念し、この閉塞感を何とかしたいと上田さんに相談することにしました。
弊社の社長は折に触れて「我々はもうかってない。経営陣の給料も安いので我慢して頑張ってくれ」と話しています。確かにもうかっていないのなら従業員や労組も給料を上げろとは言えません。実際、昇給と賞与は上場企業平均どころか、県内企業平均も下回っています(中央値はどうか分かりませんが)。
給料が上がる見込みは少なく、このままでは挑戦も、結婚も、老後の準備もできず貧しいまま一生を終えることになりそうで、不安でなりません。何か始めようと思っても「そのためのお金が足りない→将来不安を思い出す」のループに陥ります。どうすれば前向きに生きることができるでしょうか。あるいは未来のことは忘れて今だけに専念すべきでしょうか。
(31歳 男性 会社員)
上田準二:この方の会社は、職場は家族的な雰囲気があるのかもしれないね。
忙しすぎることもなく同僚や上司との関係も良好というから、居心地は良さそうだ。ただ、問題は……。
大竹剛(日経ビジネス):お金がない。
上田:給料が低いということですよね。あなた自身は、「これは失敗だった」という結論を出している。
大竹:そうですね。
上田:「失敗だった」という結論を踏まえて、何をするか。答えは1つです。自分の能力を信じて転職するしかない。もし、あなたが失敗だったという結論を出しているのであれば、今度は成功するためのチャレンジをしなきゃいけない。
コメント23件
あ
・東名阪以外の地方には仕事が無い
・地方は物価が安いと思われがちだが住関連以外の物価はさして変わらない。都会では不要な車も地方では必須
と考えたら都会に転職するしかないですね。
地方衰退もやむなるかな、ですが。
かっぱ
30過ぎて手取が15万はあり得ない。どうしてこんな待遇で我慢できるんだろうか?と素朴且つ失礼な疑問を持ったが、まったりとした職場環境に慣れてしまった自分が果たして他社で通じるか?という不安があるのだろう。
分かる気がする。でも大丈夫。厚遇さ
れたら激務の痛みは薄らぐ。耐えられなければ、そのときはまた辞めたらいい。失うものがないくらい、その待遇はないと思う。...続きを読むアラフィフさん
私は職場を転々としていますが、待遇は半分実力、半分は運だと思います。(不景気な会社を選ばなければ)
ポジションや会社/上司にマッチすると相場以上の給料をもらえることもある。部下の働きぶりを見ているだけの楽な仕事のこともある。
カードを引き
直す度胸が必要なんだと思う。...続きを読むまずは自分の市場価値を確認するためにも、転職エージェントに相談を。
Taro
すぐに転職が難しいと言うのであれば得意なこと関心があることなどを副業にして、その副業の方に軸足を移しつつ今の仕事とどちらかを選ぶか考えられてはいかがでしょうか。そんなに副業なんてうまくいかないというのであれば、今の会社に15万円でありがたく
お世話になりながら、生活のコストを見直して自分にとってのささやかな幸せを見つけ出し、それが辛いと思っても耐えていくしかないでしょうね。...続きを読むforte
まだ道半ば
上田さんがおっしゃること、至極真っ当。
逆に、相談者はこんなことも自分で決められないのか?
自分の人生、他人に決めてもらうことでもないだろうに。
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