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「どこにも行かないで。携帯とタバコを持って追いかけた」

「行かないでほしかった。どこにも行かないでほしかったんだと思います。彼は私を付き飛ばし、私を殴って蹴って出て行った。その際、私のコンタクトが取れたのでメガネを取りに行って、携帯とタバコを持って追いかけました」(高岡被告)

 高岡被告は1日タバコを4箱吸うヘビースモーカーだという。琉月さんはエレベーターで1階に降り、エントランスで力尽き、倒れた。高岡被告は非常階段で後を追い、エントランスで倒れている苦しむ琉月さんを見つけると、110番通報したという。

血まみれの現場でタバコを吸い、電話をかける高岡被告

 前出の司法担当記者が続ける。

「高岡被告や弁護人は、自ら110番通報をしたことで過ちを悔い、自首をしたことをアピールしていた。一方、検察は高岡被告が非常階段で追跡をする際、途中でタバコを吸ったり、倒れた琉月さんにキスをしようとする、またはキスをしようとした奇行を指摘しました。追跡の際、血だらけの高岡被告を見た住民が悲鳴を上げており、警察に通報されたと思った高岡被告は『もう一緒に死ぬことができない』と考え、やむを得ず110番通報をしたと検察は見ている」

母親は涙ながらに「娘は本来優しい子なんです」

 逮捕後、高岡被告は琉月さんに謝罪の手紙を書き、琉月さんにはもちろん、彼の職場である歌舞伎町にも近付かないことを誓った。既に示談が成立しており、琉月さんは寛大な処分を望んでいる。

「示談金は500万で高岡被告の母親が払いました。法廷で証言した中国出身の母親は、涙ながらに『娘は本来優しい子なんです』と不慣れな日本語で減刑を嘆願していました」(同前)

 高岡被告は10月に保釈されており、学校に通い、介護の資格を獲得。今後はハローワークに通い、介護福祉の仕事を目指していくと訴えていた。

高岡被告(インスタグラムより)

 12月4日、検察は確固たる殺意があったなどとして懲役5年を求刑。弁護人は両親から十分な監督が期待でき、反省をしているという点から執行猶予を求めた。高岡被告は裁判官に対し現在の気持ちを泣きながらこう述べた。

「本当に大変なことをしました。恐ろしい事件を起こしてしまった。被害者に申し訳ないと思っています。人間が人間を殺していいはずがありません。保釈されてから両親と話をしたときに父から『由佳と母がいれば』それでいいと言われ、母からは初めて強く抱きしめられた気がします。一生償って事件を背負って生きていきます」

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