首里城火災で放水銃1基の収納ぶたが開けられず消火活動に使えなかった件で、この1基が2017年度の設置以降、防災訓練で使われていなかったことが3日、分かった。首里城を運営管理する沖縄美ら島財団は、火災時に監視員が専用工具で地下ピットのふたを開ける運用にしていたが、初動対応が浸透していなかった恐れがある。
財団は10月31日に発生した火災時の監視員の動きについて「初期消火や消防隊の誘導に当たり、放水銃のふたを開ける作業には至らなかった」と説明した。
使えなかった1基は火元とみられる正殿の裏手、御内原エリアにある。通常は地下ピットに収納されている。首里城を所有する国が17年度に従来の地上型から、地下埋設型に整備し直した。
財団によると、18年度は御内原エリアが未開園で、この放水銃を使った消防訓練をしなかった。今年5月に放水試験をし、12月の消防訓練で使う予定だったという。財団は「管理体制が適切だったかを含めて検証し、見直すべきところは全て見直し再発防止に努める」とコメントした。